ルノーカングーⅠ
エンジンの調子が悪いとの事で積載搬送されました。
エンジンはエンストするほど回転が不安定な状況。
診断機を使用して故障コードを読み出します。
故障コードでは2番と3番シリンダーの回路故障と失火を検出しています。
実際にパワーバランスを診ても2・3番シリンダー両方とも反応がなく失火しており1・4番シリンダーの2気筒でギリギリ掛かっているようです。
ガソリンエンジンの3要素の火花を診ても2・3番シリンダーは火花が出ていないようなので火花が出なくなる要素を探求していきます。
まずは点火系統の末端部分であるスパークプラグとイグニッションコイルですが正常に作動している1・4番と入れ替えてみますがやはり2・3番シリンダーは作動しませんので2・3番シリンダーの電気回路に異常があるようです。
配線図でどのような回路か確認すると1・4番/2・3番シリンダーで同時点火させているようです。
配線図をもとに配線損傷など確認しましたが異常はありませんでした。
2次電圧もオシロスコープで測定すると2.3番シリンダーはかなり低いので点火指示が出来ていないのは間違いありません。
1.4番シリンダー正常値
2.3番シリンダー異常値
配線や電源など問題ないとすると残るはコンピューターです。
点火コントロールはエンジンコンピューター内部で行われているようなので配線など外的要素が無ければコンピューター基盤で何かが起こっていると判断できます。
エンジンコンピューターは製造廃止になっていますので現品修理が出来るかコンピューター修理業者に相談したところなんとか直せるかもしれないとの回答でしたので修理依頼しました。
何とか修理が出来たとの事で車両に取り付けると正常に作動するようになりました。
コンピューター制御の車両でのコンピューター故障は部品の供給問題と供給されていたとしても非常に高額な部品になることが悩みの種で、さらに現品修理が出来る業者も限りがあるのでそちらも非常に頭を悩ますことが多い修理になります。