栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 アルファロメオ

アルファロメオ ブレラ2.2JTS キャタライザー不良

アルファロメオ ブレラ2.2JTSのご入庫

ご用命は”昨日車を購入したばかりなのですが、エンジンチェックランプが点灯した。”とのことです。

 

まずは、何を自己診断で検出したのか診断機を使い読み出します。

故障コード P0420 キャタライザー(触媒)の不良を検出していますね。

 

キャタライザーの状況はラムダセンサーの出力で判断できますので実際にどのように作動しているのか実測値をグラフ化してみてみます。

本来、変動が少ないはずのリヤラムダセンサーがアクセルの変化に敏感に反応してしまっています。

これが原因で、車両は故障していると自己診断をしたのです。

 

現代の車には、排気ガスを浄化するために、排気管の途中にキャタライザー(触媒)と呼ばれるものが付いていて排気ガスの有害なものを還元・酸化して浄化するような仕組みになっています。

そのキャタライザーの前後にはラムダセンサー(O2センサー)と呼ばれる排気ガス中の酸素濃度を読み取るセンサーが付いています。(この車両はフロントはA/Fセンサーを使用しています)

 

ラムダセンサーは同じような形をしていますが、前と後ろのセンサーで役割が違います。

前側のセンサーは、エンジンから直接排出された排気ガスの酸素濃度をモニターしてエンジン内部の燃焼状態をコンピューターに教える役目をします。

これが壊れると空燃比フィードバックが上手くいかず、エンジンの燃焼状態が適切に保てなくなり調子が悪くなります。

後側のセンサーは、キャタライザーが正常に作動して触媒作用が働いているかをモニターしています。

キャタライザーが正常に排気ガスの浄化作用を行うことが出来ていれば、キャタライザーの下流の排気ガス中の酸素濃度は減少してかつ一定になります。

後ろ側のセンサーの出力はある程度一定であれば正常に浄化作用が起きていると判断します。

今回のお車は、エンジン回転(排出ガスの増減)にリニアに反応してしまっていますのでキャタライザーが正常に作用していない可能性があるため車両が異常と判断してチェックランプを点灯させたというわけです。

ここまでで、キャタライザーが正常に作用していない可能性が濃厚になりましたので、直接リヤラムダセンサーを外してねじ穴部分からファイバースコープ(内視鏡)を入れて内部を視てみます。

!!!

  

触媒はハニカム構造体になっているのですが崩落しています!!

シリンダー1・4番/2.3番で2系統のキャタライザーがあるのですが、1.4番側は半分くらい崩れています。

これでは正常な触媒の浄化作用は行われるわけはありません。

取り外して肉眼で覗いた状態がこちら

 

キャタライザーアッセンブリー(エキゾーストマニホールド一体)の交換になるのですが、新品では30万円を越える高額部品ですので、中古品で対応いたしました。

中古品の内部がこちら

きれいに整っています、これが正常な状態です。

 

交換後の波形はこのようになりました。フロント側のラムダセンサーが反応するような状態でも、リヤのラムダセンサーはほとんど変化ないのがわかると思います。

キャタライザーが正常に浄化していて、一定の排気ガスの状態になっているためです。

 

キャタライザー自体が勝手にここまで破損することはまずありません。何らかの外部要因があったと思うのですがこちらのお車購入したばかりで前のオーナーの修理履歴はわかりません。

考えられるのは、ミスファイヤー(失火)状態で乗り続けて触媒を異常加熱させてしまい溶かしてしまったということです。

本来、ガソリンはエンジン内部で燃焼するのですがミスファイヤーを起こし燃えなかったガソリンがキャタライザー内部に流れそこで燃えてしまい異常加熱を起こし触媒を熔解させてしまうのです。

最悪は車両火災につながるほど加熱しますので今回のように内部が破損しても不思議ではありません。

 

購入直後はチェックランプはついていなかったのですが購入した次の日には点灯したそうです。

もしかしたら前オーナーはこの故障修理が高額修理になることがわかって手放したのかもしれません。

お車のご購入の際は、なるべく信頼のおけるお店・人から購入するのはもちろんのこと、どのような修理・メンテナンス履歴を行ってきたのかわかる車両を購入なさったほうが良いと思います。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

BMW 420グランクーペ(F36)ヘッドライト内LEDスモール不具合

BMW 420グランクーペ(F36) ヘッドライト内部のスモールリングが黄色く薄暗いとの事。 点灯していないわけではありませんが黄色く暗いです。 この車両はLEDで点灯させているのですがヘッドライトユニットの上部にLEDのスモールランプユニットがあるため外すとそこに原因がありました。 LEDチップ周辺が焦げた感じになっています。 LEDの相手になるスモールランプのリングはこのように焦げて溶けてしまっています。 スモールランプはリング状に光るのですがその末端にLEDの光を入力することでリング全体が光ファイバ ...

