栃木県宇都宮市の整備工場
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ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 アルファロメオ

アルファロメオ ブレラ2.2JTS キャタライザー不良

アルファロメオ ブレラ2.2JTSのご入庫

ご用命は”昨日車を購入したばかりなのですが、エンジンチェックランプが点灯した。”とのことです。

 

まずは、何を自己診断で検出したのか診断機を使い読み出します。

故障コード P0420 キャタライザー(触媒)の不良を検出していますね。

 

キャタライザーの状況はラムダセンサーの出力で判断できますので実際にどのように作動しているのか実測値をグラフ化してみてみます。

本来、変動が少ないはずのリヤラムダセンサーがアクセルの変化に敏感に反応してしまっています。

これが原因で、車両は故障していると自己診断をしたのです。

 

現代の車には、排気ガスを浄化するために、排気管の途中にキャタライザー(触媒)と呼ばれるものが付いていて排気ガスの有害なものを還元・酸化して浄化するような仕組みになっています。

そのキャタライザーの前後にはラムダセンサー(O2センサー)と呼ばれる排気ガス中の酸素濃度を読み取るセンサーが付いています。(この車両はフロントはA/Fセンサーを使用しています)

 

ラムダセンサーは同じような形をしていますが、前と後ろのセンサーで役割が違います。

前側のセンサーは、エンジンから直接排出された排気ガスの酸素濃度をモニターしてエンジン内部の燃焼状態をコンピューターに教える役目をします。

これが壊れると空燃比フィードバックが上手くいかず、エンジンの燃焼状態が適切に保てなくなり調子が悪くなります。

後側のセンサーは、キャタライザーが正常に作動して触媒作用が働いているかをモニターしています。

キャタライザーが正常に排気ガスの浄化作用を行うことが出来ていれば、キャタライザーの下流の排気ガス中の酸素濃度は減少してかつ一定になります。

後ろ側のセンサーの出力はある程度一定であれば正常に浄化作用が起きていると判断します。

今回のお車は、エンジン回転(排出ガスの増減)にリニアに反応してしまっていますのでキャタライザーが正常に作用していない可能性があるため車両が異常と判断してチェックランプを点灯させたというわけです。

ここまでで、キャタライザーが正常に作用していない可能性が濃厚になりましたので、直接リヤラムダセンサーを外してねじ穴部分からファイバースコープ(内視鏡)を入れて内部を視てみます。

!!!

  

触媒はハニカム構造体になっているのですが崩落しています!!

シリンダー1・4番/2.3番で2系統のキャタライザーがあるのですが、1.4番側は半分くらい崩れています。

これでは正常な触媒の浄化作用は行われるわけはありません。

取り外して肉眼で覗いた状態がこちら

 

キャタライザーアッセンブリー(エキゾーストマニホールド一体)の交換になるのですが、新品では30万円を越える高額部品ですので、中古品で対応いたしました。

中古品の内部がこちら

きれいに整っています、これが正常な状態です。

 

交換後の波形はこのようになりました。フロント側のラムダセンサーが反応するような状態でも、リヤのラムダセンサーはほとんど変化ないのがわかると思います。

キャタライザーが正常に浄化していて、一定の排気ガスの状態になっているためです。

 

キャタライザー自体が勝手にここまで破損することはまずありません。何らかの外部要因があったと思うのですがこちらのお車購入したばかりで前のオーナーの修理履歴はわかりません。

考えられるのは、ミスファイヤー(失火)状態で乗り続けて触媒を異常加熱させてしまい溶かしてしまったということです。

本来、ガソリンはエンジン内部で燃焼するのですがミスファイヤーを起こし燃えなかったガソリンがキャタライザー内部に流れそこで燃えてしまい異常加熱を起こし触媒を熔解させてしまうのです。

最悪は車両火災につながるほど加熱しますので今回のように内部が破損しても不思議ではありません。

 

購入直後はチェックランプはついていなかったのですが購入した次の日には点灯したそうです。

もしかしたら前オーナーはこの故障修理が高額修理になることがわかって手放したのかもしれません。

お車のご購入の際は、なるべく信頼のおけるお店・人から購入するのはもちろんのこと、どのような修理・メンテナンス履歴を行ってきたのかわかる車両を購入なさったほうが良いと思います。

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