ダイハツ ムーブ(L902S)のご入庫。
ご用命は、"何か加速しない気がする"とのこと。
以前こちらのお車イグニッションコイル不良でご入庫したことがあるのですがどうやらそのときとは違う感じだそうです。
早速、試乗して現象を確認します。
エンジンにばらつきは無く、ミッションも正常にシフトしています。
ただ、全体的にエンジンの加速がもっさりして坂道ではアクセル全開でないと進まない状態でした。
現象からしてターボが効いていないようです。
ターボの羽(タービン)を触ってみるとやっぱり回りません。
焼きついています。・°・(ノД`)・°・
※中央奥 タービン本来なら軽やかに回るものだがまったく動かない状態
※ターボとは排気ガスで風車のような羽根を回すことによって同軸上の風車を回し、空気を圧縮して強制的にエンジンへ空気を送り込みエンジンの力を上げる装置
リビルトのターボチャージャーにお取替えします。
しかし、単にターボチャージャーだけ交換しただけではだめです。
なぜ、壊れたのかを検証しなければなりません。
こちらのお車、少しエンジンオイルのメンテナンスが悪いようです、ターボの羽(タービン)は何十万回転もの勢いで回転します。
もちろん排気ガスの圧力でまわすので高温にさらされますので、軸の部分のオイル・冷却水での潤滑・冷却はとても重要なことです。
オイルが悪いまま使ってれば軸の潤滑不良で今回のように焼き付き羽根が回らなくなってしまうのです。
エンジンオイルのメンテナンス不良が今回の原因のひとつであることは間違いありません。
今回は、単にオイル交換では汚れは取れず再発の恐れがあることから即効性のフラッシング剤で洗浄を行った後、さらにこちらを添加しました。
WAKO’S FV(フォアビークル)
こちらは、清浄・分散性能に優れ、エンジン内部の汚れをゆっくり落とす効果がある事と、潤滑性能に優れているのでターボなど過酷な条件の中でもタービン軸の保護効果が期待できます。
さらにオイルメンテナンス以外にもターボの不具合を引き起こす要因はたくさんあるので全てチェックしなければいけません。
まず、ターボにオイルを循環する為のパイプ(油路)ここも汚れて詰まればオイルが流れないので焼きつきを引き起こします。もちろんここも
清掃か交換をします。
また、見逃してしまいがちなのはブローバイガスの流れが正常か?ということもチェックが必要です。
詳しい説明は省きますが、ここがうまくいかないとエンジン内部の圧力が上がりオイルが戻れなくなり循環不良を起し焼きつきの原因になります。
このように、不具合を起した部品だけ交換するのではなく、壊れた背景を検証しなければまた同じ不具合を招いてしまいます。
いつも、ブログでお話しているメンテナンスがいかに重要なのかお分かりかと思います。
昨今流行のダウンサイジングエンジンは排気量を落としターボなどの過給機を搭載しています、エコカーとはいえ、メンテナンスを怠れば、燃費も悪くなりますし故障もします。
どんなお車でも適切なタイミングでのメンテナンスは必須です!!