アルファロメオ155ツインスパーク
前回、ABSモーターが回りっぱなしになる不具合の修理をご案内しましたが、その際右後ろのストップランプの不灯火の指摘も受けていました。
単なる電球切れかと思われましたがユーザーもすでに電球を交換して球切れではないことは確認済みとのこと。
実際、点検しても電球は切れておらず点灯させる電気が電球まで来ていないことが確認できました。
そこで電源側のヒューズを点検するとヒューズが切れていました。
ヒューズを交換して一件落着かと思いましたが、交換してもブレーキランプは点灯しませんし今度はヒューズも切れません?
先ほどの電球部分にもやはり電気は来ないままですので電気回路のどこかに不具合がありますので本格的に故障探求を行う必要があります。
本格的に調べるには配線図が必要でこれをもとに回路を点検していきます。
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車両後方から辿っていくとヒューズボックスにたどり着きます。
ヒューズボックスから右ブレーキランプへ向かう電気が出力されているか点検しますが出ていません。
ヒューズが切れてないで電気が来ないのですから、ヒューズボックス内部で何かが起きていると判断できますのでヒューズボックスを取り外して分解してみます。
内部はプリント基板になっていますが、一部が焦げており、たどるとやはり右ストップランプの経路でした。
基盤の修復を行ったところストップランプは無事に点灯するようになりました。
これで一件落着と思いましたが、そうは簡単には済みませんでした。
車両を移動させるため動かしてしばらくすると車両メーターが全く映らなくなりました。ブレーキランプもまた点かなくなっていますしヒューズを確認すると先ほどのヒューズが切れていました。
ヒューズを入れ直してもすぐに切れるわけではないので、切れるタイミングが何かあるようなのです。
テスト走行をしばらく行いヒューズが切れるタイミングがわかりました、それはバックに入れた時に症状が現れることがほとんどなのですが常に切れるわけではないようです。
常にヒューズが切れるわけではないようで頭を悩ませますが、バックに関連する後退灯になにかありそうなので後退灯を点灯させながら点検を進めるとトランクを開けた時にヒューズが切れました。
ヒューズの開閉に関連する配線はヒンジ部にありますので配線を点検すると原因はそこにありました。
ヒンジ部の配線の被覆が剥けて隣り合った配線と接触によるショートでヒューズが切れたのです。
バックしたときに被覆が剥けた配線の接触具合でショートするときとしない時があったようで、この部分の配線を直してようやくヒューズ切れおよびブレーキランプ不灯火も解消しました。
お客様に過去の修復歴を聞くとヒューズボックスを他店で交換したことがあったとのことでしたが、もしかしたらこの配線ショートが原因でヒューズボックス内の焼損が起きたのかもしれません。
この不具合も解消しましたが、この車両の電気不具合はまだ続くのでした・・・