栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ランドローバー

ランドローバー フリーランダー 整備ミスの末

ランドローバー フリーランダーのご入庫

冷却水が漏れているので診てもらいたいとの事でご来店。

漏れ箇所はエンジン前側付近であることはすぐにわかりましたのでウォーターポンプあたりが怪しいとお客様にお伝えしました。
※ある程度分解を進めないと特定できないためおおよそで説明しました。

すると、半年ほど前にタイミングベルトは他店にて交換済で同時にウォーターポンプも交換しているとの事。

では、ウォーターポンプである可能性は低いので何か周辺部から漏れているのでは?というお話をさせていただきました。

ところが、よくよくお話を聞くとタイミングベルトを交換してからエンジンの振動が酷く、冷却水漏れも気が付いたので交換したお店に相談に行っていたとの事。

しかし、エンジン振動に関してはこのくらいは正常で、冷却水漏れに関しては漏れ止め剤を入れておけばよいと言われたそうですが、納得できないまま途方に暮れ当店にご来店されたといういきさつでした。

 

お話を聞き作業に取り掛かる前にこちらのお車の問題点を整理します。

①エンジンから冷却水が漏れている。
②エンジンの振動が今までより(タイミングベルト交換後から)大きくなった気がする。

この2つの問題点を解消しなければいけません。

 

故障探求を進めながら作業に取り掛かります。

まず、冷却水漏れ箇所を探るために分解を進めていくとウォーターポンプから冷却水が漏れていました。赤い液体は冷却水です。

半年前に新品で交換してあるにもかかわらず漏れているのでこれは製品不良です。

これは新しいウォーターポンプに交換すれば解消します。

 

次に、エンジン振動がタイミングベルトを交換してから大きくなった気がする点ですが、作業にかかる前に診断機で故障コードを検出していないか見たところ”片側のバンクの失火”と”空燃比異常”という故障コードが検出していました。

ひとつの気筒に失火が起きているのではなく複数のシリンダーで起きる場合はイグニッションコイルやインジェクターなどの単体部品の不良は考えづらく別に何か不具合があることがほとんどです。

 

ウォーターポンプにたどり着く前に様々な部品を外すのですが、その際にコネクターが接続されいていないのを発見しました。

もしかしたらこのコネクターを繋げていなかったことが原因で複数シリンダーに不具合が発生したのかもしれません。

仮組をしてエンジンを掛けてみますがやはり振動の大きさは変わりませんでしたので真の原因がありそうですので次に進むことにします。

ちゃんとコネクター外れの不調も車両は教えてくれていましたね・・・

 

次に疑うのはタイミングベルト交換した経緯からタイミングベルトのタイミングずれです。

こちらのエンジンはV型6気筒エンジンで、エンジン前側にクランクシャフトとカムシャフトをつなぐタイミングベルトエンジン後方のエンジンヘッドにツインカムのカムシャフト同士をつなぐベルトがそれぞれのバンクに1本ずつあり合計で3本のベルトでタイミングをとっています。

前側タイミングベルト

正常な状態のエンジンをメンテナンスのためにタイミングベルト交換する場合は、基本的に元の通りに組めばよいのですが、今回の様に不具合が起きているエンジンの場合タイミングが正確に合わせられているのか確認が必要になりますのでSSTが必須になります。

SST:スペシャル サービス ツールの略で日本語に訳すと特殊工具になります。今回の場合タイミングベルト交換のための特殊工具となります。

このエンジンにはこれだけのSSTが必要になります。

このSSTで各部を固定して位置の確認をしながら交換を進めるのですが、その中で右バンク(車両後方バンク)のカムシャフトのタイミングが一コマずれているのを発見しました。

カムスプロケットの切り欠き同士が真っすぐ向かい合わせにならなければいけません。

取り外した姿がこちら、わかりやすく黄色いペイントでマーキングしています。

これではタイミングが1コマずれているので、エンジン不調を起こし振動の原因になったのは間違いありません。

正常な組み付けはこちら

 

