栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 フォルクスワーゲン

VW ゴルフ5 エンジン重複トラブル

VW ゴルフ5 ヴァリアント(1K)のご入庫

中古車を購入後、すぐにチェックランプが点灯したとの事

エンジンは1.4Lツインチャージャー(BLE)ユニット搭載車両です。

 

診断機を使用して故障コードを読み出します。

なにやら沢山検出しているようですが,インテークマニホールド系とブースト圧系の2種類の不具合に関係した物のようですので、一旦消去して走行テストを行います。

 

テスト走行後の検出はこちら

08801 ブーストブレッシャーコントロールバルブ 機械的故障
08213 インテークマニホールドランナーポジションセンサーレンジ異常

この二つがおおもとの故障でそこに関連したものを前出で検出していたものになります。

故障コードは様々なことを教えてくれる代わりに関連したものも拾ってしまうこともあるので慎重に故障探求を行っていきます。

 

まずはランナーポジション系統を調べます。

ランナーとははインテークマニホールドの吸気ポートのランナーバルブを開閉することで吸気ポートを広めたり狭めたりする装置です。メーカーによってはタンブルやスワールコントロールバルブなどという名称でも呼ばれます。
故障事例 リンク

ランナーバルブが動作しているかエンジンを掛けてモニターするのですが途中で動かなくなってしまいます。
※緑色の線がバルブ角をモニターしています。


開閉はバルブシャフトをダイヤフラムで操作します、ダイヤフラムは負圧を使用することで動かします。

ダイヤフラムをマイティバックで負圧を掛けて操作してみますがしっかり動きますし負圧を維持しますので破けもなさそうです。
負圧のかけ具合でランナーの角度もリニアに変化しますのでダイヤフラム以降は正常と考えられます。

次に負圧を制御するバキュームコントロールバルブを点検します。

マイティーバックをダイヤフラム側ホースにつないで負圧の掛かり具合を見てみると、突然負圧が掛からなくなってしまいました。

コントロールバルブを小突いてみるとまた負圧が掛かるようになりました。

どうやらコントロールバルブ内部の動きが悪くなったことで負圧のコントロールが出来るときと出来ない時がある模様です

コントロールバルブを交換してランナーバルブの不具合は解消しました。

しかし、ブーストコントロールバルブの故障コードは残りましたので前出の不具合とは関連性がない別の故障だということがわかります。

実はこちらの故障は比較的よく起きる故障でパーツも対策品に変更になっています。

ターボチャージャーのブースト圧をコントロールする部品なのですがバルブの造りは全く新しいものに変わっています。

こちらを対策品に交換することでバルブがしっかり閉まりブースト圧をコントロールすることが出来るようになります。

上記2点の不具合箇所を交換して検出していた故障コードはなくなりました。

 

しかし、走行テストで最終チェックをしているとチェックランプの警告とともにアクセルの反応が無くなって失速してしまいました。

急きょ路肩に止めて故障コードを見てみると今まで出ていなかった新たな故障コードを検出しています!

スーパーチャージャーのマグネットクラッチの異常を検出したためフェイルセーフでアクセルを操作しても回転が上がらなくしていたのです。

このスーパーチャージャーのクラッチ故障もこのエンジンではよく起きることです。
故障事例 リンク

ウォーターポンププーリーに内蔵されたクラッチでスーパーチャージャーをコントロールするのですがこれもよく壊れます。

完全に壊れているわけではないのでしょう、故障コードを消去してその後の走行テストで検出しなかったためお客様には、様子を見てもらうことにしました。
※次にまた検出した場合はウォーターポンプASSY(マグネットクラッチ)の交換が必要なことを説明しました。

 

中古車を購入直後でこんなにも故障が複数潜んでいたのでは、たまったものではありません。

元々壊れていたものを売っていたのは間違いありませんが、車両購入方法によっては保証してもらえないこともよくある話です。

このような事例以外にも、かなりの高額修理が潜んでいることもありますのでご注意ください。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄①

いすゞ エルフ(NJR85)のご入庫 DPDの堆積限度を超えてそのたびに対策していましたが(事例リンク)いよいよ強制再生もできなくなってしまいました。 正常な状態ですとDPDの差圧が大きくなるとススで詰まっていると判断して自動的に強制再生が始まります。 しかし、"強制再生を無視したり" "使用過程の不利な癖"などで詰まりが解消しないことが続くとエンジンチェックランプを点灯させてフェイルセーフを掛けます。 ※フェイルセーフはメーカーによって条件や作動の仕方は変わります。   こちらの車両、チェック ...

続きを見る

FIAT パンダⅢ(312)ダブルマスフライホイール破損

FIAT パンダ(312)のご入庫 ディーラーでダブルマスフライホイールの故障を指摘されて当店にいらっしゃいました。 まだ走行できる状態でご入庫されましたがエンジン振動が大きいのとデュアロジックシステムもエラーが出てギア抜けを起こしたそうです。 ディーラーで診断済みとの事ですが、当店でもディーラーでの診断結果と実車を確認した上で同様の診断結果となりダブルマスフライホイールの故障が起きていると判断しました。 基本はクラッチオーバーホールと同様の作業になりますのでトランスミッションを取り外してクラッチを点検し ...

