トヨタ ランドクルーザープラド(78)のご入庫
エアコンの風が出ないとのこと。
確かにエアコンの風量スイッチを操作してもすべての段数で風は出ません。
助手席足元にブロアファンを回すモーターがあります。
モーターを小突くと弱弱しくファンモーターが回りだしました。
どうやらモーターの寿命のようですので、ブロアファンモーターを交換します。
壊れたモーターからはブラシのカスが大量に出てきましたので完全に寿命を迎えていました。
しかしモーターが壊れたからと言ってこれだけを見るだけでは修理完了というわけにはいきません。
マニュアルエアコンでは、モーターの風量をコントロールするブロアレジスター(抵抗)がありますのでそちらも同時に点検する必要があります。
まずはブロアレジスターのコネクターに焼損痕がないか点検します。
問題なさそうです、次にレジスター本体を外してみると・・・ コネクタ焼損故障事例 リンク
レジスターにホコリが引っかかって大変なことになっています。
クルクル巻いている部分が抵抗でかなり発熱するためブロアファンの風が当たる通路に装着されるのですがこのようにホコリまみれになってしまっては燃えてしまわないか心配なほどでした。
ホコリを取り除き抵抗が切れていないか点検しますがやはり一番細い抵抗が切れていました。
新しいレジスターに交換します。
この車両ではエアコンの風量は4速選択することが出来ますが、今回細いレジスタが切れたことで1速で風が出ない状態になっていました。
このころのブロアレジスターはこのように抵抗がむき出しだったためよく切れました。
ちなみにトヨタの少し後の時代のレジスターはこのようにセラミックのようなもので固定されたためむき出しのころよりも格段に寿命が延びました。
1から3速ではレジスター(抵抗)を電気が通り、抵抗で消費された電気に合わせてモーターの回転を制御します、4速ではレジスターを介さず消費しない電気がモーターへ流れるため全開で回転します。
”風量全開の時だけ風がでる”という症状はレジスターを通った電気に何かしら不具合が起きていることが考えられるためレジスターの不具合と考えられるのです。
ブロアレジスタ故障事例 リンク
ブロアモーターの寿命が今回の不具合の主原因でしたが、モーターを制御する部品なども同時に点検してシステム全体を診なければいけません。