ホンダ フィット(GD1)のご入庫
ご用命は、”信号などで止まった後、発進するときガタガタする”との事です。
これは、この当時のホンダ車の定番の不具合でミッション内部のスタートクラッチのジャダーという症状です。
停車状態から発進した際に、ガッガッガッと振動が発生する症状で本田技研自体もこれに対する対策法を指示しています。
基本は、ミッションフルードの交換とすり合わせという作業を合わせて行います、しかしこれでも改善しないようだとスタートクラッチ自体の交換が必要になってしまいます。
こちらのお客様も、10万kmを超えていますのでもしかしたらすり合わせ自体が危険かもしれません(ミッションが滑ったりして壊れる可能性がある)とご説明の上で作業を始めます。
まずは、ミッションから古いフルードを抜きます。
ご覧の様に真っ黒で透明度ゼロの状態でした。
ドレンボルトには磁石が付いていますが鉄粉の付着量が酷いです。
使用するフルードは、ホンダ純正HMMF(ホンダマルチマチックフルード)です、このフルードはこの症状の対策品ですので、不具合改善のために他社適合品もありますが今回は使用しません。
次に新油を給油してすり合わせ作業を開始します。
①Dレンジに入れてブレーキを踏みながらアクセル全開を3秒
②Nレンジで3000回転で20秒
①と②を2回
③Rレンジに入れてブレーキを踏みながらアクセル全開を3秒
④Nレンジで3000回転で20秒
以上を1セットとして2セット行う、その後エンジン停止して20分間放置 (新油をクラッチ板にしみこませる)
再度フルード交換を実施
一度交換してもこれぐらい汚れています、写真ではわかりづらいですが透けて見えるようになっています。
新油がこちら
再度フルード交換後、実走行してスタートクラッチ・フィードバック・メモリの学習を行う。
完全暖気後、平坦路、無負荷で60km/hまで車速を上げ、5秒以上アクセルをOFFにする。
フルードレベルを調整
一度冷ましたうえで冷間時のジャダー確認をして作業終了です。
今回は、無事にジャダーを消すことが出来ました。
他社ではスタートクラッチのようなシステムを使用していませんので、この当時のホンダ車特有の不具合となりますがフルードの汚れを見ていただければわかりますが、鉄粉などがこれだけでますし、もちろんフルード自体の劣化も大きく左右してきます。
フルード(オイル)は汚れたもの(劣化)を使えばそれだけ部品を痛めます、症状が出る前になるべく早い段階でメンテナンスして、ダメージを減らすことをお勧めします。
ホンダ車以外でも、AT・CVT・DCT問わずフルードを使っている以上交換は必ず必要になってきます、交換時期などご質問がありましたらお気軽にどうぞ。