日産フーガ(Y50)のご入庫
”クランキングがいつもより長い” ”エンジンチェックランプが点いている”との事
まずは故障コードを読み出してみます。
このエンジンはV6エンジンですのでエンジンヘッドが左右にありそれぞれにカムポジションセンサーがあります、B2とはバンク2(助手席側)を表します。
カムポジションセンサーはカムシャフトの角度をモニターするのですが、故障した際クランクシャフトセンサーが代わりを務めることでクランクシャフトの角度を読み出しエンジンを掛けることが出来るのです。
クランクシャフト角度を代替値として読むためクランキングが長くなるのです、もちろんカムポジションセンサーは作動していませんのでそのまま正常には走り続けることは出来ませんので修理は必要です。
カムポジションセンサーを交換しました。
交換後、エンジン不調は解消しました。
しかし、カムポジションセンサーを点検している際、見逃すことが出来ない部分がありました。
これはエアインテークパイプという部品で、エンジンに空気を引き込むものです。
赤四角を見るとビニールテープや液状ガスケットで埋めて補修していました。
残念ながらこの補修方法は恒久的なものではありません、あくまでも応急的なものでなければなりません。
この部分が、破けて外部から空気が入った場合、測定した吸入空気量に差が生じて空燃比が狂いエンストやエンジン不調を起こすのです。
エアマスセンサーは、エンジンに取り込まれる空気量を正確に測定します、その空気量に対してコンピューターは適正な量の燃料を噴射する仕組みになっています。
ですから、エアマスセンサーよりも下流(エンジン側)で割り込まれると測定した空気量よりも多くの空気がエンジンに入り、燃料が薄い状態になりエンストなどの不調に結びついてしまうのです。
このエアインテークパイプのジャバラが破けているというのはご法度なのです。
日産からの部品供給が写真のようなアセンブリーであったため部品代が高額だったのがこのような対策になっていた原因かもしれません。
カムシャフトセンサーも当然修理が必要でしたが、インテークのトラブルもここまで破けているのは もうごまかせない状況でした。
単に不具合が出ている悪いところを診るだけでなく、ほかにも今後起きるかもしれない不具合が無いか診ることも大切なことです。