栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備

メンテナンスの重要性

ブレーキを踏むとゴーゴーすごい大きな音がするのと、メーターにオイル警告ランプが点灯したとの事でご連絡が入りました。

状況をお電話で聞き出しますが2つの症状の因果関係が想像できませんが、とにかくお車を拝見しないとわかりませんのでレスキューに向かいます。

この車両は当店で今まで管理していない車両で初めて拝見するのですがなんとまだ新車から2年半ほどの車両です。

問診と状況を再度確認します。

まずはブレーキを踏むとゴーゴーするとの事ですのでブレーキパッドとローターを確認するとパッドが無くなりパッドの裏金とローターが金属同士で接触してしまっていました。

パッド自体が摩耗して無くなりパッドを支える裏金とディスクローターが金属同士で接触しています。

これではブレーキを踏めば誰でも気が付くほどの大きな音が出るわけです。

パットとディスクローターを交換してこちらは解消です。


次にオイル警告灯が点灯したとの事ですので、メーターをお客様とみてオイルプレッシャーランプが一瞬点灯したということを確認することが出来ました。

 

しかし新車から2年半ほどでエンジン内部に何か故障が起きることはあまり考えられませんのでエンジンオイル量を確認すると・・・

レベルゲージやフィラーキャップにはヘドロ状のオイルが付着していました。

これはエンジンオイル交換を怠ったことでエンジンオイルのスラッジなどでヘドロ状に変化したものです。

レベルゲージをふき取り量を確認するとレベルゲージにオイルが付かないほどエンジンオイルが不足している状態でした。
エンジンオイルをドレンから抜き出すと弱弱しく出てきたオイルは、わずか0.8リッター!

このエンジンの規定量は4.2リッターほどですのでほとんど入っていない状態で走り続けたことになります!

 

お客様にエンジンオイル交換をいつ行ったのか確認してみてもわからず、もしかしたら新車で購入してから一度も行っていないかもしれないとのご返答でした。

いくら新車から年数が経っていないとはいえ4.6万㎞以上走行距離が伸びていますのでさすがに交換しなさすぎです。

 

これではエンジンオイルをオイルパンから吸い上げることが出来ずにオイルプレッシャランプ(油圧警告灯)が点灯するのは無理はありませんし、もう少し遅ければエンジンは焼き付いてしまうところでした。

 

ここまで内部が汚れていたりオイルを一瞬とはいえ循環させない状態にしてしまった以上せめて内部の洗浄を行う必要があります。

フラッシング用のオイルと即効性のフラッシング剤にヘドロ状の汚れをすすぎだして次に今度は遅効性のフラッシング剤を添加します

ここから先3000㎞走行して頂き、走行しながらゆっくり残った汚れを溶かします。

使用するオイルも少しグレードの高いオイルにしていただきました、内部にダメージを与えている可能性がありますので少しでも保護することを目的とします。

このようにここまで痛めてしまうと一般的なオイル交換だけでは済ますことが出来なくなってしまいます。

 

ブレーキパッドにしろエンジンオイルにしても点検を受けていれば未然に防ぐことが出来ますし痛めることもありませんでした。

現在の制度ですと乗用車の初回車検は3年後になってしまうため、強制力のない法定12か月点検などを受けていないとこのようなことが起きてしまいます。

 

昔のように新車を購入したら、ならし運転をしてエンジンオイル交換をするなどという話もめっきり聞くことが無くなりました。
かつては高額で大切な愛車だからこそ長く良い状態を
保ちたいという気持ちの表れでもあったわけです。

 

自動車を所有するということはその車に対する管理責任も伴わなければいけないことなのですが、メンテナンスパックやリースなど実際ユーザー自身が管理しなくなってきたり、自動車自体がメンテナンスフリー化が進みメンテナンスをしなくてよい部分が増えたことでユーザーの認識が薄れてきたことがこのような事態を引き起こすと思われます。

自動車自体は様々な技術が投入されて進んできているのに、人間が管理できなくなってきていることは皮肉なものです。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄②

強制再生もできなくなったこちらの車両、各部点検してDPDに詰まりがあることが確定したので分解洗浄を行うことになりました。 いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄① 外したDPDはこのような形をしています。 中は酸化触媒とDPDのセクションに分かれます。 初めにエンジン側の酸化触媒の入り口を見てみます。 ここはエンジンから出てきた排気ガスをもろに受けるところになりますが大きなススの塊で半分近くふさがっています。 次に分解していきます。 DPDの入り口側はパッと見た感じあまり汚れていないように見えます。 ...

続きを見る

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄①

いすゞ エルフ(NJR85)のご入庫 DPDの堆積限度を超えてそのたびに対策していましたが(事例リンク)いよいよ強制再生もできなくなってしまいました。 正常な状態ですとDPDの差圧が大きくなるとススで詰まっていると判断して自動的に強制再生が始まります。 しかし、"強制再生を無視したり" "使用過程の不利な癖"などで詰まりが解消しないことが続くとエンジンチェックランプを点灯させてフェイルセーフを掛けます。 ※フェイルセーフはメーカーによって条件や作動の仕方は変わります。   こちらの車両、チェック ...

