栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 アルファロメオ

アルファロメオ 155 V6 オーバーヒート

アルファロメオ 155 V6のご入庫

ご用命は、”水温計が気が付いたら120℃になって煙が出た”とのこと

入庫時は、冷却水のエキスパンションタンクがぐつぐつ煮立った状態でオーバーヒートしています。

しかし、こんな状態にもかかわらずエンジン冷却用の電動ファンが回っていません。

この時代よくあったのが、電動ファンの電流が大きいためリレーが壊れたり配線が焼けたりしたことが非常に多かったのです。

リレーボックスを開けてみると・・・

!!!

真っ黒焦げで火災状態です!

これでは、電動ファンへの電源供給は無理ですので回らないはずです。

リレーボックスの修理をすることになりました。

リレー自体はすべて新しいものに替えますがここまで熱が入った場合、コネクタの刺さるメス側の端子も焼きが入り今後接触不良が起こる可能性がありますのでメス端子も交換します。


これだけの数使っているのですが、接触不良が起こればそこが抵抗になり発熱します、さらに抵抗が増え発熱量が上がれば今回のようなことが再発してしまいますので手を抜くことはできません。

 

もう一つ気になるところで、このリレーボックスにはヒューズも備え付けられています。

電動ファンの純正ヒューズはプレートタイプの40Aとかなりの大容量です。

前オーナー様はこれをブレードヒューズにしてバイパスさせていました。しかし、40Aの容量のところに30Aのブレードヒューズをつけていたので当然ファンが多く回る猛暑時にはヒューズは飛んでしまいます。

ヒューズが切れればその時点で通電は止まるはずなのですが、配線の問題もあったのかしれませんがショートを起こし燃えたようです。

この方法はNGです。

 

ねじ止めのプレート型ヒューズを交換可能な差し込みタイプに交換すること自体は問題ないのですが、容量をまず設計通りにしなくてはいけませんし、配線もその電流に耐えうるものに替えなければいけません。

それと、ヒューズも種類がありますので適切なタイプに交換しなければなりません。

電動ファンのような大電流で動かすモーターの場合、回り始める際に定格の何倍もの電流が瞬間的に流れますので通常使われるブレードヒューズでは切れてしまうのです。
(そもそもブレードヒューズは30Aまでしか設定がありませんが・・・)

そこで、スローブローヒューズと呼ばれる突入電流に耐えられるヒューズがありますのでそのヒューズを取り付けるように加工しました。

以前の輸入車では、日本のような酷暑で電動ファンが常に回ることを想定していないためかこのようなトラブルは非常に多いのです。(最近のモデルはだいぶ良くなってきています)

今回のアルファロメオ155も当時からこのようなトラブルがありましたし、それと電動ファンモーターも劣化してきていますので新品の時よりも消費電力が増えてしまっている可能性がありますので、設計通りの40Aのヒューズを入れていても飛ぶ可能性があります。

出先でのトラブルですとねじ止めのプレートタイプでは交換が大変ですので、簡単に交換できるように差し込みタイプに変えるのです。

 

イタリア車は壊れるとよく言われますが、日本の風土に合っていない部分もありますので当然のことだと思います。

アルファロメオにあこがれて155を購入なさったばかりなのに、今回のような洗礼を受けてしまいました。

懲りずにまだまだ大事に乗りたいとの事でしたので、今後乗り続けるためのアドバイスを行いました。

”古い車だから”とか”外国の車だから”とあきらめる方が多いのですが、車が未熟だからこそ人が寄り添い面倒を看てあげることで単なる道具ではなく愛着のある道具=愛車になると思います。

壊れたと怒るよりも寛大な気持ちで付き合っていただけると個性のあるお車に輝きがさらに増すと思います、そのような気持ちを持たれている方のお手伝いが出来ればと思います。

 

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

クライスラー イプシロン(312)エアコンコンプレッサー圧縮不良

クライスラー イプシロン(312)ご入庫 エアコン(冷房)が効かないとの事。 入庫時は効きが甘いとはいえ冷風は少しは出ていますのでエンジンルームを確認するとコンプレッサーは回っています。 初めに冷媒システムの基本であるガス量の確認から行っていきます。 この車両は500g±40gが規定量ですが80gしか回収できませんでした。 冷媒ガスが完全に足りない状態です、これでは当然冷房は効かないのは当然なので規定のガス量に充填して点検を進めます。 しかし、規定のガス量を入れても冷風はあまり出てきませんので、規定のガス ...

続きを見る

BMW X3(F25)エンスト

BMW X3(F25) 走行中突然エンジンが止まってしまいクランキングし直してもエンジンが掛からないとのご連絡 クランキングは勢いよく出来るようなのでバッテリーなどには問題なさそうです。 電話でいろいろ指示して試しましたが掛からないようなのでレスキューを手配することになりました。 しばらくして積載車で運ばれてきましたが、その時には正常にエンジンが掛かるようになっていました。 診断機で故障コードを読み出してみると ・11A002 高圧燃料妥当性:圧力が低すぎる ・481B01 制御電圧EPKSが低すぎます ...

