MINIクーパーS(R53)のご入庫
クラッチがつながらず走行不能で緊急搬送されてきました。
クラッチペダルの節度はあるがつながりません、完全に滑っています。
クラッチオーバーホールを行うほかありません。
取り外したクラッチ板はご覧の通り
摩擦面は炭化して無くなって芯となる繊維のみが残ってパサパサになっています!
滑って高温になった結果です!
これでは動力を伝えることは出来ませんので走れるわけありません。
新品はこのような物です。
クラッチはディスク・カバー・ベアリングの3点で交換します。
クラッチカバーのプレッシャプレートも高温になり鉄が真っ黒に変色してしまっています!
他にもベアリングのスライドガイドにもなるインプットシャフトベアリング(一体部品)やクラッチフォークの支点になる樹脂製ブッシュも交換です。
実はこちらのお客様、始めて当店にいらした際からクラッチペダルの重さ(クラッチの摩耗)は指摘していまして、なるべく早くクラッチオーバーホールする必要があることはお話ししていました。
しかし、この車両はクラッチオーバーホールをするのにエンジンも降ろさなければならず工賃もかさむため躊躇なさっていました。
クラッチ滑りは単に、クラッチ板が無くなるだけでなく、滑ることで高温になり他の部品にダメージを与える可能性も在ります。
いつも乗られている方はクラッチペダルの重さの変化にはなかなか気が付きません。
プロから指摘があったりご自身で気が付かれた場合などは、走行不能に陥る前になるべく早く対処するようにしてください。