ルノー ルーテシアⅣ(クリオ)

エアコン(冷房)の効きが悪いとの事
入庫時エアコンスイッチを入れるとマグネットクラッチは作動していますので冷媒回路は作動させようとはしているようです。
しかし冷房としての効きは弱いため、まずは冷媒回路の基本である冷媒ガス量の測定をすると規定量に対して半分くらいの量しか入っていません。
冷媒回路は適正なガス量が入っていなければ正常に作動しませんので規定のガス量に調整した上で再度点検していきます。
規定のガス量に調整して先ほどよりかは冷房の効きは良くなりましたが、外気温30℃を超えている環境下で吹き出し口温度は20℃ほどです。
これでは正常に作動しているとはいえません。
作動時の冷媒ガスの圧縮力を点検すると高圧側が1Mpa(メガパスカル)ほどしかなく圧縮力が足りていません。
規定のガス量が入ったうえでの圧縮力の低下ですのでコンプレッサー不良と判断して交換を行います。


交換後はアイドリング時でも高圧側は1.4Mpaほどありますし低圧側も高圧側に引かれるため0.3Mpaほどとしっかり下がっています。
エンジン回転をさらに上げると回転の安定域に入りますのでさらに圧縮量に差が出て冷房温度が下がるのを確認します。
吹き出し口温度も10℃以下にしっかり下がるようになりました。

冷媒システムは適正なガス量の上で正常な圧力が得られているかということが基本となります。
そのためまずは規定のガス量に調整した上で圧力の点検などを行っていかないと診断がぶれてしまうのです。
今回のコンプレッサーは可変容量タイプなのですがマグネットクラッチも搭載されているタイプです。
マグネットクラッチは目視で動作が確認することが出来るのですが圧縮力の無さはシリンダー自体の圧縮抜けなのかソレノイドバルブの作動不良なのかは判断は難しいのですがソレノイドバルブに鉄粉が見受けられたのでシリンダーの摩耗があったのかもしれません。

正常な状態でも冷媒ガスは少しずつ大気に抜け出てしまいます。少ないガス量でコンプレッサーを作動させ続けるとオイルの循環も悪いですしコンプレッサー自体にも負担が掛かることで最終的に壊れてしまいます。
数年に一度はガス量の測定・再調整を行いその際に添加剤などでコンプレッサーオイルの性能回復を図ることで故障を防ぐことが出来るかもしれません。