FIAT500の1200cc車と1400cc車のタイミングベルト交換が重なったのでご紹介いたします。
国内導入のフィアット500は、1200cc(OHC)・1400cc(DOHC)・900cc(ツインエア)の三種類が存在しますがツインエア以外はタイミングベルトを採用していますので、定期的な交換は必要となります。
まずは1400cc搭載車です。
ツインカムエンジンとはいえタイミングベルトで駆動しているのはエキゾースト側のカムシャフトのみになります。
カムシャフトをSST(特殊工具)で固定したうえでタイミングを合わせて交換します。
年数も経ってきていますのでオイルシールの交換も必須です。
こちらのお車最近中古車で購入したばかりで、タイミングベルトの交換履歴がわからなかったそうですがラジエーターの冷却水漏れがあったため、不安箇所を払拭するため同時に交換することになりました。
外したベルトはこの通り
ベルトの背面がヒビだらけです!危険な状態でした。
2008年式/5万km走行ですが、一度も交換していなかったようです。
ウォーターポンプも交換して冷却水も抜くので同時にサーモスタットも交換しました。
この2点も、タイミングベルト同様の寿命です。
お次は、1200cc搭載車です。
こちらも、2008年式/7万km走行で交換履歴がわからないため交換になりました。
取り外したタイミングベルトは先ほどと同様、劣化によるヒビが酷いです。
こちらの方が若干劣化が酷く見えるのは距離が伸びているからかもしれません。
先ほどのお車と同様、サーモスタット・ウォーターポンプも同時に交換です。
内部に錆が発生しています。
サーモスタットもよく壊れる部品ですので定期的な交換が必要です。
どちらのお車も、結果としてタイミングベルト交換を行って正解でした。
FIAT社のエンジン設計は大変効率的で、排気量が違ったりしても使用している部品はほとんど変わりません、それゆえどのモデルでも同じようなタイミングで部品の寿命は訪れます。
当店での推奨交換 サイクルは、”4年もしくは4万km走行ごとのどちらか早い方”としております。確かにこれよりも長くても大丈夫だという方もたくさんいらっしゃるのですが、まれにこれよりも短い期間で切れたり漏れたりといったトラブルがあったため、このように推奨をしています。
国産のタイミングベルトの推奨サイクルに比べると非常に短くて違和感を感じる方もいらっしゃると思いますが、欧州と日本ではタイミングベルトに対する耐久性や点検の仕方など考え方が違いますので仕方がありません。
タイミングベルトの交換サイクルに関してはこちらのリンクもご覧ください
メンテナンスフリーで手のかからない子よりも、手のかかる子ほどかわいいと思うのも幸せなのではないでしょうか?