ニッサン エルグランド(E51)のご入庫
ご用命はエンジンチェックランプが点灯してエンジンが掛かりずらいとの事。
入庫時メーターにはエンジンチェックランプが点灯しています。
エンジンが掛かりずらいとの指摘はクランキング時間が長いことのようです。
エンジンが掛かるまでのクランキング時間が長いのがわかります。
診断機を使い故障コードを読み出してみます。
カムポジションセンサーB1を検出しています。
B1とはバンク1の略で、このエンジンはV型6気筒ですので右バンクと左バンクがそれぞれあり、それをバンク1バンク2と呼んでいます。
バンク1のカムポジションセンサーに不具合が出たと訴えてきています。
実際、データーモニターで見てみるとやはりバンク1(グリーン線)は全く反応していません。
エンジンの前方にそれぞれ装着されています。
センサーはこのような物です回転しているカムシャフトのセンサー用凹凸をコイルの磁界を利用して位置をセンシングするようになっています。
こちらの車両左右同じものを使用しているので左右バンクで入れかえてみて信号をモニターすると入れ替わってB2側の不良が出ましたのでセンサー異常と断定できました。
高額な部品ではないので左右バンクとも新品に交換しました。
今回の不具合には直接関係していませんがエンジンの回転を見ているクランク角センサーも交換しました。
このセンサーはドライブプレートで位置を見ているので車両下側についています。
仕組みはカムポジションセンサーと同じですので予防的に交換をいたしました。
交換後の正常な状態でのクランキングはこのようになります。
クランク角とカム角でピストンがどの位置にいるか見ていますので重要なセンサーになるのですがカムポジションセンサーひとつダメになってもクランクセンサーで代替値として置き換えることでエンジンを回すことが出来てしまいます。
それを読み取るまでの時間が掛かるのでクランキング時間が長くなり症状として現れるのです。
もちろん故障しているのでエンジンは掛かったとしても、回転がギクシャクしたりしますので乗り続けることはご法度です。