栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ホンダ

ホンダ ステップワゴン(RK5)加速しない

ホンダ ステップワゴン(RK5)のご入庫

ご用命は、”エンジンチェックランプが点灯して加速しなくなった”との事

エンジンチェックランプが点灯したとの事なので診断機で故障コードを読み出します。

P2646 VTEC油圧回路の異常を検出しました。

VTECとは、エンジンのカムシャフトを回転により切り替えるシステムなのですがエンジンオイルの油圧を利用して行います。

その油圧回路がおかしい?(油圧を電圧にして読み出しています)と車両は故障を訴えているのです。

電気的におかしいのか?物理的に油圧が上手く掛からないのか?振り分けなければなりませんのでまずは、エンジンオイルが規定量入っているのか点検します。

すると、オイルゲージにオイルがつきません。規定量よりはるかに少ない状態です。

オイルを継ぎ足して規定量に合わせて走行テストを行ってみると先ほどの故障コードは検出しませんし加速状態も良くなりました。

どうやら、エンジンオイルが少なくポンプが上手く吸えない状態が瞬間的に起きて油圧で作動させるVTECシステムが正常に作動できなくなったことでエンジンチェックランプ点灯したようです。

これで、一件落着です。 

 

というわけにはいきません。

 

エンジンオイルが少なくなった原因を探らねければなりません。

こちらのお客様、前回エンジンオイル交換してから距離6000km/3か月前に交換と決して異常なほどオイル交換を怠っていた訳ではありません。

下廻りから確認しても、オイル漏れは見当たりませんので解せません。

ひとまず、エンジンオイルを交換して規定量MAXにしっかり合わせた上でエンジンオイル消費量を測定するため3000km乗っていただくことにしました。

 

3000km走行後

エンジンオイル量を点検しますと、ゲージレベルのLOWレベルを下回っています。

ゲージはMAX~LOWまででおおよそ1Lと言われています。そうしますと3000kmで1L以上エンジンオイルを消費してしまったことになります。

国産車でこの減り方は明らかに異常なレベルです。

 

オイルの減少はエンジン内部で燃焼してしまったと考えられるのですが、メンテナンス不良でもなければ早々ここまで悪くなることはありません。それにエンジンを分解しての修理は大変費用が掛かることです。

そこで、車両が比較的新しいお車ですので自動車メーカーでこのような故障事案を把握して対策をしていないか調べてみます。

ありました!!

本来、5年までしか保証期間が無いものが、部品不具合として9年まで保証延長で拡大されていました。

まさにこれです!平成22年式でまだ7年ですのでOKです。

ディーラーに問い合わせたところ、対象に当てはまる車両ですので無償で修理を行ってもらえることになりました。(´▽`) 

対策内容は、エンジンを下ろしてピストンとピストンリングを対策品と交換したそうです。

この部分が悪くなり、オイルをシリンダーから掻き落とせなくなり燃焼室にエンジンオイルが入り燃えてしまったのが今回の故障の本当の原因でした。

高額修理になるところを、無償で修理が出来てお客様はほっと胸をなでおろしていらっしゃいました。

 

実は、ピストンとピストンリングの不具合は最近どのメーカーにも同様の不具合が発生しています。

なぜ、このようなことが最近多いのかというとそれは燃費競争が主な原因です。

ピストンはシリンダーと呼ばれる筒の中を上下に摺動するのですが、その摺動を軽くするためにピストンリングの張力を下げたり、面積を減らしたり、形状を工夫しています。

摺動が軽くなれば抵抗が少なくなりますので結果として燃費はよくなります、その燃費改善は実はわずかなのですがそのわずかの差をメーカーは争っているのです。

結果、初めのうちは燃費もよく調子が良いのですが、汚れてきたり張力が落ちてくるとオイルを掻き落とせ無くなりオイルを燃やしてしまい今回のような故障を引き起こします。

 

チェックランプ点灯から始まった不具合でしたが、全く違う修理にたどり着きましたが、これも修理工場でこのような不具合事例の探索をしてくれ無ければお客様は実費修理になる可能性も在りますし、いくら保証延長でも5年が9年に伸びただけですので9年を超えればもちろん実費修理となります。

最近では車両の買い替えサイクルは昔より伸びているそうですが、単に乗れれば良いのではなく、よい調子を保ちながら長く乗らなければ意味がありません。

自動車メーカーも競争が激しいのはわかりますが、燃費争いに夢中になって質の良いものを提供しなくなれば、ユーザーも離れてしまうことをそろそろ考えなければいけないのではないでしょうか?

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ルノー カングーⅠ エンジンコンピューター故障

ルノーカングーⅠ エンジンの調子が悪いとの事で積載搬送されました。 エンジンはエンストするほど回転が不安定な状況。 診断機を使用して故障コードを読み出します。 故障コードでは2番と3番シリンダーの回路故障と失火を検出しています。 実際にパワーバランスを診ても2・3番シリンダー両方とも反応がなく失火しており1・4番シリンダーの2気筒でギリギリ掛かっているようです。 ガソリンエンジンの3要素の火花を診ても2・3番シリンダーは火花が出ていないようなので火花が出なくなる要素を探求していきます。 まずは点火系統の末 ...

続きを見る

ホンダ N-VAN VSA警告灯点灯

ホンダ N-VAN 時々チェックランプが点灯するときがあるとの事。 何のチェックランプが点くのかお話を聞くこのマークが点灯するとの事でした。 これは横滑り防止装置の警告灯になり、ホンダではVSAと呼ばれるシステムの警告になります。 診断機をつないで故障コードを読み出してみると、マニュアルミッション車でクラッチスイッチB/Dのエラーを検出していました。   クラッチが横滑り防止装置に関連があるの?と思われるかもしれませんが横滑り防止装置は様々なセンサーなどからの情報で車両の状態を瞬時に読み出して制 ...

