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ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ホンダ

ホンダ ステップワゴン(RK5)加速しない

ホンダ ステップワゴン(RK5)のご入庫

ご用命は、”エンジンチェックランプが点灯して加速しなくなった”との事

エンジンチェックランプが点灯したとの事なので診断機で故障コードを読み出します。

P2646 VTEC油圧回路の異常を検出しました。

VTECとは、エンジンのカムシャフトを回転により切り替えるシステムなのですがエンジンオイルの油圧を利用して行います。

その油圧回路がおかしい?(油圧を電圧にして読み出しています)と車両は故障を訴えているのです。

電気的におかしいのか?物理的に油圧が上手く掛からないのか?振り分けなければなりませんのでまずは、エンジンオイルが規定量入っているのか点検します。

すると、オイルゲージにオイルがつきません。規定量よりはるかに少ない状態です。

オイルを継ぎ足して規定量に合わせて走行テストを行ってみると先ほどの故障コードは検出しませんし加速状態も良くなりました。

どうやら、エンジンオイルが少なくポンプが上手く吸えない状態が瞬間的に起きて油圧で作動させるVTECシステムが正常に作動できなくなったことでエンジンチェックランプ点灯したようです。

これで、一件落着です。 

 

というわけにはいきません。

 

エンジンオイルが少なくなった原因を探らねければなりません。

こちらのお客様、前回エンジンオイル交換してから距離6000km/3か月前に交換と決して異常なほどオイル交換を怠っていた訳ではありません。

下廻りから確認しても、オイル漏れは見当たりませんので解せません。

ひとまず、エンジンオイルを交換して規定量MAXにしっかり合わせた上でエンジンオイル消費量を測定するため3000km乗っていただくことにしました。

 

3000km走行後

エンジンオイル量を点検しますと、ゲージレベルのLOWレベルを下回っています。

ゲージはMAX~LOWまででおおよそ1Lと言われています。そうしますと3000kmで1L以上エンジンオイルを消費してしまったことになります。

国産車でこの減り方は明らかに異常なレベルです。

 

オイルの減少はエンジン内部で燃焼してしまったと考えられるのですが、メンテナンス不良でもなければ早々ここまで悪くなることはありません。それにエンジンを分解しての修理は大変費用が掛かることです。

そこで、車両が比較的新しいお車ですので自動車メーカーでこのような故障事案を把握して対策をしていないか調べてみます。

ありました!!

本来、5年までしか保証期間が無いものが、部品不具合として9年まで保証延長で拡大されていました。

まさにこれです!平成22年式でまだ7年ですのでOKです。

ディーラーに問い合わせたところ、対象に当てはまる車両ですので無償で修理を行ってもらえることになりました。(´▽`) 

対策内容は、エンジンを下ろしてピストンとピストンリングを対策品と交換したそうです。

この部分が悪くなり、オイルをシリンダーから掻き落とせなくなり燃焼室にエンジンオイルが入り燃えてしまったのが今回の故障の本当の原因でした。

高額修理になるところを、無償で修理が出来てお客様はほっと胸をなでおろしていらっしゃいました。

 

実は、ピストンとピストンリングの不具合は最近どのメーカーにも同様の不具合が発生しています。

なぜ、このようなことが最近多いのかというとそれは燃費競争が主な原因です。

ピストンはシリンダーと呼ばれる筒の中を上下に摺動するのですが、その摺動を軽くするためにピストンリングの張力を下げたり、面積を減らしたり、形状を工夫しています。

摺動が軽くなれば抵抗が少なくなりますので結果として燃費はよくなります、その燃費改善は実はわずかなのですがそのわずかの差をメーカーは争っているのです。

結果、初めのうちは燃費もよく調子が良いのですが、汚れてきたり張力が落ちてくるとオイルを掻き落とせ無くなりオイルを燃やしてしまい今回のような故障を引き起こします。

 

チェックランプ点灯から始まった不具合でしたが、全く違う修理にたどり着きましたが、これも修理工場でこのような不具合事例の探索をしてくれ無ければお客様は実費修理になる可能性も在りますし、いくら保証延長でも5年が9年に伸びただけですので9年を超えればもちろん実費修理となります。

最近では車両の買い替えサイクルは昔より伸びているそうですが、単に乗れれば良いのではなく、よい調子を保ちながら長く乗らなければ意味がありません。

自動車メーカーも競争が激しいのはわかりますが、燃費争いに夢中になって質の良いものを提供しなくなれば、ユーザーも離れてしまうことをそろそろ考えなければいけないのではないでしょうか?

 

 

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