栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 セレスピード・デュアロジック アルファロメオ

アルファGT 2.0JTS セレスピード ギクシャク?

アルファロメオ アルファGT2.0のご入庫

ご用命は、
”購入したばかりだがセレスピードがギクシャクするのでセレオイルの交換などをしてもらいたい”
”セレスピードがどんなフィーリングが正常なのかわからない”
との事でした。

このようなお話はよく聞くことです。

セレスピードはギクシャクすることが当たり前で、”その気難しいシステムを乗りこなす事こそアルファ乗り”だなどと購入先に言われたという話をよく耳にするのですが、実際には間違った情報でありセレスピードの評価をさらに下げる話で非常に残念です。

正常な状態のセレスピードはCityモードで走ってもギクシャクするような自動変速はしませんしマニュアルモードではパドルシフトで気持ちよく操ることが出来るのが本来の姿です。

今回もご来店されお客様と同乗してテスト走行すると、とてもじゃありませんが走れるような状態でないことがすぐにわかりました。

それにエンジンのチェックランプも点灯していますし、車両からガソリンの臭いが漂っています!

セレスピード自体の故障うんぬんよりもエンジンやそのほかの点検修理が必要であることをお伝えして緊急入院してもらうことになりました。

まず、ガソリン臭は定番故障である燃料ポンプからです。

昨今の車両はどのメーカーでもインタンク式のこのような形状のものを使用しています。ケースが樹脂で作られているため割れて漏れ出すのです。危険な故障ですのでここの交換は最優先です。

次に、診断機を当てて先ほどのチェックランプがなぜ点灯したのか読み出します。

故障コードがたくさん記憶されています。
P0300/0302/0303これはミスファイヤーと言って回転にばらつきがあった場合記憶されます。
P1172/1173/1175/1176これはO2センサー系統の異常を表しています。

しかしミスファイヤーにしろO2センサー異常にしても同時多発的に検出する場合は大元の空燃比などに異常があることが多いです。
※故障コードを鵜呑みにせず検証することが大切です。

空燃比とは混合気の濃さを表します。空燃比エラーの要因は様々ですがもしかしたら燃料ポンプが漏れているため燃料の圧力が低く空燃比が薄くなった可能性も在ります、しかしそれにしても走れないほどエンジンがばらつくのはおかしいです。

エンジンルームを点検するとその答えはすぐに出ました。

エアインテークホースが破けています!!

2カ所破けていて片側はテープが巻いてありましたので前のオーナは既知故障だったようです。しかし別の部分も破けてしまっていました。

エンジンに入る空気量はエアマスセンサーで計測します。エアマスセンサーからの信号を元に燃料の噴射量を決める重要なセンサーです。

インテークホースが破ければ計測した量よりも余分な空気が割り込まれるため適切な空燃比にならず調子が悪くなるのは当然のことです。

結果、エンジンの出力が安定せずギクシャクした走行になっていたのでした。

燃料ポンプを交換

エアインテークホースを交換

 

エンジンが正常になったところでようやくセレスピードの点検を行います。

セレスピードユニットから若干オイル漏れが起きてはいますがクラッチロッドの調整とキャリブレーションでかなり良い状態になりました。

しかしクラッチのストローク量がかなりずれていたので近いうちにクラッチオーバーホールが必要です。

 

今後もメンテナンスを行ってほしいところをよく説明して退院して頂きました。

アルファロメオのセレスピードは初期の発売から10年以上たちます。本来の姿を知らない方が乗られていることが多いのが現状です。

それにセレスピードの故障は多岐にわたるためその故障修理のノウハウを知らない修理屋さんも多いのが実情です。

アルファロメオは自動変速をさせることを一番の目的としてセレスピードを開発したわけではなく、クラッチ操作をしなくてもスポーツ走行を楽しむためのシステムと考えています。
※現にATの設定車両もあります。

スポーツ走行を楽しめるようなシステムが操作が難しくギクシャクしているようでしたらそれはすでに故障していると考えてください。

調子の悪さをイタリア車だからこんなものと言い聞かせて乗るのは辛いものです、本来の姿は非常に操ることが楽しい車たちなのです。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ミツビシ パジェロミニ(H56A)ブレーキペダルが重い

ミツビシ  パジェロミニ(H56A)のご入庫 ブレーキペダルが重くてかなり強く踏まないと止まらないのと、ブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するとの事。 ブレーキペダルにはマスターバックと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力で強くブレーキが効くようになっています。 このマスターバックが壊れると倍力装置が働いていないわけですからかなり強く踏み込まない限りブレーキは効かず車両を止めるのは難しくなります。 次にブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するという不具合ですが、これもマスターバックの故障に起因します。 ...

