ニッサン シルフィ(G11)のご入庫
ご用命は、”突然、エアコンの風が出なくなった”とのこと。
確かにどの風量切り替えにしても風は全く出てきません。
このような事例は今までにも何度かご紹介していますが、何らかの理由でブロアファンモーターが回っていないことが原因です。
オートエアコンの場合ファンコントロールアンプと呼ばれるパワートランジスターユニットでファンモーターに流れる電流を調整することでファンスピードをコントロールします。
早速点検してみますと、アンプのコネクター端子が溶けて曲がってしまっていました。
この端子は、ファンへの大電流を流す端子ですので些細な接触抵抗でもそこから発熱してこのように溶けてしまいます。溶けて端子の接続が甘くなることでさらに抵抗が増え、最終的に電気が流れることができなくなりファンモーターが回らなくなってしまった訳です。
今回は、新しいファンコントロールアンプとそこにつながるコネクターがリペアで供給されていますので同時に交換します。
今回の原因は、端子の接触不良でしたがその他に意外とよくあるアンプ自体を壊してしまう原因もありますので紹介します。
それは、エアコンフィルターの詰まりです!
このアンプの構成を見てもらうとわかるように銀色のアルミ素材の部分はヒートシンク(放熱板)でここに風を当てることで熱を捨て去るような仕組みになっています。
写真を見てもらうとわかるようにトランジスタはこんなに小さな部品なのにこれだけ大きなヒートシンクが必要なほど発熱をするということです。
そこで先ほどの話に戻りますが、ヒートシンクにブロアファンの風を利用してアンプ(トランジスタ)を冷やす仕組みなのでエアコンフィルターが詰まった状態ですと、いくらブロアモーターを強くまわしても風が強くならずアンプを十分冷却することができなくなりオーバーヒートによりアンプが壊れてしまうことになります。
人間の快適性のためにエアコンフィルターの交換の話題になることが多いのですが、交換を怠る事でエアコンシステムも壊してしましますのでそういった意味でも定期的な交換が必要だということです。
交換は1年もしくは1万キロ走行どちらか早く達した時点での交換になりますのでお忘れなく。
これから夏本番、人も車も快適に過ごせるようにチェックしてくださいね。