栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 つぶやき スズキ

スズキ ワゴンR キャタライザーサービスキャンペーンでのやり取り 

スズキ ワゴンR(MH21S)ご入庫です。

 

お客さま サービスキャンペーンの案内はがきが来たのでディーラーで点検を受けてきたそうです。

※サービスキャンペーンとは:リコールや改善処置などに当てはまらない不具合などで商品性などの品質改善措置を自動車メーカーが行うことを言います。不具合が発生する可能性があるものを点検してだめなら交換などの対処をしてくれます。

しかし、点検の結果 異常はない”とのことで戻されたそうなのですがどうも腑に落ちないため当店にご相談に来られました。

サービスキャンペーン内容は”ターボチャージャー付き車においてキャタライザー(触媒:排気ガスの通り道)に亀裂が入り排気音が大きくなる恐れがある”との案内でしたが、お客様 前々から排気ガス臭いと感じておられ今回の内容が一致しているのではと思って点検を受けたそうですが異常はないといわれ納得いかなかったそうです。

点検してみますと確かにエンジンルーム内に排気ガスの匂いが立ち込めているので排気漏れが発生しているのは間違いなさそうです。

キャンペーンに該当する部分を上部から目視で確認してみましたが特に亀裂は見えません。しかし、アクセルをあおると かすかに排気ガスの煙が見えます。

排気ガスは見えずらいのでアナログな方法ですが、棒の先にティッシュをつけて 近づけてみることにしました。

すると、アクセルをあおったときに排気ガスが当たってティッシュがなびいています。やはり亀裂は見えませんが該当部周辺に漏れがあるのは確実なようです。

先に点検したディーラーにも見落としがあったのでしょう、今度は近くのディーラーにあとの点検を任せることにしました。

しかし、ここからが大変でした。

電話で、ことの経緯を説明をして点検の依頼をしましたが電話に出た人は”排気音が大きくなっていなければ交換は認められません”などと点検をする前から言い出しました。

これには私も少しいらっとしました。メーカーからは確かに亀裂が発生して排気音が大きくなる恐れがあるとの案内でしたが、排気音が大きくなければ交換しないなど どこにも案内はありません。

ましては、排気漏れは立派な保安基準不適合です!!細かいことを言えば保安基準不適合になるような不具合はサービスキャンペーンのレベルではなくリコールに該当することです!!排気漏れの車両で排気ガスによる中毒で亡くなった方がいるなんていう事故もあるのに!

”点検もしないで電話で門前払いでよいのですか?”というとサービスから折り返しの電話をさせますとのこと。

その後メカニックの方から連絡いただき点検を受けられることになりました。

こちらの方は物分りがよい感じで大丈夫そうです。(電話でちょっと怒ってるのが伝わったのかも)

しかし、点検を進めるとまたまた問題です。

メカニックいわく

”遮熱板を外して点検しましたが、現状亀裂はありません”

”排気漏れはしているのは確かですが該当部位以外からですので交換はできません” 

”亀裂を確認できないので交換は出来ません”

仕方ないので工場に入れてもらい車両を一緒に診させてもらいました。

確かに上部からでは直接 亀裂は見当たりません、そこで鏡を貸していただき見えない裏側を覗いてみました。

!!何か黒ずんでいます。私の目では排気漏れのすすけたあとに見えるし亀裂らしきものも確認できるのですが、ディーラーのメカニックは”オイルのたれた跡で亀裂では無い”と認めません。

仕方ないので、私が持参した先ほどのティッシュ棒を使います。

エンジンを掛け亀裂のように見える黒ずんだ部分に近づけると排気ガスが当たってティッシュはなびきます。

ティシュがなびくことで明らかにその部分から排気が漏れていることを目視でも確認することが出来、ようやくディーラーのメカニックに亀裂を認めてもらい交換することに承諾してもらうことが出来ました。

なんで、こんなに苦労しなければならないのでしょう、私には一文の得になることは無いのに・・・

聞けばこちらの店舗では、交換事例はまだないそうです。

しかし、私はすでにこの事例を2件発見しています。

当店は小さな町工場でスズキの販売店でもないのではるかに対象車両の入庫台数は少ないのですがエンジンルームから排気ガスの匂いが出ている車両を見て正常ではないので、どこから漏れているのか探し出そうという努力をした結果発見することができました。

わざわざサービスキャンペーンで点検に来て下さいと来させておいて、排気漏れを確認しているにもかかわらず ”サービスキャンペーンに該当していないから知りません”  ”亀裂は見えません” では、お客様はどうしたらよいのでしょうか?

