ルノー カングーⅡのご入庫
エアコン(冷房)が効かないので診て欲しいとのご依頼。
入庫時、コンプレッサーのマグネットクラッチが作動しておらずコンプレッサーが回っていない状態。
マグネットクラッチの入力条件の一つにガス圧がありますので、ひとまずガスを測定調整すると1/3ほどしかガスが入っていない状態だったため規定量入れなおします。
しかしそれでもマグネットクラッチは作動しません。
マグネットクラッチへの作動信号を見るとちゃんと来ているようです。
マグネットクラッチとは電磁コイルの磁力でプーリーをロックしてベルトの駆動力をコンプレッサー本体に伝える構造なのですが、コイルの抵抗値を測定すると∞Ωですのでどうやらコイルが断線してしまったようです。
マグネットクラッチ単体の供給はなくコンプレッサーAssyの供給ですが、距離が伸びている車両ではコンプレッサー本体も傷んでいる可能性が高いのでアッセンブリーでの交換方法のほうが安全です。
新しいコンプレッサーに交換して正常に作動するようになりました。
コンプレッサー関係のトラブルではコンプレッサー本体の故障とコンプレッサーを作動させるクラッチやバルブ部分での故障など様々な壊れ方があります。
しかし基本はガス圧になりますのでガス量が適正であることを確認の上でトラブルシュートを進めていくことが不具合探求の近道といえます。
冷媒システム自体もガス量が不適切だと起こる不具合もありますので、ガス量の定期的な点検や調整はトラブルを未然に防ぐという意味でも重要になります。