アルファロメオ 147TS のご入庫
別件のご依頼でお預かりしていましたが走行テストで異音が発生していることに気が付きました。
スピードに比例してゴーと低い音が後方から聞こえてきます。
考えられる事として車輪軸の軸受けであるハブベアリングの不良です。
車両をリフトアップして後ろ車輪を手で回すとゴーと音が出ます、手で回したくらいでこれだけの音が出るのでは走行中はもっと大きな音になるのは当然です。
異音が出ている後輪のハブベアリングアッセンブリーを交換します。
ディスクローターを外すとハブアッセンブリーがあらわになります。
この車両のハブはセンターナットで留まっているだけなので緩めて外すのですがベアリングインナーが張り付いて残ってしまいました。
不良を起こしたベアリングレースにアバタ状の傷が出来ていました。
このカーブをベアリング球が回るのですが、このわずかな傷が異音を発生させていました。
これを放置していると傷部分が抵抗になることで発熱して最終的には焼き付いて破損します。
新しいハブアッセンブリーに交換して作業完了です。
この部分の破損というのは非常に恐ろしいものでニュースにもなる車輪の脱落事故に至る重大な故障です。
ホイールボルト・ナットなどの緩みでタイヤが外れる車輪の脱落とは違い、車軸の破損はタイヤだけではなくブレーキなど一式がすべて外れるので同時にブレーキの油圧回路も作動しなくなる非常に恐ろしい状態が瞬時に起きます。
異音の中には非常に危険なものもありますので注意が必要です。