栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 フィアット

FIAT500 1.4 エンジン バルブクラッシュ

FIAT500 (チンクチェント)のご入庫

ご用命は、エンジンチェックランプ点灯とエンジンがブルブルして力が無いとの事

こちらは、FIAT500でも1400ccツインカムエンジンを搭載したモデルです。

 

入庫時、明らかに1気筒死んでいるようなエンジン回転でしたので、故障コードを読み出してみるとやはり3番シリンダーのミスファイヤーを検出しました。

3番シリンダーが失火しているということです、ありがちな故障としてイグニッションコイルの不良が考えられましたのでコイルを他のシリンダーのものと入れ替えてみましたが、3番シリンダーの失火は変わりません、スパークプラグも同じように入れ替えても変わりません。

ミスファイヤーの検出はエンジン回転のトルクのムラを読み取って判定します。

どのシリンダーにトルクのムラがある(うまく爆発していない)で失火と判断するため、爆発が上手くいっていない=失火(ミスファイヤー)となるのです。

点火系統ではなさそうなので嫌な予感がします・・・

 

エンジンが正常に回るためには、良い火花・良い混合気・良い圧縮の3要素が必要です。

良い火花 : コイル・スパークプラグ入れ替えても変化なし、しっかり火花も出ている。
良い混合気: 他のシリンダーが正常に回っているし、燃料を噴射するインジェクターも作動音がしますし、燃焼室がガソリンで濡れているので噴射はしてそう。

上記2点はおおよそ正常そうです、残るは圧縮です。

圧縮は、コンプレッションゲージと呼ばれるもので圧縮圧力を測定していくのですが、何と3番シリンダーの圧縮が全然ありません!!

3要素のうち圧縮が無いことが原因のようですが、圧縮が無くなるような状態はエンジン内部に問題があるためおおごとです。

 

お客様と相談して時間と費用からエンジンを中古品と交換することになりました。

エンジンを交換して不具合は解消しましたが何が原因だったのか検証しなければなりません。

 

降ろしたエンジンの内部がこちら、シリンダーヘッドの燃焼室です。

3番シリンダーのインテークバルブの傘が割れています、これでは圧縮が抜けてエンジンは正常に回ることが出来ません。

インテークバルブを外してみるとご覧のとおり

 

では何が原因でこのようになったのか?ということです。

バルブが破損するということで考えられるのはピストンとの干渉です。

ピストントップのバルブリセス(バルブが当たらないようにする逃げ)になんとなく触れた感じはありますがこれが原因だというほどの強い当たりが無く何とも言えません。

バルブとピストンがぶつからないようにタイミングをとるのはその名の通りタイミングベルトですが分解前にタイミングを点検しましたがバルブタイミングにも狂いはありませんでした。

 

他に考えられることはエンジンが過剰に高回転になるとバルブスプリングがバルブを抑え切れずサージングを起こしバルブが暴れてピストンと干渉するということもあるのですが、いくら高速道路を走行中とはいえデュアロジック搭載車両でオーバーレブするとも考えられません。

他に考えられることでは異物が混入してバルブに噛みこむ? 一体何が入る?

もしかしたら単純に部品の破損?

など、故障原因についてはハテナとしか言いようがありません。

考えれば考えるほどわからない事象でしたが、こんなことが起きたということです。

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄②

強制再生もできなくなったこちらの車両、各部点検してDPDに詰まりがあることが確定したので分解洗浄を行うことになりました。 いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄① 外したDPDはこのような形をしています。 中は酸化触媒とDPDのセクションに分かれます。 初めにエンジン側の酸化触媒の入り口を見てみます。 ここはエンジンから出てきた排気ガスをもろに受けるところになりますが大きなススの塊で半分近くふさがっています。 次に分解していきます。 DPDの入り口側はパッと見た感じあまり汚れていないように見えます。 ...

続きを見る

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄①

いすゞ エルフ(NJR85)のご入庫 DPDの堆積限度を超えてそのたびに対策していましたが(事例リンク)いよいよ強制再生もできなくなってしまいました。 正常な状態ですとDPDの差圧が大きくなるとススで詰まっていると判断して自動的に強制再生が始まります。 しかし、"強制再生を無視したり" "使用過程の不利な癖"などで詰まりが解消しないことが続くとエンジンチェックランプを点灯させてフェイルセーフを掛けます。 ※フェイルセーフはメーカーによって条件や作動の仕方は変わります。   こちらの車両、チェック ...