続きを見る

クライスラー イプシロン(312)クラッチ異音/走行不能

クライスラー イプシロン(312)のご入庫 エンジンの方から大きな音がしてギアもニュートラルで走行不能になったとの事でレスキューにてお預かりしました。 エンジンを掛けるとクラッチ付近からギャーという大きな異音が発生してギアもつながらない状態です。 こちらの車両は、FIAT500でおなじみのデュアロジック(AMT)を搭載しています。クライスラーなのでデュアロジックとは呼ばずデュアルファンクションという名称になります。 同じものですがややこしいのでデュアロジックという名称でご紹介します。 異音の出どころとして ...

続きを見る

VW ゴルフ6 ヘッドライトの曇りを放置した結果

VW ゴルフ6のご入庫 ヘッドライトが点かないとの事。 確かにヘッドライトは点灯しませんが原因は想像できます・・・ 大量の水がヘッドライトに浸入しています。   診断機も掛けますが当然エラー検出。   ヘッドライトのシーリングが悪くなり雨水が浸入しているのですが、水が入ってよい訳がありません。 どのようになるかと言いますとこのようになります。 ヘッドライトユニットは単に電球が入っているわけではなくHIDのバラストユニットやアクティブヘッドライトのコントロールユニットなども一体になっています。 こ ...

続きを見る

ブレーキランプの不思議な点灯

ブレーキランプが切れているとの事でご入庫。 しかし点灯確認すると何かおかしいです。 ヘッドライトを点灯させます。 するとブレーキを踏んでいないにもかかわらずハイマウントストップランプが点いてしまいます。 ブレーキは踏んでいませんのでハイマウントストップランプは消灯していなければなりませんし、ナンバー灯が点灯しているので本来なら左右スモールランプは点灯しなければなりませんがこちらは左右とも点いていません。   今度はブレーキを踏むとブレーキランプ部分はかなり弱弱しく点灯していますが暗くてブレーキを ...

続きを見る

ルノー カングーⅡ後期 突然の加速不良

ルノー カングーⅡ こちらはカングーⅡの後期モデルで1200㏄ガソリンエンジン ターボチャージャー付になります。 エンジンチェックランプが点灯してアクセルを踏み込んでも進まなくなったとのことで積載搬送されました。 エンジンは掛かりますが空気を吸う吸気音が大きいです。 音の出所をたどるとターボチャージャーから出てくる樹脂製の加給パイプがパックリ開いてしまっていました。 この部分は樹脂を溶着させて組まれているのですがそこが剝がれてしまっていました。 従来は金属で作られていたこのような部品も樹脂を使用するように ...

続きを見る

VW ゴルフ5GTI ハブベアリングの故障あれこれ

VW ゴルフ5 GTI 年数・距離共に大分伸びてきたこの時代の車両、ハブのベアリングもそろそろ限界を迎えることが多くよく見かけるます。 同型モデルで違う車両ですが、それぞれのハブベアリングの不具合症状例を紹介します。 走行中ゴーゴー音が聞こえるためタイヤを変えたが音がやまなかったとの事でご来店。 走行テストを行うと低い音でゴーという音が60㎞/h位から車内に響きます。 感覚的には車両後方から聞こえる気がします。 リフトで車両を持ち上げてタイヤを手で回すと右後輪の車輪からゴー音が出ていることが確認できました ...

続きを見る

VW ティグアン(AD1)パークセンサー エラー

VW ティグアン(AD1) メーターにパークセンサーエラーの表示がされるとの事。 パークセンサーとは障害物に近づくとピーピーと警報音やモニターなどに表示されるシステムのセンサーで、超音波で障害物との距離を測っています。 診断機でどこのパークセンサーのエラーが検出されているか点検すると左後方のセンサーのエラーを検出しました。 エラーを消去しても消えませんので現在故障として検出しています。 センサーにつながるコネクターの接触も悪くないのでセンター自体の故障判断して交換します。   交換後は正常に作動してエラー ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリエッタ オーバーヒートランプ点灯

アルファロメオ ジュリエッタ1.4のご入庫 オーバーヒートランプが点灯したとの事 この警告ランプは危険ですのでロードサービスで搬送してもらいました。 症状が発生した時の様子をお聞きするとエアコン(冷房)の効きが急に悪くなったためガソリンスタンドで診てもらおうと立ち寄ったところ今度はオーバーヒート警告灯が点灯したとの事。 ガソリンスタンドでは電動冷却ファンが回っていないのではないかと言われたようです。   点検を始めます。 エアコンを掛けると回るはずの電動ファンはやはり回っていません。そこで電動フ ...

続きを見る

ニッサン ノート(E12)突然の異音とエンスト

ニッサン ノート(E12) 走行中突然変な音がエンジンからして、吹けなくなりエンストもするようになったとの事。 エンジンからもヒュンヒュン変な音がするそうです。 ロードサービスで積載搬送して入庫となりました。 エンジンは掛かりますがDやRレンジにシフトするとストンとエンジンが止まってしまう時があります。 それに空ぶかしをするとヒュンヒュンとかなり大きな音が響き渡ります。 音の出どころを探ると一目でわかる故障個所がありました。 これはスーパーチャージャーの出口で加給圧の掛かった空気が通るダクトです。 樹脂製 ...

続きを見る

-故障修理・整備, ホンダ

© 2024 増高自動車工業有限会社