アウディA6 オールロード(C7)
長時間駐車後、後輪の車高が左右で違い車体が傾いているとの事。
エンジンを掛ければ車高はそれぞれ安定します。
この車両はエアサスペンションのため空気の圧力でベローズを膨らませてバネの代わりにしています。
後輪のベローズがスローパンクしているため空気バネが保持できず、少しづつ空気が抜けて車高が下がったことが原因です。
ベローズはこのような形をしていて簡単に言うと風船のようなものです。
いつものようにベローズを交換したのち姿勢変化が起きないことを確認して作業終了です。
しかし数か月後エアサスペンションシステムのエラーがメーターに現れ再入庫となりました。
エラーを確認すると右後輪のエアーを抜くことが出来ないというエラーを検出しました。
この車両は4輪ともエアサスペンションでエアポンプからの空気圧をバルブブロックという部品でコントロールしています。
どこか一輪コントロールできないのであればこの部品のエラーとなります。
しかし故障探求を進めていくうち強制的にエアポンプを作動させても車高の上りが遅くポンプの作動音も大きくなった気がします。
どうやら電動エアポンプ自体空気の吐出力が落ちてきて限界を迎えたようです。
電動ポンプとコントロールブロックを交換して正常にエアサスペンションは作動するようになりました。
前回、後輪のベローズを交換してからあまり時間が経たずして壊れたことから、以前からのベロースのエア漏れがポンプに負担をかけ続けていたことが原因と思われます。
エアサスペンションは空気圧で車高のコントロールが出来たり、金属バネに比べて高い衝撃吸収性があるため高級車や大きなトラックに採用されることが多いです。
しかしベローズは必ずパンクをする部品と言えるので消耗品として考えなければいけないのですが高額な部品になることから、予防的に交換するといったことはあまり考えられず症状が出てからの対処をすることが多いのと、症状がわずかなエア漏れですとユーザーが気が付きづらい事で今回のようにほかの部品にまでダメージを及ぼすことが多いのが難点です。
この車両のエアサスペンションシステムでは前輪のベローズのみまだ交換していませんがいつか必ずパンクしますので気が付いた時には早急に対処することで2次的な被害を防ぐことが出来ます。