VW トゥーランのご入庫
後ろのタイヤを交換してもすぐに内減りしてしまうとの事
お話を伺ったところ、まだお車を所有して日が浅くタイヤがダメだったので交換したが後輪の内側がすぐにすり減ってしまうことに気が付いたそうです。
どれくらい走って摩耗に気が付いたか聞くとなんと1500kmほどだと言います。
これは何か後輪足回りのアライメントに異常が起きているのが想像できます。
パッと外観から見てみると後輪がやけに下が開いてハの字を切っているように見えました。
車両下側から足回りを点検します。
左後のトレーディングアームにわずかに擦った跡がありますが大きく曲がっているようには見えません。
しかし後輪のサイドスリップを測定するとゲージを振り切るほどですのでアライメントに異常があるのは間違いありません。
アライメント測定を依頼した結果、左後輪が異常なほど数値がずれているのが判明しました。
調整ボルトでなんとか基準値に調整をしたのですが走行すると車両が左に流れる症状が発生しました。
アライメント数値的には基準値に収まったにも関わらず、ステアリングを離すと左に車両が向かって行ってしまうのです。
やはり外傷的な要因があるトレーディングアームが怪しいので交換することにします。
取り外したアームがこちらで、矢印の部分がわずかによじれているのがお分かりになるかと思います。
車両に取り付けられているときは僅かな曲がりはなかなかわかりませんがこの曲がりが影響したのは間違いなさそうです。
アーム交換後、再度アライメント調整を行ったうえで走行すると左流れも解消しました。
タイヤの摩耗は走らせないと結果は出ませんが、数値的にも基準値に収まっていますのでタイヤの偏摩耗も解消されると思われます。
このように下廻りを何かに打ち付けたような場合は、症状はすぐに表れるわけでなく、時間を掛けて他の部品などに現れることがあります。
アライメントは思いのほかデリケートで輪止めなどに強く当たったり、縁石にかすった等でも簡単に狂いますので運転に注意が必要です。