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ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 トヨタ

トヨタ ランドクルーザー(BJ61)複数整備②

トヨタ ランドクルーザー(BJ61)のご入庫

オーナーが変わるためのメンテナンスですが不具合が山積みの車両、安全に長く乗ってもらうために不具合個所をひとつずつつぶしていきます。①リンク

 

パワーステアリングポンプからも結構なオイル漏れです、ポンプの交換が必要ですがリビルト品がなかったため現品修理でこちらも何とか漏れは解消することが出来ました。

 

エンジンオイルの漏れは以前エンジンオイルパンのシール打ち直しを他店でやっているようですが、あまりにも液状ガスケットを多量に塗りすぎてはみ出しているためやり直します。

液状ガスケットは多く塗ればいいというものではありません、外側にこれだけはみ出しているということは内側にも同様にはみ出しているはずです。
はみ出したガスケットがはがれて異物として油路を詰まらせるなど重篤な不具合を起こす原因になりますので塗りすぎは禁物です。

 

エンジン前側からも漏れが酷いのでクランクプーリーを外してオイルシールを交換することにします。

クランクプーリーはボルトで固定されていてかなり大きな締め付けトルクがかかっているはずなのですが、なぜかすんなり緩み嫌な予感がします。

プーリーを取り外すとクランクシャフトとプーリーの位置決めキーが破断してしまっていました。

本来クランクシャフトにキーはまり飛び出したキーがプーリーのキー溝が入り位置決めと回り止めする構造なのですがそのキーが破断してしまっているのです。

これはクランクプーリーのボルトが緩んが事が原因で、プーリーがわずかにクランクシャフトに対して回りだしてキーに直接力が掛かってしまい破断したのです。

しかし、単にキーが破断しただけでは済みませんでした、クランクプーリーが空回りしたためプーリー内部がすり減ってしまいガタが出てしまっていました。

 

オイル漏れはこのガタでクランクプーリーが振れてオイルシールとのすき間が出来てオイル漏れを起こしてしまったのです。

このままではいくらオイルシールを交換してもオイル漏れは治りませんし、クランクプーリーもちゃんと取り付けることはできませんのでクランクプーリーの交換が必要です。

残念ながらクランクプーリーは製造廃止で入手不能ですが、何とか社外品新品を入手しましたが形状が若干違うためそのままでは使用できず加工して何とかクリアすることが出来ました。

 

次はインジェクションポンプから燃料が漏れてきていますので、リビルトのポンプに交換します。


インジェクションポンプ本体のシールが悪くなってなって漏れているため分解が必要になるのですが、現品修理よりもリビルトのほうが時間的に早く解消できます。

このくらいの年式で一度もオーバーホールしていなければ漏れていることが当たり前ですので軽油の漏れが見つかった際は速やかに対応する必要があります。

ここまできてようやく走る曲がる止まるが安心できるレベルになり走行テストを行います。

 

しかし走らせてみるとエアコン(冷房)が全く効きません。

点検するとエアコンコンプレッサーのマグネットクラッチが作動しておらず、エアコンガスを点検するとほとんど入っていませんので、まず冷媒ガスを規定量入れてみたのですがそれでもマグネットクラッチは作動しません。
※ガス量が足りないと圧力スイッチでマグネットクラッチを作動しないようになっています。

ガス量(ガス圧)が正常でマグネットクラッチにも作動電圧が来ていないので制御側で何か不具合が起きているようです。

マグネットクラッチを制御するマグネットクラッチリレーを探してもこの車両では見当たりません。

しかし室内にアンプのようなものがありそこを触るとマグネットクラッチが動き出しました。

 

どうもこの部品が怪しいです、分解してみると基盤に直接リレーが装着されていました。

このリレーを揺さぶるとリレーが作動したり止まったりします。

よく見るとリレーの基盤取り付け部のハンダに亀裂が入っているのが見えました。

リレーの熱によりハンダが切れたことで通電できずリレーが作動していなかったようで、ハンダを付け直してエアコンも正常に作動するようになりました。

ここまでの作業をしてようやく安全で快適に乗れるようになりました.

 

ランドクルーザーはタフで人気があるのですが、そのタフさゆえにかなり重篤な状態になるまで走れてしまうため、何か症状が起きて診せてもらうと複数個所の多重不具合が発生していることが多いものです

今回ご紹介した車両も30万㎞弱と走行距離、経過年数とも伸びていましたが、距離や時間の伸びは少しずつ手入れをしてればこれほどまでの作業をいっぺんに行う必要もありません。

オーナーの意識と整備する側の見立てが愛車のコンディションをベストに保つには重要になります。

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