栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 アルファロメオ アウディ ボルボ

オーバークールとは?

冬の寒い時期になると症状が顕著に表れる不具合で”オーバークール”と呼ばれるものがあります。

言葉の通り ”冷え過ぎ” という不具合です。

エンジンはガソリンや軽油を燃やしてエネルギーを取り出すのでかなりの発熱量です。

しかし、その熱が高すぎればエンジン自体が歪んで壊れてしまうためエンジン内部に冷却水を循環させることで適温に保つようにしています。水冷エンジンというタイプです。

適温は、エンジンにもよりますが80~90℃前後に設定していることが多いです。

その適温を超えて熱くなりエンジンが壊れてしまうような状態になることがオーバーヒートと呼ばれる症状で、車に詳しくなくてもなんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか?

オーバーヒートは重大な故障でエンジン本体の金属をゆがめて壊れる致命的な不具合です。

では、その逆のオーバークールではどのような故障を引き起こすのでしょう。

①エンジンが温まりにくい

冬場の寒い時期にエンジンを掛けると本来は早く適温にしたいので冷却水を循環させないようになっているのですがオーバークールの故障を起こしていると循環してしまうためなかなか温まらない。

②暖房が効かない

室内の暖房は冷却水の水温を利用しているため暖房の効きが悪くなります。

③エンジン制御が暖機中のモード(冷間)になってしまう

エンジンは温まった状態を通常使うことを前提としていますので、冷間時は冷えていても調子良くしようとしたり早く暖まるようにしたりと様々な制御が介入します。エンジンが温まらないとその制御がいつまでも介入してしまうため調子が悪くなったり燃費が悪化します。

 

このようにオーバーヒートに比べて短時間で致命的な故障を引き起こすわけではありませんが、じわりじわり調子を悪くする故障を引き起こします。

 

次にオーバークールを起こす原因は何なんでしょうか?

サーモスタットと呼ぶ部品が原因になることがほとんどです。

この部品が水温によって開閉することで冷却水をラジエーターに循環するかしないかをコントロールします。

よってこれが開かなくなるとオーバーヒート、閉まらなくなるとオーバークールを引き起こします。(他に原因があることもあります)

 

実例

ボルボ V70Ⅱ

IMG_20161222_175816

サーモスタットが折れてしまっています。これでは閉まりません。

 

アルファ156JTSスポルトワゴン

IMG_20170119_154557

ケース一体型のサーモスタットのため中がよく見えませんが片側から光を当てると光が漏れるので閉じていないことがわかります。

IMG_20170121_111128

IMG_20170121_111047

AUDI TTクーペ2.0(8J)

こちらもケース一体型でよくわかりませんが水を片側に入れると勢いよく漏れて来ますので閉じていないことがわかります。

このタイプはケースが樹脂な為、割れて漏れ出すなんて故障もあります。

IMG_20170207_104858

 

サーモスタットはサーモワックスと呼ばれる温度で変形する部材とそれに反発するスプリングで出来ています。しかしサーモワックスは経年劣化で変形しなくなったりスプリングが弱ったり折損することで様々なトラブルを発生させます。

 

しかしオーバークールを気が付かずに乗っていらっしゃる方は非常に多いです。

では、どのように見極めるかといいますと、

水温計が付いているお車でしたらエンジンが暖まったらメーターの針はほぼ一定で動かなければ正常です。しかしスピードを上げて走ると温まっていた水温計の表示が落ちてきてしまう場合はオーバークールです。

また、最近のお車では水温計が付いていない車があります。そんな場合は診断機をつながなければ正確な数値はわかりません。しかし、アイドリングで長く止まっているときは暖房が暖かいのにスピードを上げるとなんとなくぬるい風になるなんて言う場合は要注意です。

冬場の寒い時期でしかわかりずらいので、メーターの針が動く・暖房がぬるいなど気になりましたらすぐに点検を受けてくださいね。

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

クライスラー イプシロン(312)エアコンコンプレッサー圧縮不良

クライスラー イプシロン(312)ご入庫 エアコン(冷房)が効かないとの事。 入庫時は効きが甘いとはいえ冷風は少しは出ていますのでエンジンルームを確認するとコンプレッサーは回っています。 初めに冷媒システムの基本であるガス量の確認から行っていきます。 この車両は500g±40gが規定量ですが80gしか回収できませんでした。 冷媒ガスが完全に足りない状態です、これでは当然冷房は効かないのは当然なので規定のガス量に充填して点検を進めます。 しかし、規定のガス量を入れても冷風はあまり出てきませんので、規定のガス ...

続きを見る

BMW X3(F25)エンスト

BMW X3(F25) 走行中突然エンジンが止まってしまいクランキングし直してもエンジンが掛からないとのご連絡 クランキングは勢いよく出来るようなのでバッテリーなどには問題なさそうです。 電話でいろいろ指示して試しましたが掛からないようなのでレスキューを手配することになりました。 しばらくして積載車で運ばれてきましたが、その時には正常にエンジンが掛かるようになっていました。 診断機で故障コードを読み出してみると ・11A002 高圧燃料妥当性:圧力が低すぎる ・481B01 制御電圧EPKSが低すぎます ...

