VW ニュービートルのご入庫
ご用命は、”バッテリーを交換したばかりだけどすぐに上がって掛からなくなってしまう”との事
バッテリーが無くなってしまうということは、うまく充電ができないか電気が漏れてしまっているかなどが考えられます。
ジャンプして何とかエンジンを掛けて入庫なさりました。
しかし、しばらく置いておいてエンジンを掛けようとすると掛からない状態になっていました。
まずは、充電が正常に行われているかテストします。
すると、充電はしています!それもかなり高電圧です!
17Vを超えています!
これは、オーバーチャージ(過充電)状態で危険な状態です!
通常、乗用車は12Vを基準に電圧を管理しています。
実際には13~14ボルト代に制御されているのが正常ですが、このお車のように17ボルトを超える状態ですと電子機器(コンピューター)を壊してしまったり、発熱により発火の可能性がある危険な状態なのです。
これは、オルタネーター(発電機)に内蔵されているボルテージレギュレーターと呼ばれる部品の故障です。
さらに、今回はレギュレータが壊れたことでエンジンを切った後にも電気がレギュレーターに流れ続けたためバッテリーがすぐに空になってしまうという症状でした。
ボルテージレギュレーターは名称の通り、ボルト(電圧)を調整して電装品(ヘッドライト・ワイパー・ヒーター等)などの負荷に合わせて発電機から発電される電気の電圧を一定に保つようにする役目です。
これは、オルタネーター(発電機)です。エンジンからベルトで回されて発電を行います。
現代のオルタネーターにはボルテージレギュレーターが内蔵されています。
※昔は別体でした。
オルタネータでの発電不具合は、オルタネーター自体が壊れてしまうこともありますし、レギュレーターでうまく調圧が出来なくなり起こったりしします。
かつて、レギュレータ単体だけで交換もよく行っていたのですがレギュレーターが故障を起こすほど使用したものはオルタネーター本体も使い込まれていることが多くトラブルをすぐに起こすことが多いため、アッセンブリーで交換することが増えました。
今回もオルタネーターアッセンブリーの交換で不具合は解消しました。
バッテリーが上がってしまった際、バッテリーの交換をすぐに思い浮かべると思いますが上がった原因がほかにもないか点検を行うことが重要なことです。
原因がわからないまま交換だけを行っても必ず不具合は再発しますので、充電系統も含めた点検を忘れないようにしてください。