レクサス IS250(GSE20)のご入庫
ご用命は、信号などで停車しようとするとエンジンがブルブルしてエンストしそうになるとの事
走行距離10万kmを超えているこちらのお車まずはアイドリングの制御がしっかりできているかが問題になります。
このような症状でまず疑わなければいけないところはスロットルバルブの汚れです。
電子制御スロットルバルブでは、スロットルバルブの開閉で吸入空気量を微調整してアイドル回転を調整します。
しかし、エンジンの構造上スロットルバルブは必ず汚れてしまいます。
汚れて吸入空気量が減少した場合は自己学習でバルブを開けて吸入量を確保できるように調整してアイドリングを保とうとしますが、その補正にも限度があるためある一定以上汚れが堆積した場合などにこのような症状として現れるのです。
まず、作業に取り掛かる前にエンジン回転数がどのように変化するか見てみます。
ISC(アイドルスピードコントロール)信号は、エンジン回転をコントロールするためにバルブの開閉を指示する信号です。
エアコンのON/OFFでアイドリング回転数の変化を見ているのですがエンジン回転(赤い線)が上下に不安定なのがわかると思います。
ISCがコントロールしようとしていてもエンジン回転をうまく安定させられないのがわかります。
実際にスロットルバルブの状態を見てみます。
スロットルバルブのふちが真っ黒です。
バルブクリーナーで洗浄するとこれだけ真っ黒なものが取れます。
洗浄後、インテーク内部の汚れを落とすためWAKO'S RECSも施工します。
※RECSは負圧を利用するためスロットルバルブ自体は洗浄することが出来ません。
この時のアイドル回転数は2000回転を超えました。
この車両のアイドル回転数の目標値は650回転ほどですので1500回転以上高くなっていることになります、すなわちそれだけ補正されていたことになります。
学習値をリセットして先ほどと同じようにISCとエンジン回転数の関係を見てみると・・・
エンジン回転数(赤線)がほとんど上下せず安定するようになったのがわかると思います。
とっさの電気負荷やエアコンの入り切りにもしっかりISCは瞬時にコントロールしてエンジン回転を安定させることが出来るようになりました。
このように現代の車両は、自身である程度補正を行い頑張ってしまう為症状が出るのはよっぽど汚れるまでわかりません。
昔のキャブレーターの時代ですと車検などのメンテナンス時に必ず洗浄をしていたものですがコンピューター制御でクルマが賢くなった現在では定期的な洗浄はまず行いませんのでこのような症状が出て訴えかけられることも増えています。
今も昔も、燃料を燃やすエンジンは汚れが出ますので、洗浄などメンテナンスの必要性はあまり昔と変わっていないので注意が必要です。