ウォーターポンプも交換してタイミングベルトを正確に合わせながら組み上げていきます。

SSTでしっかり位置を固定してから組み付けることでミスなく組むことが出来ます。

組み上げ後は当たり前なのですがV6エンジンの落ち着いた回転に戻り故障コードの検出もなくなりました。

 

問題点が2点ありましたがそれぞれ解消したわけです。

①冷却水漏れ  → ウォーターポンプ 新品の製品不良

②エンジン振動 → 組み付け不良によるバルブタイミングずれ

車両不具合の問題点をすべて解消してお客様に満足していだだけることが出来ました。

 

しかし、今回の事例での本当の問題点は整備を行った側の対応です。

①のウォーターポンプの初期不良での冷却水漏れは、新品部品の不良で半年しか経っていませんので部品の仕入れ先にクレームで交換なりの対応が出来たはずです。
少なくとも当店では期間内でしたらそのように対応しています。

次に②のタイミングずれはエンジン振動を感じて何かおかしいと気が付かなければいけないレベルであったことと、診断機でも故障コードを検出している以上、このくらいは正常とは言ってはいけません。

少なくともタイミングベルト交換前と後で、車両の状態が絶対に変わっていたはずなので気が付かない整備士のレベルは問題です。

※アルファロメオなどの様にカムとプーリーの関係が元々ずれるような構造であれば交換前後で変化が見られることもありますが(良い方に)、カムとプーリー位置が固定されるエンジンではそこまでの変化が有ったら何か問題があると考えます。

 

このように整備士のスキルが低かったりミスを起こしてしまうのは人間である以上致し方ない部分も有るのは事実です。

しかし、そのあとのお客様からの訴えに対して真摯に対応することは仕事を請け負った側の責任です。

 

今回、当店では他店にて行った整備には一切かかわりがありませんのでお客様への請求は一般的なものになってしまいますし、故障探求をしながらの作業はメンテナンスで行う作業とは違い非常に手間がかかりますので割高になってしまいました。

本来払う必要のなかったものをお客様は支払い、半年以上何かおかしいと悩んでいたという損失は非常に大きなものです。
そもそも、永く良い状態で乗り続けたいがために行ったタイミングベルト交換でしたのでなおさらです。

他店で起こしたこととはいえ、考えさせられる一件でした。

 

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

8月の休業日 お知らせ

8月の休業日は、8日(土曜日)から16日(日曜日)及び2・23日・30日(日曜日)は休業させて頂きます。

続きを見る

ニッサン NV200 スパークプラグの交換時期

ニッサン NV200 車検整備でのご入庫 スパークプラグを点検したいのですがこのエンジンはインテークマニホールドがエンジン上部を覆っているため簡単に点検することが出来ません。 しかし4番シリンダーだけがわずかにある隙間からスパークプラグを取り外すことが出来るため点検します。 スパークプラグを点検すると摩耗限界で交換時期を迎えている状態になっていました。 付いていたものは新車装着時のプラグでしたが、これは片貴金属プラグというタイプで長寿命プラグではありません。 そのため交換時期は2万㎞になりますので7万㎞を ...

続きを見る

応急パンク修理の後は

パンクをしたので車載のパンク修理キットで直したがこのまま乗り続けて良いのかとのお電話がありました。 車載のパンク修理キットはあくまでも応急的に使うものなのでパンク修理箇所の修理が必要になるのと点検が必要とお伝えしてご来店いただきました。 昨今ほとんどの車両がスペアタイヤではなく応急パンク修理キットの搭載に移行しています。 修理剤を使用したタイヤがどのようになっているか診ていきます。 パンクをしたタイヤをホイールから取り外すと中から修理キットの液剤が大量に出てきます。 この液剤がパンク穴を塞ぎます。 この液 ...

続きを見る

VW パサート(B8)ウォーターポンプ漏れ

VW パサート(B8)   車検のご依頼で受け入れ検査を行った際、冷却水が漏れた跡を発見しました。   冷却水が漏れては乾いてを繰り返したような状態でしたのでずいぶん前から漏れは始まっていたようです。 ウォーターポンプを取り外すとかなりひどい状態でした。 このエンジンはカムシャフト後端部でコグドベルトでウォーターポンプを駆動するのですが漏れた冷却水が付着したのかゴムの破片が大量に飛び散ってコグドベルトの山もすり減ってしまっている状態でした。 ウォーターポンプの軸部分のシール不良が原因ですがこのタ ...

