ランドローバー フリーランダー2のご入庫

車検整備の際、駆動系統のオイル交換をご依頼されました。
はじめにオートマチックフルードの交換から始めます。
こちらのミッションはAISIN製6速オートマチックです。

ドレンからフルードを排出しますが真っ黒です。

レベルチューブも外してした下から抜ける分すべて抜きますが、ここから抜けるオイルの量は良くても全体の半分です。

そこで何度か新油を入れてフラッシングを行います。
フラッシング後は適正な温度でフルードレベルの調整を行い終了です。

次にトランスファーとリヤディファレンシャルオイルの交換ですが、どちらもドレンがありません。
トランスファー

リヤディファレンシャル

メーカーでほぼ無交換でよいとドレン自体の設定をなくしてしまったようです。(オフロード走行する車両は路面との接触で破損の恐れがあるため装備していないこともあります)
とはいえディファレンシャルオイルは非常に少ない量で潤滑をしているものなので無交換でよいというのは納得がいきません。
実際に抜き取ったオイルは御覧の通りです。

昔に比べオイルの性能もよくなっているし機械的な工作精度や設計もよくなっているのかもしれませんが基本的な考え方は変わっていないと思います。
最後に欧州車で採用されていることの多いHALDEXオイルの交換です。

こちらの車両のHALDEXもドレンはありませんがフィルターはあります。
フィルターとフルードは御覧の通り真っ黒です。


こちらの使用するフルード量は少なく負担が大きいため真っ黒になってしまいます。
エンジンオイルのメンテナンスは比較的メジャーで行われることも多いのですが、駆動系統は自動車メーカー側で交換サイクルの指定がまちまちのため、ユーザーに混乱を招き行われることが少ないのが実情です。
しかし、交換したフルードなどを見ればどれくらい負担がかかり傷んでいるかお分かりになるかと思います。