続きを見る

MINI クーパーSDクロスオーバー(R60) チャージランプ点灯

MINI クロスオーバークーパーSD(R60)のご入庫 チャージランプが点灯するとの事。 チャージランプとはバッテリーの形をした警告灯ですがバッテリーの良否を表示しているわけではなく充電系統に異常があることを警告するランプになります。 充電系統のカナメである発電機であるオルタネータを点検すると何やらゴムカスのようなものがベルト周りに多数飛び散っているのがわかりました。 このディーゼルエンジンでよく起こる不具合の可能性があります。 結果として予想通りクランクプーリーのダンパーゴムが剥離したことでプーリー自体 ...

続きを見る

シトロエン C3 納車整備?

シトロエン C3のご入庫 中古で購入したこちらの車両、購入時車検を取ったうえで納車されたようですがブレーキが無いように見えるので点検してほしいとのご依頼。 走行距離4万㎞台なのでそれほど傷みはないかと思われますが、ブレーキを簡単にチェックするとフロントブレーキパッドがほとんどありませんしブレーキディスクローターの摩耗も激しいのがすぐにわかりました。 車検は購入時に取っているがちゃんとした整備が行われていないようですので当社で法定点検を行いリセットの意味で全体をメンテナンスを含めた点検整備行うことになりまし ...

続きを見る

メルセデスベンツ CLA180 エアバック警告灯点灯

メルセデスベンツ CLA180 メーター内にエアバックの警告灯が点灯したとのこと 診断機にて故障コードを読み出します。 B005013 運転席シートベルトバックル機能障害・断線 このようなエラーコードを検出しました。 シートベルトバックルとはシートベルトを装着するときに差し込む部分のことで、この部分の機能障害を訴えてきました。 バックルアッセンブリーを交換します。 交換後はエラーの検出も収まりました。   従来からシートベルトバックルにはシートベルトをしないと警告灯や警告音を発報するスイッチが内 ...

続きを見る

FIAT 500L ツインエア ドックボーンマウント切れ

FIAT500Lの車検でのご入庫 500Lは正規での日本未導入車両で、こちらは500Lのツインエア搭載モデルになります。 車検整備はいつも通りの内容ですが点検時交換必要か所を発見しました。 エンジン下部にあるエンジンマウントですが切れてしまっていてエンジン全体が前後に大きく動いてしまっている状態です。 ドックボーンマウントなどと呼ばれるロアマウントになります。 FF車ではこのように下側でエンジンの動きを抑制するマウントは良く採用されています。 交換が必要ですが並行車両なので日本国内で部品の流通が無いため海 ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ)エンジン掛からない

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ) エンジンが掛からないとのことで搬送されました。 症状が起きた時のシチュエーションをまとめます。 ・マニュアル車でギアを入れたたままでクラッチを踏まずにクランキングをしてしまった。 ・その直後からクランキングが出来なくなった。 ・ジャンピングをしてもうんともすんとももいわない。 ・メーターの表示も作動せず黒いまま 上記状態で搬送されましたので、車両の状況を確認していきます。 ・キーを回してもメーターの作動は無くスターターモーターも全く反応していない状態。 ・バッテリーの測定値 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(日曜日)から4日(日曜日)は休業させて頂きます。 10.11.12.18.25日も休業となります。      

続きを見る

整備の質

以前から時折見かけてはいましたが最近あまりにも多いブレーキドラムの給油方法。 雑すぎる給油が気になって仕方がありません。 ドラムブレーキのドラムを外すとこのようになっています。   写真ではよくわからないかもしれませんがグレー色のモリブデングリスを塗りたくっています。 金属部分同士がこすれる摺動部分に給油が必要なのですが、必要個所以外にもグリスが大量に付着していて、バックプレートなどは全体にわたってグリスが付着しています。   関係のない所にもたくさん付着しています。 グリスの付着具合から当社で ...

続きを見る

ホンダ ステップワゴン(RP3)安全支援システムエラー

ホンダ ステップワゴン(RP3) メーターに警告が次々出てくるとのこと。 警告灯の内容から安全支援システムに絡む故障が起きているようです。 診断機を使用して故障コードを読み出します。 P3000-49 マルチパーパスカメラ内部故障 カメラの内部故障を検出しています。 安全支援システムのカナメであるカメラの故障を検出したため安全支援システムのそれぞれの機能に対する警告灯が次々と出てきたのです。 カメラを交換 新品のカメラを付けなおしただけではこのようなエラーが出てしまいます。 エーミングが終わっていないとい ...

続きを見る

-故障修理・整備, フォルクスワーゲン

© 2025 増高自動車工業有限会社