ミツビシ パジェロミニ(H56A)のご入庫
ブレーキペダルが重くてかなり強く踏まないと止まらないのと、ブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するとの事。
ブレーキペダルにはマスターバックと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力で強くブレーキが効くようになっています。
このマスターバックが壊れると倍力装置が働いていないわけですからかなり強く踏み込まない限りブレーキは効かず車両を止めるのは難しくなります。
次にブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するという不具合ですが、これもマスターバックの故障に起因します。
そもそもマスターバックの倍力作用はどのように行っているのでしょうか?
それは負圧と大気圧の圧力差を利用して倍力作用を行っています。
マスターバックは負圧室と大気圧室とに分かれていてその圧力差が大きくなればなるほど少ない踏力でマスタシリンダーを押すことが出来ます。
負圧はエンジンの吸気負圧を利用していますが、マスターバック内部のダイヤフラムが破けたことで大気圧がエンジン側に吸われてしまったことで吸入空気量が増えてエンジン回転も上がってしまいました。
当然、差圧が無いのでブースターとしても機能していません。
ほとんどの車両ではこのようにマスターシリンダーの付け根にマスターバックはあります。
取り外すとこのような形状をしています。
マスターシリンダーも少し漏れ出していた為インナーキットを交換してオーバーホールしました。
マスターバック新品は高額であったため中古品を使用しました。
そうそう壊れる部品でもありませんが30年経過したことで劣化してしまったと思われます。
マスターバックの故障は想像以上にブレーキを効かせることが難しい踏力になってしまうため、違和感を感じたら早急に修理するようにして下さい。