ルノー メガーヌⅢRSのご入庫
エアコン(冷房)が効くときと効かない時があるとの事。
ご来店時は効いているとの事で確かに冷たい風は出ていました。
しかし冷媒ガスのメンテナンスは行った記憶が無いとの事でしたのでまずはガス量が適正なのかを確認するために冷媒ガスのメンテナンスを行うことにします。
冷媒ガスを車両から専用機に抜き出して測量すると規定値510gに対して320gしか回収できませんでしたので190gほど減っている状態でした。
これは漏れているというよりもゴムホースやジョイント部分からわずかに大気に放出してしまうための減少と思われます。
規定のガス量を入れ直してエアコンの効きを確認すると先ほどよりも冷たく冷えることが確認できました。
まず冷媒回路はこれで正常なようですのでお客さんの指摘しているような全く効かない時があるか様子を見ます。
するとしばらく正常に作動しているようだったのですが突然冷房が効かない状態になりました。
診断機をつないでエアコンシステムの状態を確認するとコンプレッサー作動を指示していないことがわかりました。
これは車両がコンプレッサーを回さないようにしているので、何か回させない条件があるものと思われます。
エアコンシステムのステータスを確認すると気になる数値が見られます。
これは室内のエバポレーターの温度をモニターしているのですが温度がマイナス2℃を示しています。
外気温30℃位の時にコンプレッサーが作動していない状態でマイナス温度を指示するのは明らかに異常です。
温度センサーの配線に触れるとマイナス温度表示がプラス20℃や30℃と変化しますのでどうもこのセンサーの異常が原因のようです。
ユニット内部の温度を見るためのセンサーですが新しいセンサーに交換します。
交換後は正常に温度をモニターするようになりました。
今回は温度センサーが”エバポレーターがマイナス2℃になった”と誤測定したため凍結防止のためコンプレッサーの作動を止めてしまい冷房が効かなくなりました。
電気的な不具合でしたが、エアコンの点検では冷媒ガス量が非常に重要になりますので、まずは冷媒ガスが正常な量入っているという状態で点検を進めていくことが不具合原因探求の近道になります。