フォード エスケープのご入庫
当店で過去にご紹介した故障事例が似ているので診てもらいたいとのことでご来店いただきました。
故障事例リンク
お車を点検するためにエンジンを掛けるとかなり調子が悪いのがすぐにわかりました。
掛かるには掛かるのですが不安定でエンジン回転も安定しませんし、アクセルを吹かすとスムーズに回転が上がりませんので失火している症状が現れています。
イグニッションアナライザーで2次電圧を測定して簡易的にスパーク状態を確認してみます。
4気筒の2次電圧にかなりばらつきが出ているのがわかります。
この電圧は燃焼状態にも影響を受けるので一概に点火系統の不良と判断は出来ませんが診断の指針にはなります。
点検用にスパークプラグを取り付けて点火状態を直接目視すると火花がかなり細く弱々しいのがわかりました。
走行距離20万㎞弱でイグニッションコイルは一度も交換していないとのことですのでコイルの交換は必要であることをご説明しました。
スパークプラグは2年前に交換しているとのことなどでいったん見送りコイルのみ交換してみます。
裏の絶縁体にも劣化によるクラックが出ていました。
イグニッションコイル交換後、エンジンの掛かりは見違えてよくなりました、しかし走行テストで走り出しにエンジン回転にまだもたつきが少しあります。
スパークプラグを点検するとガイシにフラッシュオーバーを起こした痕がありました。
フラッシュオーバーは絶縁ガイシの外側を電気が流れた痕でプラグケーブルにも問題が発生しています。
プラグは交換して2年ほどとのことですが交換します。プラグコードも交換履歴がわかりませんしフラッシュオーバーの原因ともいえるので同時に交換します。
交換後はエンジン回転の不安定感は一切なくなりました。
前回の車検時に同様の不調を訴えて診てもらった際、スパークプラグを交換してもらったそうでしたが不調の改善はなくそのまま乗り続けていたそうです。
その他に足回りからの異音を気になさっていたので点検をすると、スタビライザーバーのマウントがすり減ってガタが出ていたので交換します。
走行距離20万㎞に達しますので他にも劣化は見受けられますが、大きな異音に関しては解消しました。
こちらの車両フォードブランドで外国車扱いをされることが多いのでよく診てもらうことが出来ず不調のまま乗られていることが多いようです。
しかし、マツダでトリビュートという名称で販売していましたので部品供給もマツダから入手可能な車種です。