フィアット500(チンクエチェント)のご入庫
ご用命は、”エアコンの風が最大の時しか出ない”との事
この故障は、マニュアルエアコンで起こる定番の故障です。
室内にはブロアファンモーターと呼ばれる送風ファンでエアコンの吹き出し口から風が出る仕組みになっています。
ブロアモーターに掛ける電気の大きさをコントロールする事でモーターの回転数を変えて吹き出し風の強さを変えています。
モーターに掛かる電気をコントロールするのはブロアレジスターと呼ばれる部品です。
これは、風量ごとに抵抗の大きさを変えてモーターにかかる電気をコントロールする役目をしています。
抵抗自体に大変大きな発熱をするため抵抗が切れてしまうことがよくあります、最大風量の時はブロアレジスターを介さずに直接モーターに電気を供給するので今回のような最大風量のみ回るのです。
原因はブロアレジスターであることが多いのですが今回はそれだけではありませんでした。
これはブロアレジスターにつなぐコネクターです、この中の端子が溶けてしまい配線抵抗となって電気が流れなくなってしまっていました。
ブロアレジスタ側の端子も溶けているので交換が必要ですが、コネクターも悪ければこの先また配線抵抗が大きくなり同じ故障を招きます。
このような部分のコネクターはメーカーから補給部品として設定があるのですが、FIAT500ではハーネスアッセンブリーで大変高額になってしまう為、この部分のみ中古品を使用してつなぎ合わせました。
大変大きな電気が流れる部品は、些細な抵抗が熱を発生させる原因になります。
国産・輸入車問わず起こる故障でもあります。