栃木県宇都宮市の整備工場
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ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 アルファロメオ

アルファロメオ147TS ヘッドカバーオイル漏れ

アルファロメオ147TSセレスピードのご入庫

エンジンヘッドカバーから大量のエンジンオイル漏れがあり 

エキゾーストマニホールドへの付着(車両火災の恐れ)

ラジエータロアホースへの付着(ホースゴムへのオイルによる侵食により冷却水漏れの恐れ)

があった為、ヘッドカバーパッキン交換を行いました。

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ヘッドカバーを外した写真です。

全面に液体ガスケットが塗布してあります。パッキン自体は硬化して弾力はありませんので、これでは漏れて当然です。

きれいに液体ガスケットをはがし新しいヘッドカバーパッキンを組み付けました。

 

ここで、以前行われた整備での問題点が何点か浮上してきました。

まずひとつは、この全面に多量に塗られた液体パッキンです。

液体パッキン自体昔のものに比べ大変性能が向上しておりそれだけでも密閉を保つ能力が高まっているためゴムパッキンの補助的な意味合いで使う整備士は多いのですが問題はその塗り方です。

今回は液体ガスケットを大量に塗布していた為ヘッドカバーを組み付けた際液体ガスケットが多量にはみ出てしまっていたのです。

外にはみ出る分には機能上問題は無いのですが、エンジン内部にはみ出るのは大問題です!

はみ出てそのまましっかりくっついてくれてればいいのですが、剥がれ落ちてエンジンオイルのオイルラインに流れ込んで詰まらせてしまうなんてこともありえるのです。

オイルラインの詰りは人間の心筋梗塞と同じでエンジン故障を引き起こす原因になります。

実際、過去にけたたましいタペット音を鳴らしていたBMWの6気筒エンジンではバルブのラッシュアジャスターへの油路に剥がれ落ちた液体ガスケットが詰りアジャスターに油圧が掛からず異音が出ていたなんてこともありました。

オイル漏れが怖いのでたくさん塗りたい心理はわかるのですが塗りすぎは禁物です。

 

次の問題点は、こちらのお客様半年前にタイミングベルト交換を他店にて行っていたということです。

タイミングベルト交換とヘッドカバー何か関係あるの?と思われる方も多いと思いますが、アルファロメオに詳しい方には知られた話なのですが、このエンジンはタイミングベルト交換時はヘッドカバーを開けてSST(特殊工具)を使いカムシャフトをロックさせなければ正規の位置を出すことが出来ないのです。

タイミングベルト交換時の写真

IMG_20160211_132336

ということは、半年前にヘッドカバーは開けている=ヘッドカバーパッキンは交換しているはず なのですが、明らかにパッキンは劣化しているので交換していません。

ヘッドカバーを開けずにやったのか、パッキンを再使用したのかは不明ですがどちらにせよ今回のオイル漏れは半年前のタイミングベルト交換をしっかり行っていれば防げていた事です。

お客様もタイミングベルト交換時の交換部品の内容までは特に説明を受けなかったそうです。

よく、イタリア車は壊れやすいなどといわれることが多いのですが、しっかりした整備を行ってもらえたかも大変重要なことです。

壊れやすい部分も確かにありますが、ウィークポイントを適切に処置することでとても楽しく付き合うことが出来るのもイタリア車の醍醐味だと思います。

 

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