栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 スバル

スバル レガシィ(BL5) エンジン不調

スバル レガシィ(BL5 平成16年式) のご入庫

IMG_20170204_083323

”エンジンが調子が悪い”との事でご入庫

アイドリングがばらついて(ラフアイドル)今にも止まりそうな状態で吹け上りも悪いです。

このエンジン(EJ20)は水平対向4気筒2000ccエンジンなのですが右バンクの2気筒が爆発していません。

左バンクだけでエンジンが回っている状態なので調子が悪いのは当然です。

 

診断機で故障コードを読み出しますが特にコードは検出していません。

このような不具合でよくあるのは、イグニッションコイル不良が多いのですが、ダイレクトイグニッションで2気筒同時に壊れるなんていう偶然もなかなか無いものです。

点検すると、やはり火花は出ているので正常です。

次に燃料がしっかり噴射されているかということも点検しましたがそちらも問題ありませんでした。

ガソリンエンジンを正常に回すために、”よい点火” ”よい混合気(燃料)” ”よい圧縮”という3要素が非常に重要なのですが、点火・混合気はひとまず正常そうです。

しかし、点検をしているなかで気になる点がありました。

燃焼していない場合スパークプラグは燃料でびちょびちょになっているのが当然なのですが、ほとんど濡れていないことが気にかかりました。(燃えていないので煤けてはいました。)

しかし、燃料噴射をしていることは確認出来ました。 ???

残るは、”よい圧縮”です。

圧縮はエンジン本体の問題で、ピストンやバルブに異常があると圧縮が抜けて調子が悪くなることがあるのですがこれも2気筒同時に壊れてしまうなんてことはまず考えずらい???

2気筒同時?・・・

!!

圧縮に関係する部品がありました。

診断機を繋ぎライブデータ(実測値)をモニターします。

やはり!!

VVTの角度が右バンクが進角しっぱなしになっています!

(VVT:可変バルブ機構というものでこのエンジンの場合インテークカムシャフトを高回転時,位相をずらし出力向上させるシステムです。)

これが原因です。

VVTが進角しているということは高回転の位置にカムの位相をずらしているためバルブオーバーラップが大きくなり圧縮が抜けてしまっていたのです。オーバーラップが大きくて吹き抜けていたのでプラグも燃料で濡れていなかったのも納得できます。

 

次にVVTが進角しっぱなしになってしまった原因を探ります。

VVTをコントロールするためにオイルの油路を切り替えるオイルコントロールバルブを外してみると何かスプール内に入っています!

挟まっていて取れません!

IMG_20170128_184801

異物を取り除くとバルブが動きました。

やはり高回転側でスプールが引っ掛かっていたのです。

では、この異物は何?

実は、オイルコントロールバルブは名前の通りオイルの油路切り替えを行うのですが精密部品のため異物が入らないよう手前にフィルターが付いています。そのフィルターが壊れて流れ出し引っかかっていたのです!

そのフィルターがこちら

IMG_20170128_190414

オイルパイプ取付のバンジョーボルト内にセットされているのですが、経年劣化だと思うのですが崩れて流れ出してしまいました。

本来、異物を防ぐ部品が異物を送り出すという本末転倒な結果でした。

反対バンクにも同じようにVVTのオイルコントロールバルブが付いていますのでバンジョーボルト内のフィルターを見るとやはり破け始めていました。いずれ同じ不具合を起こしていたでしょう。

 

異物を取り除いた後は左右でVVT角がそろっています。

 

最近の自動車では左右VVTアングルにここまで差が出ていればエンジンチェックランプの点灯や故障コード検出はされていたと思いますがこの時代はまだなかったようです。

今回はフィルターの不具合で予防で防ぐことはなかなか出来ない部分でしたが、エンジンオイルのメンテナンス不良でもこの細かいフィルターは詰まりVVTを正常に作動させない恐れはありますので、そういった意味でもご注意を。

エンジン内部にはこのようにとても精密にコントロールをしている部品やフィルターが多数ありますので汚れたオイルを使い続けることが故障を引き起こす原因になることもお分かりになると思います。

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄②

強制再生もできなくなったこちらの車両、各部点検してDPDに詰まりがあることが確定したので分解洗浄を行うことになりました。 いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄① 外したDPDはこのような形をしています。 中は酸化触媒とDPDのセクションに分かれます。 初めにエンジン側の酸化触媒の入り口を見てみます。 ここはエンジンから出てきた排気ガスをもろに受けるところになりますが大きなススの塊で半分近くふさがっています。 次に分解していきます。 DPDの入り口側はパッと見た感じあまり汚れていないように見えます。 ...