続きを見る

BMW 118(F20)オイルエレメントケースからの冷却水漏れ

BMW 118(F20) 冷却水のレベル警告灯が点灯して何回か補充を繰り返していたが車両の下には垂れてこないので漏れていないように見えるけど冷却水が無くなってしまうとのことで来店。 エンジンルームを点検するとかなり強く冷却水臭がするのでどこからか漏れているのは間違いなさそうです。 点検のためアンダーカバーを外すと吸音型のアンダーカバーから冷却水が大量に染み出てきます。 漏れた冷却水をアンダーカバーがスポンジのように吸い取ってしまい、ポタポタ垂れてこなかったのでユーザーは漏れていないのではないかと思ったよう ...

続きを見る

ルノー ルーテシアRS(X85)危険な故障

ルノー ルーテシアRS(X85) 車検でのご入庫ですが非常に危険な状態でのご入庫でした。 まずはエンジンルームを点検すると強いガソリン臭が漂っています。 点検するとインジェクターに分配するデリバリーパイプにつながる燃料の樹脂のジャバラホースから勢いよくガソリンが吹き出しています。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20260330_130908-5.mp4 漏れているホースは部品供給は終了しているのはもとよりホース自体もタンクまでのアッセンブリーになるため部品代・工賃とも ...

続きを見る

マツダ デミオ(DJ3)ブラインドスポットモニター修理での落とし穴

マツダ デミオ(DJ3) もらい事故で追突されてしまったこちらの車両。 右後端部の損傷が激しいです。 バンパーを外して点検したところ右のブラインドスポットモニター(BSM)のモジュールに接触痕とモジュールベースに割れが確認できたため交換に至りました。   鈑金修理後にブラインドスポットモニターのエラーを消去しようと診断機からアクセスしますがどうしてもエラーを消すことが出来ません。 どうも新品ユニットの認識不良のエラーなのですが当社の診断機である程度のことはできるはずなのですがうまくいきません。 ...

続きを見る

ランドローバー レンジローバーヴェラール 危険な故障

ランドローバー レンジローバーヴェラール 走行中ハンドルがガタガタ音とともに振動するとの事、特に旋回中は酷いということでご入庫。 リフトアップしてすぐに答えはわかりました。 前輪を手で揺すると酷くガタガタで怖いくらいですがその原因はこちら。 この部品はスタアリングのタイロッドエンドのボールジョイントになります。 左右ともボールジョイントがガタガタになっていました。   https://masutaka.co.jp/images/VID_20260622_115745-1.mp4 ボールジョイント ...

続きを見る

メルセデスベンツ V220D(W447) エンジン警告灯点灯して加速が鈍る

メルセデスベンツ V220D(W447)  エンジン警告灯点灯して加速が鈍るとの事でご入庫 チェックランプが点灯していますのでまずは故障コードを読み出します。 ・P3007F1: インテークエアシステムでの漏れが検知されたという故障コードです。 インテークマニホールド(吸気管)はエンジンに空気を導入する部品になりますが正確にどれくらいの空気が入っているのかセンサーで読み取ることで適切な空燃比の元でエンジンをコントロールしています。 このインテークエアに漏れがある=どこからか空気を吸い込んでいると車両が訴え ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅣ(クリオ)冷房が効かない

ルノー ルーテシアⅣ(クリオ) エアコン(冷房)の効きが悪いとの事 入庫時エアコンスイッチを入れるとマグネットクラッチは作動していますので冷媒回路は作動させようとはしているようです。 しかし冷房としての効きは弱いため、まずは冷媒回路の基本である冷媒ガス量の測定をすると規定量に対して半分くらいの量しか入っていません。 冷媒回路は適正なガス量が入っていなければ正常に作動しませんので規定のガス量に調整した上で再度点検していきます。 規定のガス量に調整して先ほどよりかは冷房の効きは良くなりましたが、外気温30℃を ...

続きを見る

-故障修理・整備, ランドローバー

© 2026 増高自動車工業有限会社