アルファロメオ155ツインスパークのご入庫
トランクのヒンジ部の配線故障が原因で配線修理を行い各電装の動作確認を行ったのですが、灯火類に関してはすべて正常に作動するようになったのですがトランクの開閉を行う電磁ロックが全く作動していません。
お客様にお聞きすると以前から動かなくなっていて、ずいぶん前に他店で診てもらったことがあるそうなのですが直せなかったそうで不便ですがカギを使用して開けていたそうです。
トランクヒンジ部にここのロック配線も通っており関連もあるかもしれなので点検を進めると、ロックユニットにつながる配線が焼損しているのを発見しました。
原因は配線がトランクパネルの鉄板のエッジ部と擦れて配線被覆が剥けたことでアースにショートを起こし配線被覆が燃え落ちていました。
ここは先に修理したヒンジ部分を通ったあとの配線ですのでヒンジ部でのショートとは関係ありません。
アースにショートして完全に配線の被覆が焼け落ちてしまっています。
焼損した配線を作り直したところ電磁ロックは正常に作動するようになりました。
この車両はグローブボックス部分にあるスイッチで開けることが出来ます。
このような多重的に電気不具合が起きましたが何とか正常に作動するようになりお返ししましたが数か月後またエンジンがかからず動かなくなったと連絡が・・・
オーナー様がバッテリー端子に触れたところ何事もなかったように正常に作動するようになったとのこと。
バッテリー端子を点検します。一見ちゃんとついているようですがゆするとこのように動いてしまします。
このように動てしまうようですと接触が甘くうまく通電できません。
ただ端子自体の変形が激しく締め付けても動いてしまうため、端子と配線を引き直すことにしました。
純正よりも配線も太くして、ターミナルも新しいものに交換することで安定した電気の流れが出来るようにして組付けて完了です。
この時代のイタリヤ車のクオリティーの問題もありますが経年的な劣化や振動による擦れなど様々な要因が重なって多重的に不具合が起きました。
故障部位自体はバラバラでしたので症状が出た時点でそれぞれを対処していかなければなりませんが、時間と費用が掛かりますのでオーナーの根気も必要になります。