トヨタ ランドクルーザー(URJ202)のご入庫
以前、2次空気ポンプの故障修理を行った(リンク)こちらの車両、修理から半年後再度同様のチェックランプが点灯したとのご連絡。
診断機を使用して故障コードを読み出します。
以前検出した空気ポンプやドライバーとは違う2次空気圧力センサーのエラーを検出しました。
2次空気噴射装置は前回交換した空気ポンプで圧送された空気をエキゾーストマニホールドに送り込むのですがV型6気筒のこのエンジンではエキゾーストマニホールドが左右バンクで別れるためそれぞれのバンクにスイッチングバルブを付け適切な空気量をエキゾーストに送り込むように制御しています。
過剰に空気を送り込むと触媒が異常過熱を起こす可能性があるためです。
その適切に送り込むためにバルブの中に圧力センサーを組み込み空気圧をモニターしながら送り込む量を最適にコントロールします。
しかしその圧力センサーに異常が起きていると故障コードを検出しました。
エンジン停止中の大気圧の状態で圧力をモニターしても左右バンクで差が出ていることから圧力センサーのイニシャル値不良と判断できます。
今回はバンク1(助手席側)のセンサーがエンジン停止中でも35kパスカルですのでこちら側の不良と判断できました。
圧力センサー自体スイッチングバルブ内部に組み込まれてしまっているのでバルブアッセンブリーでの交換になります。
スイッチングバルブを分解しました。
バルブ部分が何やらぐちゃぐちゃとしていますが圧力センサー自体は本体内部にあるようです。
センサー交換後大気圧で左右差はなくなり故障コードも検出しなくなりました。
2次空気′噴射装置を強制的に作動させると左右バンクとも正常に圧力が上がりますので動作も良好で修理完了となりました。
2次空気噴射装置の中で前回交換したポンプ・ドライバーの故障に続き、バルブ側の故障となった訳ですが関連性はあまり考えづらいのですが、こうも連鎖的に壊れるのは非常に信頼性の低さを考えさせられる事象でした。
2次空気噴射装置に関する故障はどのメーカーも比較的多く部品代も高いことが特徴です。
2次空気噴射装置故障事例 リンク
環境的な配慮からの装置ですがエンジン系統の不具合として検出してしまうと警告灯が点灯するだけでなく横滑り防止装置などの機能も停止させてしまうこともあることも問題です。
このシステム自体も右バンクのスイッチングバルブが残っているので壊れないことを祈るばかりです。