続きを見る

トヨタ ランドクルーザープラド(KZJ78)発進加速不良

トヨタ ランドクルーザープラド(KZJ78)のご入庫 発進がもっさりしていて進まない感じがするとの事。 こちらのお車オートマチック車両でミッションのトラブルなのかエンジンの出力の問題なのかお電話ではわからないので自走可能との事で乗ってきていただきました。 入庫時、確かにDレンジで発進すると進みが悪い感じがしますがLレンジで発進するとちゃんと進みます。 どうやら2速発進してしまっているために加速がもっさり感じたようです。 しばらくテストしているとオーバードライブランプが点滅し始めました。 このランプはオーバ ...

続きを見る

8月の休業日 お知らせ

8月の休業日は、10日(日曜日)から17日(日曜日)及び3・24日・31日(日曜日)は休業させて頂きます。

続きを見る

メルセデスベンツC200(W205)エアサスペンションスローパンク

メルセデスベンツC200(W205) 朝になると駐車場で車体後方が傾いているとの事。 この車両は4輪エアサスペンション車両で、傾きはエンジンを掛けると直るということからエアサスペンションのベローズからのエア漏れが考えられます。 後輪のサスペンションバネであるベローズ(エアスプリング)から少しずつ空気が抜けることで車体が沈み込み傾きます、エンジンを掛けるとエアポンプも作動して空気を送り込むことで車両姿勢は正常に戻ります。 後輪のベローズを交換します。 見た目では何ともありませんが石鹸水を掛けてエア圧を加える ...

続きを見る

メルセデスベンツ A180(W169) CVTエレクトロユニット故障

メルセデスベンツ A180(W169)のご入庫 トランスミッションエラーが出て変速しなくなってしまうとの事。 診断機にて故障コードを読み出すと。 ・0793 セカンダリスピードセンサー  スピードシグナル使用できず ・0722 アウトップトスピードセンサー スピードシグナル使用できず ・0896 CVTの許容されていない低速への変速 を検出しました。 このモデルもかなり年数が経ってしまいましたが定番の基盤故障での故障コードと一致します。 エレクトロユニットを取り外して基板修理をできる業者様に送り修理依頼を ...

続きを見る

VW TTクーペ(8J)ヘッドライト光量が出ない

VW TTクーペ(8J)車検でのご入庫 灯火類の点検 一件何の問題なさそうですがBVGFTRBBBBBBBBBBBGFTR76大きな問題が潜んでいます。 それはヘッドライトの光量です。 左のヘッドライトの光軸調整の上、光量測定を行いますがこちらは全く問題なし。   しかし右側は測定が出来ないほど光量が低いです。 肉眼で見比べると何となく右側が暗い感じがしますが実際に測定すると左の1/3ほどしか光量が出ていませんのでこのままでは保安基準不適合です。 このヘッドライトはキセノン(HID)タイプのプロ ...

続きを見る

ミツビシ パジェロミニ(H56A)ブレーキペダルが重い

ミツビシ  パジェロミニ(H56A)のご入庫 ブレーキペダルが重くてかなり強く踏まないと止まらないのと、ブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するとの事。 ブレーキペダルにはマスターバックと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力で強くブレーキが効くようになっています。 このマスターバックが壊れると倍力装置が働いていないわけですからかなり強く踏み込まない限りブレーキは効かず車両を止めるのは難しくなります。 次にブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するという不具合ですが、これもマスターバックの故障に起因します。 ...

続きを見る

スマート フォートゥー ワイパーリンク脱臼

スマート フォートゥーのご入庫 ワイパーが動かない、何か前のほうから動いている音だけがするとの事 入庫時ワイパーアームは動きませんがワイパーモーターの作動音は聞こえるのでこの音のことをお客様はおっしゃっていたようです。 このような場合ワイパーモーターから先のリンクに異常があることがほとんどです。 分解していきます。 ワイパーリンクは隙間から見えていますが外すことはできません。   いろいろ外してようやくワイパーリンクを取り外しました。 リンクのジョイント部分がさびて外れてしまっています。 樹脂のブッシュが ...

続きを見る

トヨタ プリウスα(ZVW40) エンジンがガタガタする

トヨタプリウスα(ZVW40)のご入庫 エンジンチェックランプが点灯してエンジンがガタガタするとの事。 チェックランプが点灯しているので故障コードを読み出します。 ・P0401 EGR流量不足 を検出しています。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは排気ガスの一部を吸気側に戻して最高燃焼温度を下げるなど行うシステムになります。 EGRガス流量にエラーがあると検出しました。 まずは排気ガス流量をコントロールするEGRバルブを取り外して点検します。 バルブが見事に開きっぱなしで固着 ...

続きを見る

-故障修理・整備, アルファロメオ

© 2025 増高自動車工業有限会社