FIAT500ツインエアのご入庫
ご用命は、車両中心付近に冷却水が漏れてくるとの事。
エンジンルーム上部からでは特に漏れている箇所の特定はできなかったため下から点検してみます。
ずいぶんエンジンオイル漏れもありますし冷却水もその中に混ざっています。
写真中央部はオイルエレメントケースでオイルクーラーも一体になっているのでエンジンオイルも冷却水も流れる場所となります。
この位置はちょうどエンジンとトランスミッションのつながる部分で車両中央に位置します。
エンジンブロックとの取付面にパッキンを使っているのでパッキン不良が起きている可能性がありますので取り外してみます。
黒いゴムがパッキンです、やはりオイル漏れが酷いのでここが漏れの原因で間違いありません。
しかしよく観察するとさらに重大な不具合が起きていました。
冷却水の水路の部分のパッキンがずれて切れています。
本来パッキンは溝に収まるようになっているのですが溝の外枠部分が割れているためパッキンが外にずれて漏れていたのです。
これではいくら新しいパッキンを入れても水圧で押し出されてまた漏れてしまいます。
残念ながらエレメントケースアッセンブリーでの交換になりました。
原因としてこの周辺の樹脂が非常に脆くなっていたので水圧に耐えられなくなってパッキンが樹脂を割って押し出したものと思われます。
しかし樹脂の劣化は単純に経年で起きたというよりもオイル漏れにより樹脂が侵されて脆くなったのではないかと推測でします。
耐油性とはいえ漏れたオイルが過剰に付着すれば劣化の進行は加速しますし、現に冷却水路のパッキンはオイルで膨潤していました。
現代車はオイルクーラーをエレメントケース付近で行う設計が多いのでこのような漏れなどはどのメーカーでも非常に多いです。
漏れを放置すると2次被害にもつながりますのでご注意下さい。