ニッサン NV350のご入庫
エアコン風量を最大にしているとヒューズが飛んでしまうとの事
実際にヒューズを確認すると15Aヒューズが切れてしまっていました。
ユーザーも何回か交換しているようです。
マニュアルエアコンで最大風量時はブロアレジスターは通らず直結状態になるのでブロアモーターコイルのレアショートが考えられますのでモーター交換を行いました。
モーター交換後新しいヒューズを入れて最大風量にして1分ほど経つとヒューズが切れてしまいました。
まだ、治っていないようです(-_-;)汗
ただヒューズの切れ方がショートによる切れ方と違いしばらく時間が経ってからゆっくり切れる感じがします。
配線などでアースにショートした場合は、このように切れることはありません。
分からなくなったので配線図を見ることにしました。
配線図を見て見落としていた部分がわかりました!
このブロアモーターへの電源供給ラインは15Aヒューズが並列に並べられていたのです。
先ほどのヒューズボックスでブロアモーターのヒューズを見つけて、それだけだと思ってしまったのですが実はもう一つヒューズがいたのです。
当然こちらのヒューズも切れていました。
故障はこのような流れで起きたと思われます。
ブロアモーターのレアショートで15Aヒューズ2カ所が切れた。
(同時か時間差かも知れませんが2個のヒューズが切れたのは間違いなし)
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ユーザーがヒューズを一つだけ交換した。(実はもう一つのヒューズは切れたまま)
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最大風量だと15Aよりも大きな電流が流れるため、交換した15Aヒューズが再度切れる。
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繰り返しヒューズが切れるので症状を訴えてきた
このブロアモーターの最大消費電力は256W(約21A)ですので、15Aヒューズ一つでは切れるのは当然です。
風量を落として使用しているときは消費電力も低いのでヒューズ切れは起こしませんでした。
最大風量時は15Aヒューズとはいえ15Aを超えた瞬間に切れるわけではないので、少し時間が経ってから切れていたのです。
30Aのヒューズ一つでもよいのでしょうが、なぜか並列にしているのは何か設計で意味があるのでしょう。
しかし、整備をする側は一つのヒューズが切れているのがわかれば、まさかもう一つ並列でいるとは思いません。
思い込みとはいえ完全に見落としました・・・
それでも15Aヒューズ並列2個(30A)に対して切れるほど電流が流れたということには違いありませんので、モーター交換後は正常な作動に戻りました。