こんにちは増高自動車 菅野です。
何をしているのかといいますと、ハブベアリングの交換です。
この写真中央の丸いものがハブベアリングです。
ハブベアリングは車輪中央についていてタイヤをスムーズにまわす重要な役割を担っています。もちろん車体の重さもここで受けます。
ですからここが傷むとタイヤがスムーズに回らなくなりベアリングが焼き付き最悪タイヤがもぎ取れてしまうことだってあるんです!!!!
今回、このベアリングが傷んでしまったのは、シャフトを締め付けるナットのトルク不足が原因だったようです。
入庫時ナットは手で回るほど緩んでおり、割りピンが刺さっている為ナットはそれ以上緩まなくなっていましたが割りピンがなければドラムごと車輪が外れてしまっていたと思われます。
車輪の脱落こそ回避できたものの、ナットの緩みにより車軸にガタが発生しベアリングをいためる結果になりました。
整備履歴を確認してみると、車検のとき以外このナットをいじることは考えられませんので、車検時の整備ミスと思われます。
実はハブベアリングにはいろいろなタイプがあり、締め付け方法がそれぞれ異なります。
ベアリングのタイプや構造をよく理解していない整備士ですとこのような整備ミスを起します。
私が経験した中でも、ハブベアリングの整備ミスはよく見られます。
ホンダでもバモス・アクティは同じ構造で整備ミスを起こす可能性があるため整備方法の通達がホンダ技研からあったくらいです。
しかし、しっかり国家資格を取得した整備士なら構造を理解しどのように締め付けるかなどわかっていて当然です。
お客様や車輌の周りにいる人の命にかかわる重大なミスです。
経験の浅い整備士は、時間に追われなかなか構造など理解する暇がないのかもしれませんが、先輩などからよく教わりこのようなミスを起さないようにしてもらいたいです。