マツダ RX-8
走行中、クラッチが切れなくなったとの事で積載搬送されました。
クラッチペダルを踏み込んでも何か変な抵抗があり、クラッチを完全に切ることが出来ずギアもうまく入りません。
以前からクラッチペダルの操作力が大きくなっているのでオーバーホールの時期であることをお知らせしていましたので、クラッチシステムに何か異常が起きていることは間違いないのでクラッチオーバーホールを行うことになりました。
トランスミッションを降ろしてクラッチシステムを見てみると・・・
レリーズベアリングが粉々に飛び散っていました。
レリーズベアリングが焼き付いてバラバラになったことでクラッチ操作が出来なくなったのです。
クラッチ板はまだ残っていましたので一般的な滑り症状とは違います。リンク
走行距離18万㎞台で初めてのオーバーホールですのでクラッチの操作自体は上手でクラッチ板の摩耗は抑えられたものの、ベアリング自体が使用限界を超えてしまったものと判断できます。
せっかくミッションを降ろしてでの作業ですので、ベルハウジング内は徹底的にメンテナンスを行います。
まずはエンジン側のオイルシール交換。
フライホイールは平面研磨を行います。
平面の研磨作業を行うことで新しいクラッチ部品のなじみもよくなりますし、ジャダーの発生も防ぐことが出来ます。
トランスミッション側はフロントオイルシールの交換とベアリングガイドにも摩耗が起きているので交換します。
レリーズベアリングが摺動する重要なところですので、この部品の供給があるミッションでは交換しておきたい部分です。
※この部分がベルハウジングと一体のタイプもあります。リンク
この部品の裏にはトランスミッションのインプットオイルシールがあります。
オイルシールを新しくすることでミッション側からのオイル漏れも予防します。
ベルハウジング内を徹底的にメンテナンスをした上でミッションを組付けてクラッチオーバーホール完了です。
クラッチの摩耗に関してはクラッチペダルの操作力やミートポイントの変化など症状が現れます。
おおむねこのような症状が出てきた場合、クラッチ板の摩耗による滑りだけでなく他の部品も限界を迎え今回のような破損に至ることが多いです。
大きな作業ですのでミッションを外してできる部分の交換はこの時にしておくべきです。