排気漏れがどこからしているのか探そうとしたのでしょうか?

自動車メーカーから故障の恐れがあるとわざわざヒントを貰えている故障なのに現場で故障探求を失敗していてはメーカも信頼を失うのでは?

交換事例が無いのではなく不具合を発見できていないだけなのでは?

私が不具合を発見した2台を、計3件のディーラーに持っていきましたがどこもはじめは異常なしの判定でした。

2台とも排気ガス臭はかなり出ていたにもかかわらずです。

お忙しいのはわかりますが、今回の一件でかなり整備士のレベル(気持ち)が下がっていると落胆してしまいました。

私もディーラー出身ですので、どれだけディーラーが時間に追われて大変かはわかります。

仕事をさばくスピードや技術力も大切ですが、まずはお客様を思う気持ち、故障を直そうという気持ちが大切なのではないでしょうか?

 

後日、交換した部品です。外さなければ見えない部分ですが1/3ほど割れてしまいひどい状態でした。

とても問題がないといえるレベルではありません!

IMG_5143

最後にディーラーのメカニックは”勉強になりました。”と言ってましたが、その勉強というものが整備士の心構えであってもらいたいものです。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

VW ゴルフ6 ヘッドライトの曇りを放置した結果

VW ゴルフ6のご入庫 ヘッドライトが点かないとの事。 確かにヘッドライトは点灯しませんが原因は想像できます・・・ 大量の水がヘッドライトに浸入しています。   診断機も掛けますが当然エラー検出。   ヘッドライトのシーリングが悪くなり雨水が浸入しているのですが、水が入ってよい訳がありません。 どのようになるかと言いますとこのようになります。 ヘッドライトユニットは単に電球が入っているわけではなくHIDのバラストユニットやアクティブヘッドライトのコントロールユニットなども一体になっています。 こ ...

続きを見る

ブレーキランプの不思議な点灯

ブレーキランプが切れているとの事でご入庫。 しかし点灯確認すると何かおかしいです。 ヘッドライトを点灯させます。 するとブレーキを踏んでいないにもかかわらずハイマウントストップランプが点いてしまいます。 ブレーキは踏んでいませんのでハイマウントストップランプは消灯していなければなりませんし、ナンバー灯が点灯しているので本来なら左右スモールランプは点灯しなければなりませんがこちらは左右とも点いていません。   今度はブレーキを踏むとブレーキランプ部分はかなり弱弱しく点灯していますが暗くてブレーキを ...

続きを見る

ルノー カングーⅡ後期 突然の加速不良

ルノー カングーⅡ こちらはカングーⅡの後期モデルで1200㏄ガソリンエンジン ターボチャージャー付になります。 エンジンチェックランプが点灯してアクセルを踏み込んでも進まなくなったとのことで積載搬送されました。 エンジンは掛かりますが空気を吸う吸気音が大きいです。 音の出所をたどるとターボチャージャーから出てくる樹脂製の加給パイプがパックリ開いてしまっていました。 この部分は樹脂を溶着させて組まれているのですがそこが剝がれてしまっていました。 従来は金属で作られていたこのような部品も樹脂を使用するように ...

続きを見る

VW ゴルフ5GTI ハブベアリングの故障あれこれ

VW ゴルフ5 GTI 年数・距離共に大分伸びてきたこの時代の車両、ハブのベアリングもそろそろ限界を迎えることが多くよく見かけるます。 同型モデルで違う車両ですが、それぞれのハブベアリングの不具合症状例を紹介します。 走行中ゴーゴー音が聞こえるためタイヤを変えたが音がやまなかったとの事でご来店。 走行テストを行うと低い音でゴーという音が60㎞/h位から車内に響きます。 感覚的には車両後方から聞こえる気がします。 リフトで車両を持ち上げてタイヤを手で回すと右後輪の車輪からゴー音が出ていることが確認できました ...

