アルファロメオ147GTAのご入庫
147GTAは147に3.2L V型6気筒エンジンを搭載したホットモデルになります。
このV6エンジンは遡ること70年代に設計したエンジンをベースに進化したものですので現代のエンジンと比べて大型な為コンパクトな147にはかなり窮屈に収まっています。
クラッチオーバーホールのご依頼を受けました。
トランスミッションを降ろします。
外したクラッチ板は溝が無くなっており交換時期に達していました。
フライホイールも面が荒れていましたので平面研磨を行ったうえで組み付けます。
綺麗に平面が出ることで今後ジャダーなどの不具合を防ぐことが出来ます。
ミッション側のレリーズベアリングとの摺動面もかなり摩耗していますので交換します。
この部品はミッションのインプットシャフトオイルシールも兼ねていますので交換は必須です。
クラッチ板の摩耗はクラッチカバーのスプリングの角度が変化するため、クラッチペダルの操作力に現れます、交換後はスプリング角度が元に戻るのでペダルが軽くなるのが正常です。
クラッチ交換後はこんなにクラッチペダルは軽かったのかと気づかされます。
中古で購入したマニュアル車はほとんどクラッチが摩耗した状態で販売されていることが多いものです。
中には”輸入車はクラッチペダルが重いのが普通ですよ”なんて言われて購入したなどということも耳に入ることがありますが一般的な市販車両ではクラッチペダルの踏力がそこまで重いものはありません。
マニュアル車の醍醐味はシフト・クラッチ・アクセル操作の一体感だと思いますがクラッチペダルが重たかったりミートポイントがずれた状態ですとこの一体感のバランスが崩れてしまいます。
決して安いメンテナンスではありませんが、車両の操作フィーリングの中でかなり大きなウエイトを占めている部位ですので無理をして滑らすまで乗るなんてことはしないようにしてください。
その車に掛けた分だけ本来の操作フィーリングを味わうことが出来ます。