ニッサン モコ(MG33S)のご入庫
ご用命は、他店では走行距離が伸びているため断られたCVTフルードの交換です。
走行距離12万kmを超えてしまっていますが、交換しなくて良いとは思えないので他店に行ったそうですが距離が伸びているため断わられ当店のブログをお読みになりご来店されました。
交換履歴もよくわからないので、交換方法をよくご説明してオイルパンを外して慎重に作業を行います。
抜いたフルードもご覧の通り
走行距離も伸びて当然各部分摩耗もしています、そこで高性能CVTフルードを使用することで性能低下分を補います。
交換作業で特に重要なのは油量の管理です。
メーカーごとに適正温度も測定方法も違いますので特に注意が必要になります。
当店では、距離が伸びてしまった場合は今回のようなオイルパンを外してでの交換をお勧めしています。
自動変速タイプのトランスミッション(AT・CVT・DCT)のフルード交換について様々な意見がネットでは飛び交っています。
マニュアルミッションよりも複雑であるが故、故障が多いのも事実です。
ただ、それが本当にフルード交換がきっかけで起きたものなのか?そうではないのか?はよほどの検証を行わない限りはわからないハズなのですが一つの経験・結果だけで検証もせずネットに書き込まれてしまう時代、何が本当なのか分からなくなるほど情報が錯そうしています。
当店のブログでも、ミッショントラブル事例は幾度となくご紹介していますが電子的な故障以外で、フルード交換が引き金になったトラブルは人為的なミスが原因であることがほとんどです。
※注意:もともと不具合を抱えているミッションに対してフルード交換して改善するか試してみるということもありますがそれはあくまでも元々悪いものが良い方向に行けばよいよね という程度のもので交換して悪くなることも大いにあるという承諾の元に行われますのでそのような事例は除きます。
ミッションのフルード交換は、交換方法を間違えれば簡単に壊すことが出来ますので細心の注意が必要です。
細心の注意と大袈裟に言っても、内部に発生している汚れをなるべくかき回さずに外部に廃棄して制御にエラーを起こさせないようにするとか、フルードレベルの調整は設計時点でかなり緻密に計算されている物なのでしっかり調整できているか等、整備士としてはごく当たり前のことを丁寧に行うだけなのですが、他店(ディーラも含む)にて交換された後調子がおかしくなったという話(リンク)は、本当によく聞く話です。
いかに、当たり前のことが出来ず故障を呼び込むようなことが世間では多く行われているかということです。
フルード交換に関してはメーカー・車種によってそれぞれ調整が違ったり使用するフルードも違います。
当店でもすべてのメーカーや車種に関してフルード交換を網羅しているわけではありませんし、メーカーが整備書に記載している方法が本当にベストなのか もっと良い方法が無いか等、日々考え行っています。
※メーカーによってはいまだに無交換を謳っているものもありますので。
当たり前のことをしっかり行うようにするためお待ちいただいてでのフルード交換はお受けしておりません。
※温度管理が低い車両はフルード温度を常温近くまで下げなければなりません。
最低でも朝から夕方までの一日お預かりさせていだだきます。
よくご質問を受けますので、気になっている方は過去のブログをお読みになって参考にしてください。