続きを見る

スマート フォートゥー ワイパーリンク脱臼

スマート フォートゥーのご入庫 ワイパーが動かない、何か前のほうから動いている音だけがするとの事 入庫時ワイパーアームは動きませんがワイパーモーターの作動音は聞こえるのでこの音のことをお客様はおっしゃっていたようです。 このような場合ワイパーモーターから先のリンクに異常があることがほとんどです。 分解していきます。 ワイパーリンクは隙間から見えていますが外すことはできません。   いろいろ外してようやくワイパーリンクを取り外しました。 リンクのジョイント部分がさびて外れてしまっています。 樹脂のブッシュが ...

続きを見る

トヨタ プリウスα(ZVW40) エンジンがガタガタする

トヨタプリウスα(ZVW40)のご入庫 エンジンチェックランプが点灯してエンジンがガタガタするとの事。 チェックランプが点灯しているので故障コードを読み出します。 ・P0401 EGR流量不足 を検出しています。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは排気ガスの一部を吸気側に戻して最高燃焼温度を下げるなど行うシステムになります。 EGRガス流量にエラーがあると検出しました。 まずは排気ガス流量をコントロールするEGRバルブを取り外して点検します。 バルブが見事に開きっぱなしで固着 ...

続きを見る

ゴールデンウィーク期間の休業日のお知らせ

ゴールデンウィークは4月27日(日曜日)から5月6日(火曜日)の間お休みとさせていただきます。

続きを見る

VW シャラン ガソリン混入による空燃比エラー

VW シャランのご入庫 エンジンチェックランプが点灯して回転も不安定でエンストを起こしたそうです。 故障コードを確認すると空燃比リッチエラーを検出 空燃比とはガソリンと空気の割合のことでここを適正に制御することでエンジンをスムーズに回すカナメのものになります。 今回、リッチによるエラーということは、ガソリンが空気よりも多く濃い状態になったことを表しています。   ガソリンが濃くなってしまう症状を考えていかなくてはなりません。 燃料噴射装置であるインジェクターの不良や燃料圧力の適正値エラーなどが考 ...

続きを見る

営業時間、営業日変更のお知らせ

2025年4月より第2土曜日を休業日とさせていただきます。 4月以降の休業日は、日曜、祝日及び第2土曜日となります。 ご不便をお掛け致しますがよろしくお願いいたします。 なお営業時間は、平日は9時から18時 土曜日は10時から18時となります。 お預かりおよびご返却に関しては上記以外のタイミングも可能ですので要ご相談とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。

続きを見る

BMW X5(F15)エアサスペンション パンク

BMW X5(F15)のご入庫 走行中、何か後輪がゴツゴツする感じがするとのこと。 原因は一目瞭然このような姿勢になっていればゴツゴツするのも当然です。 車体後部が大きく下がってしまっています。 これはエアサスペンションがパンクしてしまっているため空気バネであるベローズ(エアスプリング)がつぶれてこのような姿勢になっているのです。 この状態は後輪にバネが無い状態と同じですので路面からの衝撃がダイレクトに伝わりゴツゴツしてしまいます。 ベローズはこのような形をしていて一見するとなにもおかしな感じはしません。 ...

続きを見る

BMW750(E65) パーキングブレーキユニット破損

BMW750(E65) 電動パーキングの警告灯が点灯してパーキングブレーキが掛からないとのこと。 現在、電動パーキングブレーキは軽自動車なども含めて多くのモデルで採用されていますが、この車種の時代では一部の上位モデルで採用され始めた時代のものになります。 電動モーターユニットがトランク内にありモーターが回りギアを回してワイヤーを引いて後輪のキャリパーを聞かせてブレーキするシステムになっています。 しかしユニット内部の歯車が破損してしまうことで作動できなくなるというトラブルが起きます。 実際ユニットを外して ...

続きを見る

VW アルテオン フューエルフィラーリッド開かない

VW  アルテオン 給油口が開かないとのことで入庫しました。 この車両はフューエルリッドに電磁ロックがかかるようになっているのですが解除できません。 正常な状態はリッドを軽く押すとこのように開くようになっています。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20250125_103118.mp4   電磁ロックはアクチュエーターで作動させますが、アクチュエーターが悪くうまく作動しないというトラブルは比較的多く、アクチュエーター付近を叩いたりすることで動いてくれることが多いのですか ...

続きを見る

”直前直左視界確認”ご存知ですか?

自動車の法律保安基準の中に”直前直左視界確認”の項目があることをご存知でしょうか? あまり聞きなれない言葉かもしれませんがSUVなど車高の高い車両で、背の低い子供が車両の直前や直左(助手席下部)の死角に入ると見えず危険な事故につながります。 そこで車両直前や運転席反対側死角になる部分を運転手が確認することが出来るようにしなさいという法律になります。 法律的に平成19年1月以降の製作車両に取り付け義務が施行されています。 一般的にこのようなミラーが多くデザインがイマイチでかっこ悪いと思われて取り外す方もいら ...

続きを見る

-故障修理・整備, セレスピード・デュアロジック, アルファロメオ

© 2025 増高自動車工業有限会社