ニッサン セレナ(C25)のご入庫
ご用命は、”エアコンを入れても風が出ない” ”風が出ないと思ったら突然吹き出したりする”との事
この車両はオートエアコンです。
操作パネルでは風量モニターはスイッチに連動して動きますのでパネルに問題はなさそうです。
室内にはブロアファンモーターと呼ばれる風を作り出すためのファンをモーターがあります。
このモーターに電源が掛かっているか点検しようとコネクタに手を触れたところ突然モーターが回りだしました。
モーターにかかる電源も操作パネルの操作に合わせて変動するのでやはり操作パネルは正常ですので、モーター自体が故障しているのは間違いありませんでした。
ブロアモーターアッセンブリーを交換しました。
モーターの交換でエアコンの風は出るようになりました。
しかし、このような故障の場合もう一つ交換すべき重要な部品があります。
これはブロアモーターの回転数(風量)をコントロールするアンプと呼ばれる部品です。
オートエアコンの場合はこのアンプを使用してブロアモーターの回転数を細かくコントロールします。
では、なぜこの部品も交換したほうが良いのでしょうか?
ひとつは、当然ブロアモーターと同じ頻度で作動する部品ですので劣化も同様に起きているということです。
もう一つは、今回のトラブルの様にモーターが回らないシチュエーションが起きてしまったということです。
アンプが壊れてモーターが回らなくなる場合も当然あるのですがモーター壊れて回らなくなりアンプを壊してしまうということもあるということです。
このアンプを見てもらうとわかりますがアルミのとげとげがあります。
これはヒートシンクで熱を放熱するためのものです、面積を大きくしてより多く放熱するようになっています。
アンプの電気的な部分は非常に小さな部品で黒い塊がパワートランジスタと呼ばれるものでモーターへの大電流をスイッチングしてコントロールしています。
このトランジスタから大きな熱が出るのです。
この熱を捨てるために大きなヒートシンクがあるのですが、このヒートシンクから放熱させるには周りの温度が低くなければいけません。
そこでエアコンの風が通る通路に設置してその風に当てることで放熱しているのです。
ブロアモーターが壊れればその風は起きませんので放熱できずに熱でアンプ(トランジスタ)が破損してしまうのです。
エアコンの風が出ない場合、操作パネルが正常であればモーターかアンプが壊れていることが多いのですが、どちらにしろこの2点の部品を交換しておいた方が無難であるというわけです。
部品自体のトラブル以外にもアンプを保護するという意味では、エアコンフィルターの詰まりも注意すべき点になります。
エアコンフィルターがホコリで詰まればいくらブロアモーターが回っても風が流れないのでアンプに熱がこもってしまいます、先ほどご説明した内容と同じようなことが起きるのです。
エアコンフィルターはほこりなどをキャッチして快適を保つためなのですが、詰まらせればカビが生えたりするばかりでなくエアコンシステムも壊す要因となってしまうので定期的な交換は必須なのです。
定期交換サイクルは1年毎です。