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ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 つぶやき スズキ

スズキ ワゴンR キャタライザーサービスキャンペーンでのやり取り 

スズキ ワゴンR(MH21S)ご入庫です。

 

お客さま サービスキャンペーンの案内はがきが来たのでディーラーで点検を受けてきたそうです。

※サービスキャンペーンとは:リコールや改善処置などに当てはまらない不具合などで商品性などの品質改善措置を自動車メーカーが行うことを言います。不具合が発生する可能性があるものを点検してだめなら交換などの対処をしてくれます。

しかし、点検の結果 異常はない”とのことで戻されたそうなのですがどうも腑に落ちないため当店にご相談に来られました。

サービスキャンペーン内容は”ターボチャージャー付き車においてキャタライザー(触媒:排気ガスの通り道)に亀裂が入り排気音が大きくなる恐れがある”との案内でしたが、お客様 前々から排気ガス臭いと感じておられ今回の内容が一致しているのではと思って点検を受けたそうですが異常はないといわれ納得いかなかったそうです。

点検してみますと確かにエンジンルーム内に排気ガスの匂いが立ち込めているので排気漏れが発生しているのは間違いなさそうです。

キャンペーンに該当する部分を上部から目視で確認してみましたが特に亀裂は見えません。しかし、アクセルをあおると かすかに排気ガスの煙が見えます。

排気ガスは見えずらいのでアナログな方法ですが、棒の先にティッシュをつけて 近づけてみることにしました。

すると、アクセルをあおったときに排気ガスが当たってティッシュがなびいています。やはり亀裂は見えませんが該当部周辺に漏れがあるのは確実なようです。

先に点検したディーラーにも見落としがあったのでしょう、今度は近くのディーラーにあとの点検を任せることにしました。

しかし、ここからが大変でした。

電話で、ことの経緯を説明をして点検の依頼をしましたが電話に出た人は”排気音が大きくなっていなければ交換は認められません”などと点検をする前から言い出しました。

これには私も少しいらっとしました。メーカーからは確かに亀裂が発生して排気音が大きくなる恐れがあるとの案内でしたが、排気音が大きくなければ交換しないなど どこにも案内はありません。

ましては、排気漏れは立派な保安基準不適合です!!細かいことを言えば保安基準不適合になるような不具合はサービスキャンペーンのレベルではなくリコールに該当することです!!排気漏れの車両で排気ガスによる中毒で亡くなった方がいるなんていう事故もあるのに!

”点検もしないで電話で門前払いでよいのですか?”というとサービスから折り返しの電話をさせますとのこと。

その後メカニックの方から連絡いただき点検を受けられることになりました。

こちらの方は物分りがよい感じで大丈夫そうです。(電話でちょっと怒ってるのが伝わったのかも)

しかし、点検を進めるとまたまた問題です。

メカニックいわく

”遮熱板を外して点検しましたが、現状亀裂はありません”

”排気漏れはしているのは確かですが該当部位以外からですので交換はできません” 

”亀裂を確認できないので交換は出来ません”

仕方ないので工場に入れてもらい車両を一緒に診させてもらいました。

確かに上部からでは直接 亀裂は見当たりません、そこで鏡を貸していただき見えない裏側を覗いてみました。

!!何か黒ずんでいます。私の目では排気漏れのすすけたあとに見えるし亀裂らしきものも確認できるのですが、ディーラーのメカニックは”オイルのたれた跡で亀裂では無い”と認めません。

仕方ないので、私が持参した先ほどのティッシュ棒を使います。

エンジンを掛け亀裂のように見える黒ずんだ部分に近づけると排気ガスが当たってティッシュはなびきます。

ティシュがなびくことで明らかにその部分から排気が漏れていることを目視でも確認することが出来、ようやくディーラーのメカニックに亀裂を認めてもらい交換することに承諾してもらうことが出来ました。

なんで、こんなに苦労しなければならないのでしょう、私には一文の得になることは無いのに・・・

聞けばこちらの店舗では、交換事例はまだないそうです。

しかし、私はすでにこの事例を2件発見しています。

当店は小さな町工場でスズキの販売店でもないのではるかに対象車両の入庫台数は少ないのですがエンジンルームから排気ガスの匂いが出ている車両を見て正常ではないので、どこから漏れているのか探し出そうという努力をした結果発見することができました。

わざわざサービスキャンペーンで点検に来て下さいと来させておいて、排気漏れを確認しているにもかかわらず ”サービスキャンペーンに該当していないから知りません”  ”亀裂は見えません” では、お客様はどうしたらよいのでしょうか?

排気漏れがどこからしているのか探そうとしたのでしょうか?

自動車メーカーから故障の恐れがあるとわざわざヒントを貰えている故障なのに現場で故障探求を失敗していてはメーカも信頼を失うのでは?

交換事例が無いのではなく不具合を発見できていないだけなのでは?

私が不具合を発見した2台を、計3件のディーラーに持っていきましたがどこもはじめは異常なしの判定でした。

2台とも排気ガス臭はかなり出ていたにもかかわらずです。

お忙しいのはわかりますが、今回の一件でかなり整備士のレベル(気持ち)が下がっていると落胆してしまいました。

私もディーラー出身ですので、どれだけディーラーが時間に追われて大変かはわかります。

仕事をさばくスピードや技術力も大切ですが、まずはお客様を思う気持ち、故障を直そうという気持ちが大切なのではないでしょうか?

 

後日、交換した部品です。外さなければ見えない部分ですが1/3ほど割れてしまいひどい状態でした。

とても問題がないといえるレベルではありません!

IMG_5143

最後にディーラーのメカニックは”勉強になりました。”と言ってましたが、その勉強というものが整備士の心構えであってもらいたいものです。

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