続きを見る

マツダ RX‐8 クラッチが切れない意外な原因

マツダ RX‐8 バキンという音とともにクラッチがうまく切れなくなったとのことで搬送されました。 この車両は以前クラッチオーバーホールをしているためクラッチ本体に関するトラブルは考え辛いです。作業内容リンク クラッチペダルを踏むと完全に節度がなくなっている感じではないので、油圧の抜けは考えづらいですし実際にどこからも漏れていませんでした。 ペダルを踏み込むと何かフアフアした感じがしますのでペダルをのぞき込むとそこに答えはありました。 クラッチペダルの金属製ブラケットが破断してしまっています。 ペダルを支え ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリエッタ 走行不能

アルファロメオ ジュリエッタ1.4 TCTの警告灯が点灯して走行できなくなったので診て欲しいとのご依頼、しかし動かない状態でしばらく放置してしまい今はエンジンも掛からないとの事。 ※TCT:アルファロメオのトランスミッションシステムの名称で、乾式DCTタイプのデュアルクラッチ自動変速システム 自動車保険のロードサービスを使用して搬送するように依頼いたしました。   入庫時はバッテリーが上がってしまいエンジンもかからない完全不動状態で搬送されてきました。 エンジンが掛かっていた時にTCT警告灯が付 ...

続きを見る

スズキ ハスラー(MR41S) CVTフルード交換

スズキ ハスラー(MR41S) CVTフルード交換のご依頼です。 CVTオイルパンを取り外して内部のストレーナも含めての交換がご希望です。 走行距離8万㎞台でかなり鉄粉が磁石に吸着しています、オイルパンを外して交換して正解です。 このトランスミッションには、これ以外にオイルフィルターも装着されているので忘れないようにしなければなりません。 真っ黒になったフィルターとフルードを見るとやはり交換の必要性を感じます。 しかしこの自動車メーカーではCVTフルードは無交換という案内をしているからなのでしょうか?フィ ...

続きを見る

灯火類の進化と憂鬱

自動車に使用される灯火類は周りに自車の存在を知らせたり、これからどのようなアクションをするかを知らせる非常に重要な役割をします。 昔から役割自体に大きな違いはありませんが発光体の種類が最近では大きく変化してきました。 従来はこのようなフィラメントを使用した電球を使用していました。 少し進化したものでフィラメントを使用しているもののハロゲンガスで光が強くなったものもあります。 どちらもフィラメントを使用しているという意味で熱エネルギーを光源とする種類になります。   しかし最近は熱エネルギーを光源 ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリア ディーゼル PMセンサー故障

アルファロメオ ジュリア 2.2ディーゼル(952) エンジンチェックランプが点灯しているとの事で診断機で故障コードを読み出します。 P24D1 微粒子状物質センサー再生が終了しない このようなコードを検出しました。 微粒子状物質センサー(Particulate matter senser)とは一般的にPMセンサーと呼ばれるもので、排気ガス中の非常に細かな微粒子状物質をモニターするためのセンサーになります。 よく天気予報でPM2.5予報というものを聞きますが微粒子が2.5μm以下(μmは1/1000mm) ...

続きを見る

アウディ A7(4G) ACCエラー

アウディA7(4G) メーター内にACC関係のエラーが出ているとの事。 ACCとはアダプティブクルーズコントロールの略で様々な運転支援の総合名称でカメラを使用して前方車両との間隔を保ったクルーズコントロールや衝突回避などを行うシステムになります。 診断機にて故障コードを読み出すと U111300:エラー値受信による機能制限 上記故障コードを検出しました。 どうやらこのシステムではフロントカメラ内部の基盤故障でこのような故障コードを検出することが多いそうで、お客様自身も情報を把握しており物は試しで中古のカメ ...

続きを見る

MINI(F56)DCTフルード交換

MINI(F56) ミッションオイルに関するインフォメーションが出てディーラーに相談したら"交換しないと壊れる"と言われ怖くなり連絡が来ました。 確かにこのインフォメーションでは怖くなります。 この車両はDCTタイプのトランスミッションを採用しており、自動車メーカーでは定期的な交換を推奨するようになったようです。 当社ではこのフルードに対しての適合するオイルの中で一番リーズナブルなタイプを使用する分フラッシングすることをお勧めしました。 フルード交換自体はシンプルな作業で規定温度でオーバーフローさせて完了 ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ 車検整備

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェのご入庫 車検整備のご依頼を受けました。 走行距離は3万㎞台ですのでそれほどメンテナンスの必要性はなさそうです。 エアクリーナー 写真ではきれいに見えますがかなり汚れています。 ブレーキは前輪のパッド残量はまだまだあるのですが後輪のパッド残量が少ないため交換です。 現代の車両は後輪ブレーキで車両姿勢などを細かく制御するため前輪よりも後輪のほうが減りが早い車両が増えてきました。   エアコンフィルター 1年もしくは長くても2年で交換です。 最後に光軸を測定・調 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(土曜日)から5日(日曜日)は休業させて頂きます。

続きを見る

-故障修理・整備, アルファロメオ

© 2025 増高自動車工業有限会社