BMW Z4(E85)のご入庫
ご用命はエアコンの冷房が効かないとの事。
冷房の効きが悪い場合、まずは基本となるのは冷媒システムがうまく機能しているかを調べなければなりません。
冷房システムのカナメは冷媒ガスです。
冷媒ガスはたくさん入っていれば良いというものではなく、多すぎても少なすぎてもいけませんので規定の量が入っているかどうかをまずは確認する必要があります。
こちらのお車やや少なめで全く効かないレベルではなかったですが故障探求を進めるうえでも規定の量になっていることが重要ですので規定量に入れ直します。
次に規定のガス量が入っているうえで、システムが上手く作動しているか点検していきます。
こちらの車両のエアコンコンプレッサーは固定容量タイプでマグネットクラッチプーリーでコンプレッサーをON/OFFします。
室内のエアコンスイッチの操作に合わせてマグネットクラッチもON/OFFをしますので操作システムは正常に作動しています。
しかし、マグネットクラッチプーリーがONの状態になったら、冷媒ガスが圧縮されて圧力が高まらなければいけないのですが、わずかに高くなるだけでほとんど変化がありません。
これはコンプレッサー内部での圧縮不良が起きていると判断できます。
コンプレッサーを交換することになりました。
同時にリキッドタンクも交換
高圧の液状になった冷媒を安定させたり、フィルターも兼ねていますので冷媒システム故障の際は、交換が必須となります。
交換後は正常な圧力と冷房・除湿性能は正常に戻りました。
エアコンコンプレッサーには大きく分けて2種類あり固定容量タイプと可変容量タイプに分かれます。
どちらも冷媒ガスを圧縮するという意味では役割は同じですが、固定容量の場合先ほどご案内した通りマグネットクラッチプーリーのON/OFFでコンプレッサーが回る/回らない(圧縮する/しない)をコントロールするのに対して、可変容量タイプは常にコンプレッサーは回り続けるのですが電磁バルブの開閉で圧縮圧力を細かく調整します。
エアコンコンプレッサーは非常に負荷が大きいので電気的に細かく制御することで唐突な入り切りや無駄な圧縮負荷を低減することが出来るのです。
現在販売されている車両では、ある一定以上の車格ではこのタイプになっています。
どちらのタイプにしろ冷媒ガスの圧縮圧力が上手くいっているかどうかが、冷えや除湿性能のカナメになります。