MINIクラブマンJCW(R55)
マニュアルトランスミッション車ですがクラッチペダルが奥まで踏み抜くことが出来ないため、クラッチ操作が出来ず走行不能になったとの事。
クラッチ操作は油圧を使用しているのですが、ペダルに節度はあるため油圧フルードに関係するトラブルではなさそうです。
外部に不具合の要因はありませんので、クラッチ本体のトラブルが濃厚のためトランスミッションを取り外すことになりました。
ミッションを取り外すとそこにトラブルの原因が現れました。
レリーズベアリングを操作するレバーが折れてしまっています!
これではいくらレバーを押してもベアリングは押すことが出来ず、クラッチが切れないわけです。
レバーの細くなったところで割れているので金属疲労による破断です。
一般的にはこのような部分がこんな壊れ方をすることは考えられないのですが、実際に起きていることから設計に甘い部分があったのかもしれません。
この車両は以前からクラッチ摩耗によるクラッチペダルの踏力が大きくなっていることを指摘していましたので、操作力の大きさがこの部分に負担を耐えていた要因の一つかもしれません。
クラッチディスクの摩耗とフライホールのフェイスを見てみてもクラッチの滑りなど部分的の起きており、負担が大きかったことがうかがえます。
滑りによる摩擦熱の焼き跡やクラックがフライホイールの面に発生しています。
新しいレバーとベアリング
ダブルマスフライホイールはクラックが入っていて使えませんので価格を抑えるのとダブルマスフライホイールのベアリングトラブルを回避するためにも、ソリッドタイプのフライホイールのセットで交換します。
新しく組みなおしたことでクラッチは正常に操作ができるようになりペダル踏力も非常に軽いものになりました。
踏力が軽く済むということは折損してしまったレバー部分にも掛かる力も少ないということになります。
クラッチのトラブルは滑りが代表的なものなのですが、このような部品も壊れることもあるので、交換時期の症状(ミートポイントの大幅なズレや踏力増大等)が現れだしたら速やかのメンテナンスを行うようにしたほうが良いです。