続きを見る

FIAT パンダⅢ(312)ダブルマスフライホイール破損

FIAT パンダ(312)のご入庫 ディーラーでダブルマスフライホイールの故障を指摘されて当店にいらっしゃいました。 まだ走行できる状態でご入庫されましたがエンジン振動が大きいのとデュアロジックシステムもエラーが出てギア抜けを起こしたそうです。 ディーラーで診断済みとの事ですが、当店でもディーラーでの診断結果と実車を確認した上で同様の診断結果となりダブルマスフライホイールの故障が起きていると判断しました。 基本はクラッチオーバーホールと同様の作業になりますのでトランスミッションを取り外してクラッチを点検し ...

続きを見る

MINI クーパーSDクロスオーバー(R60) チャージランプ点灯

MINI クロスオーバークーパーSD(R60)のご入庫 チャージランプが点灯するとの事。 チャージランプとはバッテリーの形をした警告灯ですがバッテリーの良否を表示しているわけではなく充電系統に異常があることを警告するランプになります。 充電系統のカナメである発電機であるオルタネータを点検すると何やらゴムカスのようなものがベルト周りに多数飛び散っているのがわかりました。 このディーゼルエンジンでよく起こる不具合の可能性があります。 結果として予想通りクランクプーリーのダンパーゴムが剥離したことでプーリー自体 ...

続きを見る

シトロエン C3 納車整備?

シトロエン C3のご入庫 中古で購入したこちらの車両、購入時車検を取ったうえで納車されたようですがブレーキが無いように見えるので点検してほしいとのご依頼。 走行距離4万㎞台なのでそれほど傷みはないかと思われますが、ブレーキを簡単にチェックするとフロントブレーキパッドがほとんどありませんしブレーキディスクローターの摩耗も激しいのがすぐにわかりました。 車検は購入時に取っているがちゃんとした整備が行われていないようですので当社で法定点検を行いリセットの意味で全体をメンテナンスを含めた点検整備行うことになりまし ...

続きを見る

メルセデスベンツ CLA180 エアバック警告灯点灯

メルセデスベンツ CLA180 メーター内にエアバックの警告灯が点灯したとのこと 診断機にて故障コードを読み出します。 B005013 運転席シートベルトバックル機能障害・断線 このようなエラーコードを検出しました。 シートベルトバックルとはシートベルトを装着するときに差し込む部分のことで、この部分の機能障害を訴えてきました。 バックルアッセンブリーを交換します。 交換後はエラーの検出も収まりました。   従来からシートベルトバックルにはシートベルトをしないと警告灯や警告音を発報するスイッチが内 ...

続きを見る

FIAT 500L ツインエア ドックボーンマウント切れ

FIAT500Lの車検でのご入庫 500Lは正規での日本未導入車両で、こちらは500Lのツインエア搭載モデルになります。 車検整備はいつも通りの内容ですが点検時交換必要か所を発見しました。 エンジン下部にあるエンジンマウントですが切れてしまっていてエンジン全体が前後に大きく動いてしまっている状態です。 ドックボーンマウントなどと呼ばれるロアマウントになります。 FF車ではこのように下側でエンジンの動きを抑制するマウントは良く採用されています。 交換が必要ですが並行車両なので日本国内で部品の流通が無いため海 ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ)エンジン掛からない

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ) エンジンが掛からないとのことで搬送されました。 症状が起きた時のシチュエーションをまとめます。 ・マニュアル車でギアを入れたたままでクラッチを踏まずにクランキングをしてしまった。 ・その直後からクランキングが出来なくなった。 ・ジャンピングをしてもうんともすんとももいわない。 ・メーターの表示も作動せず黒いまま 上記状態で搬送されましたので、車両の状況を確認していきます。 ・キーを回してもメーターの作動は無くスターターモーターも全く反応していない状態。 ・バッテリーの測定値 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(日曜日)から4日(日曜日)は休業させて頂きます。 10.11.12.18.25日も休業となります。      

続きを見る

整備の質

以前から時折見かけてはいましたが最近あまりにも多いブレーキドラムの給油方法。 雑すぎる給油が気になって仕方がありません。 ドラムブレーキのドラムを外すとこのようになっています。   写真ではよくわからないかもしれませんがグレー色のモリブデングリスを塗りたくっています。 金属部分同士がこすれる摺動部分に給油が必要なのですが、必要個所以外にもグリスが大量に付着していて、バックプレートなどは全体にわたってグリスが付着しています。   関係のない所にもたくさん付着しています。 グリスの付着具合から当社で ...

続きを見る

-故障修理・整備

© 2025 増高自動車工業有限会社