続きを見る

VW ティグアン(AD1)パークセンサー エラー

VW ティグアン(AD1) メーターにパークセンサーエラーの表示がされるとの事。 パークセンサーとは障害物に近づくとピーピーと警報音やモニターなどに表示されるシステムのセンサーで、超音波で障害物との距離を測っています。 診断機でどこのパークセンサーのエラーが検出されているか点検すると左後方のセンサーのエラーを検出しました。 エラーを消去しても消えませんので現在故障として検出しています。 センサーにつながるコネクターの接触も悪くないのでセンター自体の故障判断して交換します。   交換後は正常に作動してエラー ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリエッタ オーバーヒートランプ点灯

アルファロメオ ジュリエッタ1.4のご入庫 オーバーヒートランプが点灯したとの事 この警告ランプは危険ですのでロードサービスで搬送してもらいました。 症状が発生した時の様子をお聞きするとエアコン(冷房)の効きが急に悪くなったためガソリンスタンドで診てもらおうと立ち寄ったところ今度はオーバーヒート警告灯が点灯したとの事。 ガソリンスタンドでは電動冷却ファンが回っていないのではないかと言われたようです。   点検を始めます。 エアコンを掛けると回るはずの電動ファンはやはり回っていません。そこで電動フ ...

続きを見る

ニッサン ノート(E12)突然の異音とエンスト

ニッサン ノート(E12) 走行中突然変な音がエンジンからして、吹けなくなりエンストもするようになったとの事。 エンジンからもヒュンヒュン変な音がするそうです。 ロードサービスで積載搬送して入庫となりました。 エンジンは掛かりますがDやRレンジにシフトするとストンとエンジンが止まってしまう時があります。 それに空ぶかしをするとヒュンヒュンとかなり大きな音が響き渡ります。 音の出どころを探ると一目でわかる故障個所がありました。 これはスーパーチャージャーの出口で加給圧の掛かった空気が通るダクトです。 樹脂製 ...

続きを見る

ニッサン ADバン(Y12)エンスト

ニッサン ADバン(Y12) エンジンがブルブルしてエンストするときがあるとの事。 入庫時はやはりラフアイドルの状態で今にもエンジンが止まりそうです。 診断機を使用して故障コードを読み出すと複数シリンダーのミスファイヤーとO2センサーに関するものを検出しています。 複数シリンダーでのミスファイヤーですと独立点火なため電気的な点火系統は考えづらいですし、O2センサーがリーン側でエラーを検出していますので空燃比に起因する故障と思われます。 症状をよく観察するとエンジンはかなり不安定ですが周期的に回転が上がり落 ...

続きを見る

アウディA5(F5) ウォーターポンプ冷却水漏れ

アウディA5(F5) 冷却水レベル警告が出て継ぎ足したがしばらくするとまた減っているとの事。 冷却水が漏れていることで減ると思われますがぱっと見た感じでは大きく漏れてはいないように見えます。 しかしこのエンジンではオーソドックスに漏れるところがあります。 インテークマニホールド側から見た姿ですがこの奥にあるウォーターポンプから漏れることが非常に多いです。 実際わずかなすき間からのぞくと冷却水が漏れているのがわかりました。 少しずつ漏れるのですぐに乾いてしまい下まで垂れてくるのが遅いので気が付きづらいのです ...

続きを見る

VW シャラン エンジン不調後 掛からなくなった

VW シャラン ガクガクするエンジン不調が始まったが何とか自宅にたどり着いた、しかし翌日はエンジンは完全に掛からなくなったということで積載搬送されました。 入庫時クランキングは出来ますが初爆がなくエンジンは掛かりません。 診断機を繋いで故障コードを読み出します。 バルブタイミングと空燃比に関する故障コードを検出していました。 バルブタイミングに関するエラーを検出していますので嫌な予感がしますが、基本的な点検は必要なのでガソリンエンジンの3要素”良い火花・良い燃料・良い圧縮”を点検していきます。 燃料ポンプ ...

続きを見る

-故障修理・整備, つぶやき, スズキ

© 2024 増高自動車工業有限会社