トヨタ ピクシスエポック(LA300)のご入庫
ダイハツ ミラのOEM車両になります。
走行中赤い水温ランプが点灯して警告灯がなるときがあるとのこと。
写真
この車両には水温計はありませんので診断機をつないで水温を読み出すと110℃ほどでしばらく見ていると120℃を超える勢いでオーバーヒートを起こしていました。(外気温30度超時)
オーバーヒートの原因を調べていきます。
まずは冷却がうまくいっているか電動冷却ファンが作動しているか見ると全開で回っているので問題はなさそうです。
次に冷却水がうまく循環しているか見るためヒーターを全開にします。
室内側で熱風が出るので冷却水はヒーターコアをしっかり循環していると判断します。同時に冷却水を送るウォーターポンプも正常と判断できます。
次にラジエーターです。
先ほどの電動冷却ファンは勢いよく回っているのですが放熱するはずのファンからの風があまり熱く感じません。
ラジエータホースのアッパーとロアーホースを触っても温度差に違和感を感じます。
ラジエータが詰まっていて機能していない可能性が濃厚ですので、さらに診断を進めます。
再度走行テストを水温をモニターしながら行ってみます。
外気温30℃を超えていたため水温は上昇を続けていきました、水温がややヒート気味まで上昇したためヒーターを全開にしてみるとそれに合わせて水温は下がりました。
ラジエーターとヒーターコアは、ラジエーター:冷却水の余分な熱を外に放熱 / ヒーターコア:室内に放熱して暖房として使用と冷却水から熱を放熱するという意味では同じ役割をします。
先ほどヒーターを全開にして水温が下がったということはラジエーターでは放熱しきれなかった熱を、ヒーターが放熱して水温が安定したのでラジエーターの放熱性能が足りなかったことを意味します。
ラジエーターを取り外して分解します。
この細い管を冷却水が通るのですが半分以上詰まっています。
ジュル状の不純物も多量に出てきました。
これでは冷却水がうまく流れず放熱できませんので外気温が高い不利な条件下ではオーバーヒートしてしまいます。
軽自動車のラジエーターはオーバーホールするよりも交換してしまったほうが信頼度も高く価格も抑えられるため交換します。
ラジエーター交換後は水温は正常に安定するようになりました。
ラジエーターが詰まった原因は、冷却水に使用した水質や電蝕などいろいろ考えられるのですが防ぐには定期的にしっかりしたLLC(冷却水)に交換するに限ると思います。
何度もお話ししますが水温計のない車両は、水温ランプしかあてになりませんので警告が出たときはすぐに止めるようにしてください。