続きを見る

FIAT パンダⅢ(312)ダブルマスフライホイール破損

FIAT パンダ(312)のご入庫 ディーラーでダブルマスフライホイールの故障を指摘されて当店にいらっしゃいました。 まだ走行できる状態でご入庫されましたがエンジン振動が大きいのとデュアロジックシステムもエラーが出てギア抜けを起こしたそうです。 ディーラーで診断済みとの事ですが、当店でもディーラーでの診断結果と実車を確認した上で同様の診断結果となりダブルマスフライホイールの故障が起きていると判断しました。 基本はクラッチオーバーホールと同様の作業になりますのでトランスミッションを取り外してクラッチを点検し ...

続きを見る

MINI クーパーSDクロスオーバー(R60) チャージランプ点灯

MINI クロスオーバークーパーSD(R60)のご入庫 チャージランプが点灯するとの事。 チャージランプとはバッテリーの形をした警告灯ですがバッテリーの良否を表示しているわけではなく充電系統に異常があることを警告するランプになります。 充電系統のカナメである発電機であるオルタネータを点検すると何やらゴムカスのようなものがベルト周りに多数飛び散っているのがわかりました。 このディーゼルエンジンでよく起こる不具合の可能性があります。 結果として予想通りクランクプーリーのダンパーゴムが剥離したことでプーリー自体 ...

続きを見る

シトロエン C3 納車整備?

シトロエン C3のご入庫 中古で購入したこちらの車両、購入時車検を取ったうえで納車されたようですがブレーキが無いように見えるので点検してほしいとのご依頼。 走行距離4万㎞台なのでそれほど傷みはないかと思われますが、ブレーキを簡単にチェックするとフロントブレーキパッドがほとんどありませんしブレーキディスクローターの摩耗も激しいのがすぐにわかりました。 車検は購入時に取っているがちゃんとした整備が行われていないようですので当社で法定点検を行いリセットの意味で全体をメンテナンスを含めた点検整備行うことになりまし ...

続きを見る

メルセデスベンツ CLA180 エアバック警告灯点灯

メルセデスベンツ CLA180 メーター内にエアバックの警告灯が点灯したとのこと 診断機にて故障コードを読み出します。 B005013 運転席シートベルトバックル機能障害・断線 このようなエラーコードを検出しました。 シートベルトバックルとはシートベルトを装着するときに差し込む部分のことで、この部分の機能障害を訴えてきました。 バックルアッセンブリーを交換します。 交換後はエラーの検出も収まりました。   従来からシートベルトバックルにはシートベルトをしないと警告灯や警告音を発報するスイッチが内 ...

続きを見る

FIAT 500L ツインエア ドックボーンマウント切れ

FIAT500Lの車検でのご入庫 500Lは正規での日本未導入車両で、こちらは500Lのツインエア搭載モデルになります。 車検整備はいつも通りの内容ですが点検時交換必要か所を発見しました。 エンジン下部にあるエンジンマウントですが切れてしまっていてエンジン全体が前後に大きく動いてしまっている状態です。 ドックボーンマウントなどと呼ばれるロアマウントになります。 FF車ではこのように下側でエンジンの動きを抑制するマウントは良く採用されています。 交換が必要ですが並行車両なので日本国内で部品の流通が無いため海 ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ)エンジン掛からない

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ) エンジンが掛からないとのことで搬送されました。 症状が起きた時のシチュエーションをまとめます。 ・マニュアル車でギアを入れたたままでクラッチを踏まずにクランキングをしてしまった。 ・その直後からクランキングが出来なくなった。 ・ジャンピングをしてもうんともすんとももいわない。 ・メーターの表示も作動せず黒いまま 上記状態で搬送されましたので、車両の状況を確認していきます。 ・キーを回してもメーターの作動は無くスターターモーターも全く反応していない状態。 ・バッテリーの測定値 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(日曜日)から4日(日曜日)は休業させて頂きます。 10.11.12.18.25日も休業となります。      

続きを見る

整備の質

以前から時折見かけてはいましたが最近あまりにも多いブレーキドラムの給油方法。 雑すぎる給油が気になって仕方がありません。 ドラムブレーキのドラムを外すとこのようになっています。   写真ではよくわからないかもしれませんがグレー色のモリブデングリスを塗りたくっています。 金属部分同士がこすれる摺動部分に給油が必要なのですが、必要個所以外にもグリスが大量に付着していて、バックプレートなどは全体にわたってグリスが付着しています。   関係のない所にもたくさん付着しています。 グリスの付着具合から当社で ...

続きを見る

-故障修理・整備, フィアット

© 2025 増高自動車工業有限会社