ニッサン AD(Y11)のご入庫
”エンジンチェックランプが点灯して調子も悪い”との事
まずは何の故障を車両コンピュータが拾ったのか診断機を使い読み出します。
”故障コードP0171 空燃比リーン (薄い)”
が、検出されました。
エンジンを調子よく回すには、適切な濃さの混合気(ガソリンと空気の混ざったもの)が必要です。
ガソリンと空気の混ざり具合を空燃比と呼び、常に適切な空燃比でコントロールすることでエンジンの調子を保っています。
空燃比リーンとは、ガソリン<空気(酸素) の状態になっているということです。
この不具合を検出する要因として
- エンジンに入る空気量を読むセンサーがおかしい (エアフロ・エアマスセンサー)
- 排気ガス中の残存酸素量を読むセンサーがおかしい(O²センサー)
- エアフロ・エアマスセンサーよりエンジン側で空気を吸い込んでしまっている。
- インジェクター・コンピューター等の故障
など、要因が考えられます。
まず、上記を踏まえエンジンルーム内の点検をします。
!!
エアインテークスリーブがパックリ切れています。
これではエアマスセンサー(エンジンに入る空気の量を読むセンサー)より後ろ側で空気を吸い込んでしまうので、センサーで読んでいる空気量と実際にエンジンに入っていく空気量が合わず調子が悪くなってしまいます。適切な空燃比にならないということです。
空燃比がかなり薄い状態なので上手くガソリンが燃えずエンジンもガクガク調子が悪いの です。
エンジンは加減速で傾きますので、このスリーブで動きを吸収するのですが長年の劣化でこのように切れてしまうことはよくあります。
この構造はほとんどの車で採用されていますので、同じようなことが起きる可能性はありますし、ほんのわずかな部分からでも空気を吸い込んでしまうだけで空燃比は狂いますので調子は悪くなります。
目視で発見できれば良いのですが、わずかな漏れ(吸い込み)の場合は診断機を使いセンサーの数値を頼りに探すことになります。
なんだか調子が悪い、エンストしてしまう等、症状がある場合の必須点検項目のひとつです。