続きを見る

トヨタ ランドクルーザープラド(KZJ78)発進加速不良

トヨタ ランドクルーザープラド(KZJ78)のご入庫 発進がもっさりしていて進まない感じがするとの事。 こちらのお車オートマチック車両でミッションのトラブルなのかエンジンの出力の問題なのかお電話ではわからないので自走可能との事で乗ってきていただきました。 入庫時、確かにDレンジで発進すると進みが悪い感じがしますがLレンジで発進するとちゃんと進みます。 どうやら2速発進してしまっているために加速がもっさり感じたようです。 しばらくテストしているとオーバードライブランプが点滅し始めました。 このランプはオーバ ...

続きを見る

8月の休業日 お知らせ

8月の休業日は、10日(日曜日)から17日(日曜日)及び3・24日・31日(日曜日)は休業させて頂きます。

続きを見る

メルセデスベンツC200(W205)エアサスペンションスローパンク

メルセデスベンツC200(W205) 朝になると駐車場で車体後方が傾いているとの事。 この車両は4輪エアサスペンション車両で、傾きはエンジンを掛けると直るということからエアサスペンションのベローズからのエア漏れが考えられます。 後輪のサスペンションバネであるベローズ(エアスプリング)から少しずつ空気が抜けることで車体が沈み込み傾きます、エンジンを掛けるとエアポンプも作動して空気を送り込むことで車両姿勢は正常に戻ります。 後輪のベローズを交換します。 見た目では何ともありませんが石鹸水を掛けてエア圧を加える ...

続きを見る

メルセデスベンツ A180(W169) CVTエレクトロユニット故障

メルセデスベンツ A180(W169)のご入庫 トランスミッションエラーが出て変速しなくなってしまうとの事。 診断機にて故障コードを読み出すと。 ・0793 セカンダリスピードセンサー  スピードシグナル使用できず ・0722 アウトップトスピードセンサー スピードシグナル使用できず ・0896 CVTの許容されていない低速への変速 を検出しました。 このモデルもかなり年数が経ってしまいましたが定番の基盤故障での故障コードと一致します。 エレクトロユニットを取り外して基板修理をできる業者様に送り修理依頼を ...

続きを見る

VW TTクーペ(8J)ヘッドライト光量が出ない

VW TTクーペ(8J)車検でのご入庫 灯火類の点検 一件何の問題なさそうですがBVGFTRBBBBBBBBBBBGFTR76大きな問題が潜んでいます。 それはヘッドライトの光量です。 左のヘッドライトの光軸調整の上、光量測定を行いますがこちらは全く問題なし。   しかし右側は測定が出来ないほど光量が低いです。 肉眼で見比べると何となく右側が暗い感じがしますが実際に測定すると左の1/3ほどしか光量が出ていませんのでこのままでは保安基準不適合です。 このヘッドライトはキセノン(HID)タイプのプロ ...

続きを見る

ミツビシ パジェロミニ(H56A)ブレーキペダルが重い

ミツビシ  パジェロミニ(H56A)のご入庫 ブレーキペダルが重くてかなり強く踏まないと止まらないのと、ブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するとの事。 ブレーキペダルにはマスターバックと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力で強くブレーキが効くようになっています。 このマスターバックが壊れると倍力装置が働いていないわけですからかなり強く踏み込まない限りブレーキは効かず車両を止めるのは難しくなります。 次にブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するという不具合ですが、これもマスターバックの故障に起因します。 ...

続きを見る

スマート フォートゥー ワイパーリンク脱臼

スマート フォートゥーのご入庫 ワイパーが動かない、何か前のほうから動いている音だけがするとの事 入庫時ワイパーアームは動きませんがワイパーモーターの作動音は聞こえるのでこの音のことをお客様はおっしゃっていたようです。 このような場合ワイパーモーターから先のリンクに異常があることがほとんどです。 分解していきます。 ワイパーリンクは隙間から見えていますが外すことはできません。   いろいろ外してようやくワイパーリンクを取り外しました。 リンクのジョイント部分がさびて外れてしまっています。 樹脂のブッシュが ...

続きを見る

トヨタ プリウスα(ZVW40) エンジンがガタガタする

トヨタプリウスα(ZVW40)のご入庫 エンジンチェックランプが点灯してエンジンがガタガタするとの事。 チェックランプが点灯しているので故障コードを読み出します。 ・P0401 EGR流量不足 を検出しています。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは排気ガスの一部を吸気側に戻して最高燃焼温度を下げるなど行うシステムになります。 EGRガス流量にエラーがあると検出しました。 まずは排気ガス流量をコントロールするEGRバルブを取り外して点検します。 バルブが見事に開きっぱなしで固着 ...

続きを見る

-故障修理・整備, アルファロメオ, アウディ, ボルボ

© 2025 増高自動車工業有限会社