続きを見る

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄①

いすゞ エルフ(NJR85)のご入庫 DPDの堆積限度を超えてそのたびに対策していましたが(事例リンク)いよいよ強制再生もできなくなってしまいました。 正常な状態ですとDPDの差圧が大きくなるとススで詰まっていると判断して自動的に強制再生が始まります。 しかし、"強制再生を無視したり" "使用過程の不利な癖"などで詰まりが解消しないことが続くとエンジンチェックランプを点灯させてフェイルセーフを掛けます。 ※フェイルセーフはメーカーによって条件や作動の仕方は変わります。   こちらの車両、チェック ...

続きを見る

FIAT パンダⅢ(312)ダブルマスフライホイール破損

FIAT パンダ(312)のご入庫 ディーラーでダブルマスフライホイールの故障を指摘されて当店にいらっしゃいました。 まだ走行できる状態でご入庫されましたがエンジン振動が大きいのとデュアロジックシステムもエラーが出てギア抜けを起こしたそうです。 ディーラーで診断済みとの事ですが、当店でもディーラーでの診断結果と実車を確認した上で同様の診断結果となりダブルマスフライホイールの故障が起きていると判断しました。 基本はクラッチオーバーホールと同様の作業になりますのでトランスミッションを取り外してクラッチを点検し ...

続きを見る

MINI クーパーSDクロスオーバー(R60) チャージランプ点灯

MINI クロスオーバークーパーSD(R60)のご入庫 チャージランプが点灯するとの事。 チャージランプとはバッテリーの形をした警告灯ですがバッテリーの良否を表示しているわけではなく充電系統に異常があることを警告するランプになります。 充電系統のカナメである発電機であるオルタネータを点検すると何やらゴムカスのようなものがベルト周りに多数飛び散っているのがわかりました。 このディーゼルエンジンでよく起こる不具合の可能性があります。 結果として予想通りクランクプーリーのダンパーゴムが剥離したことでプーリー自体 ...

続きを見る

シトロエン C3 納車整備?

シトロエン C3のご入庫 中古で購入したこちらの車両、購入時車検を取ったうえで納車されたようですがブレーキが無いように見えるので点検してほしいとのご依頼。 走行距離4万㎞台なのでそれほど傷みはないかと思われますが、ブレーキを簡単にチェックするとフロントブレーキパッドがほとんどありませんしブレーキディスクローターの摩耗も激しいのがすぐにわかりました。 車検は購入時に取っているがちゃんとした整備が行われていないようですので当社で法定点検を行いリセットの意味で全体をメンテナンスを含めた点検整備行うことになりまし ...

続きを見る

メルセデスベンツ CLA180 エアバック警告灯点灯

メルセデスベンツ CLA180 メーター内にエアバックの警告灯が点灯したとのこと 診断機にて故障コードを読み出します。 B005013 運転席シートベルトバックル機能障害・断線 このようなエラーコードを検出しました。 シートベルトバックルとはシートベルトを装着するときに差し込む部分のことで、この部分の機能障害を訴えてきました。 バックルアッセンブリーを交換します。 交換後はエラーの検出も収まりました。   従来からシートベルトバックルにはシートベルトをしないと警告灯や警告音を発報するスイッチが内 ...

続きを見る

FIAT 500L ツインエア ドックボーンマウント切れ

FIAT500Lの車検でのご入庫 500Lは正規での日本未導入車両で、こちらは500Lのツインエア搭載モデルになります。 車検整備はいつも通りの内容ですが点検時交換必要か所を発見しました。 エンジン下部にあるエンジンマウントですが切れてしまっていてエンジン全体が前後に大きく動いてしまっている状態です。 ドックボーンマウントなどと呼ばれるロアマウントになります。 FF車ではこのように下側でエンジンの動きを抑制するマウントは良く採用されています。 交換が必要ですが並行車両なので日本国内で部品の流通が無いため海 ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ)エンジン掛からない

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ) エンジンが掛からないとのことで搬送されました。 症状が起きた時のシチュエーションをまとめます。 ・マニュアル車でギアを入れたたままでクラッチを踏まずにクランキングをしてしまった。 ・その直後からクランキングが出来なくなった。 ・ジャンピングをしてもうんともすんとももいわない。 ・メーターの表示も作動せず黒いまま 上記状態で搬送されましたので、車両の状況を確認していきます。 ・キーを回してもメーターの作動は無くスターターモーターも全く反応していない状態。 ・バッテリーの測定値 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(日曜日)から4日(日曜日)は休業させて頂きます。 10.11.12.18.25日も休業となります。      

続きを見る

整備の質

以前から時折見かけてはいましたが最近あまりにも多いブレーキドラムの給油方法。 雑すぎる給油が気になって仕方がありません。 ドラムブレーキのドラムを外すとこのようになっています。   写真ではよくわからないかもしれませんがグレー色のモリブデングリスを塗りたくっています。 金属部分同士がこすれる摺動部分に給油が必要なのですが、必要個所以外にもグリスが大量に付着していて、バックプレートなどは全体にわたってグリスが付着しています。   関係のない所にもたくさん付着しています。 グリスの付着具合から当社で ...

続きを見る

-故障修理・整備, スバル

© 2025 増高自動車工業有限会社